参加者の声 エマニュエル・プラット LVMHモエヘネシー・ルイヴィトン・ジャパン 前代表取締役

■ 洗練された内容であったと感じました。
マーケットの解釈はおそらくLVMHの他の方からも興味深いお話が聞けるかと思いますので、フランスと日本の架け橋となったプラット氏ならでは、である点、例えばフランスのブランドが日本国民に与えたもの、日本の文化や国民性がブランドに貢献した点について、さらに詳細を伺ってみたくなりました。大変勉強になりました。

 

■ ラグジュアリービジネス/プレステージブランドの「あり方」を再確認することができた。

 

■ かつて輸入ワイン部門にいたものとして、日本の消費者の要求度が一番高く、それによって生産者側が最初は憤り、次第に「日本の消費者に鍛えられる」と言っていたことを思い出しました。おもてなしがデフォルトの国民性はおのずとその要求水準が高いのです。
一方、日本から真のハイエンドブランドが育ちにくい理由が見えたようで見えなかったのが残念です。階級がないから幾世代も続くブランドを育てる顧客が得られにくいのか、新し物好き、若者が消費を牽引して大人の文化が弱いからなのか、仮説は持ちますがいずれも論拠に乏しく、今回の講演からもそれを得ることができませんでした。

 

■ 参加させていただきありがとうございました。
弊社の考えと共通する部分も多くあり、参考になりました。
大きなマーケットの話も興味深かったのですが、LVMHのマーケティングの話をもう少し深堀して聞きたかったです。
1)マーケッターの皮膚感覚として何をもってブランディングが成功していると考えるのか?そのメジャーメントの方法
2)年間10万円のお客様と1000万円の購入をするお客様の差別化は?
ご紹介いただいたCSRを高めるイベント以外にTop Customerに対する秘密のイベントなどされていないのか?
3)「雑誌なんか読んでいない」という環境のなかで、ライフスタイル誌に出稿し続けている(出稿量1番)の理由は?
4)マーケティング費用の何%をブランディング確立に、何%を製品紹介に、何%をタクティカルな販促に使うのか?
5)日本マーケット特有のお客様の嗜好、どうやってコミュニケーションをローカライズするのか?
もし、何かの機会があればお聞きしたかったです。
ありがとうございました。

 

■  Brand needs emotional experience
Brand should be fun, freshness, unique products and services,
evlove all the time
というのが印象に残った。
妥協はせず、うまく時代に合わせた売り方や新しいアイディアに挑戦し続けることが非常に大切だと思う。
★なぜ日本とフランスとの共通点?しかし何故世界ブランドになれないのか?と質問に対して

Craftmanship Value on high quality
が出てきたのが日本人として嬉しかった。
わたしは常々日本の伝統工芸や料理はとくに、世界で通用する品質と歴史とデザイン性をもっていると思っているが、それを上手くエモーショナルに伝え切れていないのがとても残念だと思っている。横の連携をして日本を輝かせる必要がある。

Brand should be unified and protected but New ideas can be in.
自分の業務に置き換えると、日本発の企業、根っこを理解し、それを上手く伝えていくことが必要だと感じている。
同じ日本発の企業にはないものを見つけて訴求したい。

 

■ どれだけ優れた職人技があり、すばらしいデザインのものをつくっていたとしても、その価値が伝わらなければ「ブランド」にならない。
その価値を伝え続けていくこと、モノだけでなくお客様とのタッチポイントにおいても、そのブランドにふさわしいサービスを実践していくことが重要であることは、LVMHの輝かしい成功を見るにつけ、納得できることでした。
ラグジュアリーブランドにおいても、Eコマース、Mコマースが無視できない存在である、それを自ら実践していこうとされているところも印象的でした。

 

■ プラット氏の講演を拝聴しました。
まずは、自社のブランドに対する情熱とマネジメントとしての冷静さを兼ね備えた、とてつもないオーラを感じました。
お話の内容には、正に新発見、というものはありませんでしたが、ラジグジュアリーブランドとして必須のマネジメントを着実に実行されている印象を受けました。
ブランドの「DNA」をどのように社内全員で伝承し共有、そして厳格にルール化しているのか、最も興味を持ちました。質問しなかったことを後悔しています。

 

■ トータルしてプラット氏そのものが、「ブランド」を具現化していると感じました。その存在感も含めて、講演を直に聴く価値がある、と強く思いました。また、話自体もそうですが、講演後の質疑応答の部分まで含め、あますところなく興味深く勉強になる講演でした。こういう機会をいただけてラッキーだったと思っています。ありがとうございました。

