参加者の声 片平秀貴「日本のブランドづくり、20年でどこまで来たのか」

丸の内ブランドフォーラム ラウンド 15・2
第7回 2月8日(月) 片平秀貴
「日本のブランドづくり、20年でどこまで来たのか」

MBFメンバー》

■ ブランドを創って育てていくに当たっての、普遍性のある魂のような考え方に触れられて、心が震えました。
私事ですが、私の母校である熊本の済々黌高校でもそのような気概・元気を心身で学んできたので、その「初心」と魂を忘れずに、自信をもって職務に当たっていこうと思いました。どうもありがとうございました。

■ 20年、お疲れさまです。いや、「お元気さま」ですよね、まだまだご活躍いただかなきゃならないですから。
超Fast Cycle化したデジタル時代には、本来は長年の蓄積が不可欠な「ブランド」てぇ代物が機能変化しているんじゃないかとの思いがあります。また、逆に情報過多ゆえに判断基準としてのブランドの意味合いが高まっているかも、との思いも。
時々刻々変わり行く社会環境の中、一つ一つ疑念を晴らしていきたいと思います。今後ともよろしくお願いします。

■ ブランドとは何か、ということを考え続けています。片平さんのお話を私なりに理解したのが以下のコメントとなります。

ブランドは結果的にお客様の心の中に出来上がるものだし、その意味ではブランドは送り手の所有物ではない。ただ、送り手の不断の努力:ぶれない芯をもち、誠実に道を求め、挑戦(冒険)し続けることによってのみ育まれていくものだと考えています。
またその原点には、個人(創業者や中興の祖)の熱い想い、夢がなければ成り立ちえないでしょう。ただ、その「個人」にとどまってしまっては持続しないため、「夢」を共有し、それをDNAとし、何のために自分たちが存在するのかという「芯」にしていくことが重要なのだと思います。それが初心ということなのだと感じました。
さて、この10年の変化の中で、インターネット、特にSNSの発達は不可逆的な変化を引き起こしたと考えています。それは、作り手と買い手、送り手と受け手の境目をなくしていきます。誰もが自分が作ったものや自分のスキルを売ることができる、誰もが商品やサービスに対する評価や意見を表明することができる世の中は、今までになかったと思います。
もちろん、ステマなどの情報操作が行われればマスコミによる情報操作と変わりがないかもしれません。また、SNSといいながら自分と同じ考え方をする人の間でしか情報がやりとりされていない状況では、リアルな友人間のコミュニケーションと大差ないという考え方もあるでしょう。
それでもこの変化がもたらすことは産業革命に匹敵するのではないかと感じています。

■ 企業のブランドづくりにあたっての重要なポイントを改めて教えていただいた。今後の業務推進の参考になった。

■ 20年、変わったもの、変わらないものに思いを馳せました。
本質的なものは変わらない、というお考えに大いに共感する一方で、個人が触れる情報量の飛躍的な増大、コミュニケーションツールの変容は、マーケティングは勿論、私たちの生活全般に大きな変化をもたらしたことを改めて感じます。
20年後、多くの人は「いま存在していない業種、職業」についているのではないかと想像します。その中で生き残り、愛され、求められるブランドであるために脳みそに汗をかいて考えて行きたいと思います。

■ 講演当日の2月8日がピッタリの20周年だったとは・・・、最初から参加していたメンバーの一人として、感慨深いものがあります。 またお話の内容も、20年間の歩みを振り返る懐古的なものだったので、「そう言えばそうだった。」と、思い出しながら感傷にふけってしまいました。
それにしても20年の実績は凄い! “10年一昔”だから二昔になりますが、英語で言えば“two(too) decade”=あまりにデケーど? やはり継続は力ですね。 また「初心忘るべからず」、「ぶれない芯」も重要ですが、「伝統は革新の連続」であり、「定番+驚き」がブランドを強固にすることを思えば、もう少し驚きや革新があっても良かったかも知れません。 例えば、以前のP&Gの時のように、講演(座学)+会社訪問を1年に1回程度実施するとか。 前刀さんのお話にもあったように、視覚・聴覚に加えて五感をフルに使う体験が出来れば、感性も高まり、新しい発想や行動につながるのではないでしょうか。