 

■ マーケットの話は非常に興味深かったが、ルイヴィトンの精神をもっと聞くことが出来たらもっと良かったかもしれない。

 

 

■ エマニュエル・プラット氏の話を直に聞くことができ、大変光栄でした。世界の高級ブランドビジネスをリードする企業LVMHから見た日本のマーケットの話や、プレミアムブランドであり続けるためには、希少性が必要だということなど大変興味深く聴くことが出来ました。8歳の子供へのスペシャルオーダーの話やエマニュエル・プラット氏の鞄の話も感動の一瞬でした。物だけではない心のつながりも大切にしているからこそ、プレミアムブランドだと思います。

■ 日本のラグジュアリー市場が「モノ」から「コト」へシフトしているというのは、実感としてはあったものの、データとしても存在していて、非常に参考になった。また、ファストファッションがあふれる中で、アウトレットなどでは、ラグジュアリーブランドの店舗に人が少なくなっているというのも実感としてあったが、このような状況の中で、いかにして生き残っていくか、という方向性においても、やはり「ブランド体験」=「コト」の重要性を認識されていることが非常に共感できた。一方で、やはり日本発のラグジュアリーブランドがほとんどないということについて、日本人のラグジュアリーブランド好きという傾向=西洋への憧れということでしかないのか、その点については、改めてショックを受けたと同時に、疑問が残る点であった。

 

■ ・トップブランドの責任者の発言は、聞くだけでいずれも重みがある。
・特に、トップエンドの、ブランドというより「商品」はまさに別格であり、その「価値」の維持には並々ならぬ背景があるように見受けられた。感じた一つは、店舗の重視である。この中には応接のことなど多くのことが含まれるのであろう。二つには新しいメディアを決して軽視しないこと。すでにセレブリティ他上顧客の囲い込みは出来ているのであろうが、旧来の顧客もこれからの顧客も、将来を見据えれば新しいコミュニケーションが必要になることは自明であり、多分、一般的に開放する意味ではなく利用が図られるのであろう。
・所謂「高級品」とは一線を画す「トップエンド」が存在することを実感させられたのが、最大の収穫であった。(にもかかわらず、その一端を無縁である筈の私が享受していることの不連続性も面白かった。)

 

■ Luxury Marketについてのトレンドは、数値データを含めわかりやすく説明いただいた。
日本マーケットの特徴と傾向についても説明いただき、これからの商品開発に参考になったと感じる。
あえて言えば、先駆者である、ルイ ヴィトンを日本で成長させるのに苦労した点や、工夫された点、等をもっと聞けたらよかった。

 

■ グローバルブランドの主戦場は確実に、中国にスイッチしていますね。でも申し訳ないけどあの方々、多くがブランドのストーリーを気にしていないと聞いたことがあるんです。要は値段さえ高ければそれでいい、と。
かつて極東のある島国が通ってきた道ではあるけれど、それでいいのかなぁと、少し気になってしまいます。

 

■ 今回の講演 参加の狙い
* 欧州発 日本展開中のブランド企業の説明から
=日本の強み、弱みの検討材料の把握
=日本の「もの創り企業」ブランドの考え方への反映 の一助としたい。

結果
* フランスの管理されたブランドには戦後の歴史とグローバル展開ビジョンがある
* 我々の住む日本は繊細な感性と厳しい目を持つ顧客がおり、その素晴らしい環境を活用出来れば、グローバルに通用するブランドへの素養を磨く心強い場であるという認識を新たにした
* 少し遊びも必要、ラテンの乗りの要素あるかもしれないが、「理攻め」だけでは驚き・喜びが広がりづらい
* 投資による良き場作りに対する強い意志と実行力が現在の位置を維持している
* マルチブランドの運営は個々のDNAの認識と個々に合わせた進化という、手間の掛かる大きな事業である

考察
*日本の「もの創りに携わる」ひとり として
1 品質と職人技の活用と有効的なコミュニケーションの実践が必要
2 国レベルでの長期的ブランド展開を期待するのではなく、
個々の企業が「こつこつ」と、
場合によっては「日本伝統・文化を取り入れたコラボ」なども含めグローバルに
展開が必要
3 その企業「らしさ」と「驚き」を組み合わせ、常にお客様へ
「新鮮で浸透力のある」コミュニケーションが必要
4 日本は成熟社会、以前のブランド買い漁りの時代は過ぎ、戻ることも無い、
今の顧客へのコンタクト法が必要
5 LUXURYブランドは顧客が顧客に「贈る」要素があることを認識
~クルマで言えば助手席・後部座席は友人・恋人・家族への「心を込めて贈る空間」かも知れない