■ 久しぶりに先生の講義を聞き大変刺激になりました。
紹介された本をamazonで購入したので、まずは読破しようと思います。仕事の現場にいると、ついアカデミックな方法論を忘れてしまうので、今後は定期的に理論も学習しようと思いました。

■ 20年の長きに渡りこのような集まりを続けてこられた志と熱意もまたMBFが提唱する「芯」の表れではないかと御同慶の至りです。
96年から参加されている方には遠く及ばない新参者だと思っていた私も彼此5年になります。仕事で方向性が見えず悩んでいた私にとって、MBF-Lectureの数々は衝撃でした。そして自分の仕事がなんのために在り、何を軸として、何処を目指せばよいのか、道筋を照らしていただきました。
昨今、経営者のコメントや様々なテキストで「ブランド」が語られるようになりました。しかしながらこの聞こえの良いコトバが流行するにつけなにかイヤ~な気分になります。「○○市場における△△ブランドのプレゼンスを高め、今期売り上げNo.1を達成しよう!」。掛け声だけでは現場は自走しません。本質を忘れて理屈や計算に走るからうまくいかないのではないかと。
「本質は驚くほど変わっていない」。ブランドを意識しはじめてたかだか20年の1/4にしかならない私ですがLectureを受けるごとにそう思います。
本質とは何か?人- 芯 – 客 – 名。主語はまずは人かと。それはブランドが対象とするものがいつの時代でも「人」であるからなのだと思います。方法論を研究し、フレームワークとケーススタディを学んだとして、それはツールであり、知識であり、実践とは別のものです。実践において一度「人」に接するとその「我儘さ」に驚きます。ツールや知識では解決できない、異質のカベに突き当たります。人を動かすにはどうしたらよいか?人は何を望むのか?人はどうしたいのか?学ぶべきことはまだまだある、いや、それは学ぶより体験して悩んで考えて感じることでしかできないのかもしれません。共に感動し、共に幸福になることが私の考える「本質」です。

《片平ゼミ学生》

■ 片平先生の愛されるブランドについて改めて詳しく聞けてよかったです。本当に好きなブランドはロジックで好きになるかもしれないけれど、ずっと好きでいられることは強い思いがあってこそだと思います。すごい刺激になりました。ありがとうございました!

■ 就職活動がこれから本格化するにあたって、企業を見ていく上で、また働くということを考える上で、大切にするべきことを改めて認識する貴重な機会になりました。
私は先日参加したとあるインターンシップで、大きな感銘を受けました。先生が仰っていたように、企業としても職員の方々個人個人としてもしっかりと芯を持っていらっしゃることがひしひしと伝わってきました。それまでは「こういう企業で働きたい」という曖昧なイメージを持つのみだったのですが、インターンシップに参加したことでその企業が大好きになり、初めて「ここでこの仕事がしたい」と強く感じました。この気持ちを原動力に、就職活動に真剣に取り組んでいきたいと思います。
貴重なお話をありがとうございました。

■ ブランドに残された課題として、ぶれない芯を持つ、ということが出てきました。
ブランドの芯がブレるというのは、つまりブランドの本当の芯が何であるか分かっていないということだと思います。
そもそも、「芯」を見つけることそのものが相当に時間のかかる、大きな作業ではないかと思います。これは就活にあたって自分が何をしたいのか、自分の芯を見つけることに一苦労だということにも当てはまると思います。
芯を見つけた上で大切なのが、その芯を受け継いでいくこと=定番と、時代を反映した変化=驚きだと思いました。

■ MBFの歴史を知るとともに、日本を代表する各企業ブランドが果たして真のブランドと言えるのか、考えさせられた講義となりました。
中でも特に印象に残ったのは、「初心忘るべからず」という言葉でした。初期のダメだった頃をよく知っているからこそ、商品自体への愛や顧客満足への異常なくらいのこだわりが揺るぐことがないのではないでしょうか。しかしながら会社が大きくなればなるほど、時間が経過すればするほど、初心は消えてしまうものでもあります。そのため「初心」をうまく全社員に浸透させる、受け継いで行くことに関して、現在ブランド力を維持している企業の知恵を聞いてみたいと思いました。