■ ルイ・ヴィトンとモエ・ヘネシーは昔から有名な高級ブランドであり、LVMHはそれらが合体しただけの事だろう、ぐらいの認識しかなかったので、実態は傘下に60以上の超有名高級ブランドを抱える世界最大の巨大ブランド帝国である事を知って、衝撃を受けました。 しかも高級ブランドには縁の遠い私でも良く知っているブランド(ex. クリスチャン・ディオール、ジバンシー、セリーヌ、フェンディからタグ・ホイヤー、ブルガリ、ウブロ、さらに世界中の空港にあるDFSまでも)のほぼ全てが同じグループだなんて!
さらに世界中のラグジュアリーブランドはLVMHを筆頭に、リシュモン、ケリングなどのグループに属しているというのも驚きです。
考えてみれば、希少価値が売りである高級ブランドがグローバルマーケットで輝き続けるには、寄り集まった上で、強力なマーケティングやプロモーションが必要となるわけですね。 それにしても同じジャンルで異なるブランドを多数抱えていると、お互いコンフリクトしたりしないのか、とお尋ねしたら、中央からきちんとマネージメントしているので、問題ないとのお答え。 とは言え一部プランドの入れ替えはあるようです。
一方、日本のブランドはケンゾーぐらいしか入ってないのが寂しい限りですが、フランスと日本は似たところがあって、どちらもクラフトマンシップ(職人)へのリスペクトと消費者の品質へのこだわり、ブランドに対する憧れが強い、との見立てなので、「お・も・て・な・し」の心も含めて今後は類似ヴィトンくらいのブランドは確立できるかも。(コピーはNGですが・・・)

 

■ ラグジュアリーブランドとは何か、ラグジュアリーなものとは何か
そのlectureをTOP of Luxury brandのTOPから聞けるとは、これほど確かな教えはないであろう。
ラグジュアリーなものの要件とは「ハイクオリティ」「相応しい環境」「合わない価格」「エクスクルーシブ」である。
品質が良いのは基本中の基本、当たり前。店舗の佇まいやスタッフの資質が良いのも頷ける。基本機能や用途に比して何倍も高い価格であることや、限定的で排他的で独占的であるとなると、マスでコモディティな立場からはなかなか正確には理解できないのではないだろうか。この“exclusive”こそが、主として欧州の“class”と結びついたluxuryの本質ではないかと思えるのである。限られた階級に仕えることによって技を磨き、品質を高め地位を築いてきた欧州ラグジュアリーブランドと、大衆から生まれ大衆の暮らしを良いものにすることで成長したマスブランドとではアイデンティティの違いゆえ目指すものも違ってくる。端的な例がプライシングである。マスブランドの使命はより多くの人の幸せのためにより良いものをより安く提供することであり、たとえ最高のものが出来たとしても「合わない価格」で売ることには抵抗を感じてしまうのである。「こんなに高い価格設定をしたら買ってくれないのではないか」「安く提供できるのならより多くのお客様に喜んで頂ける」。適正な価格で販売することを社是とする会社には“適性”の閾値を上げることが観念的に難しい。一方で、真のラグジュアリーブランドは、プラット氏もLVMHの成長戦略の一つとして挙げられていたように、よりトップエンド目指し、お客様をよりハイエンドへと導いていく。「相応しい環境」「合わない価格」で顧客を結果的に特選し、「エクスクルーシブ」なブランドとして確たるポジションを築き上げて行くのだ。LVMH畏るべし、である。「良い品さえ作ればお客様は来てくれる」、は幻想であると気付かねばならない。

 

■ 今回のご講演では、ラグジャリーブランド市場の全体像とLVMHについて考えるよいきっかけになりました。
特に印象に残っているのは村上隆さんとのコラボレーションに関する話とインターネットに関する話です。
村上隆さんとのコラボレーションの話では、
「新鮮さや楽しさを通して驚きを与えることが大切。常にアクティブでいなくてはならない。(Not completely cleanという表現だったと思いますが)整然としているだけではだめだ」
というメッセージが印象に残っています。
インターネットに関する話では、そこに顧客がいるならば、
インターネットをうまくとりいれていくべきだ、という話が印象に残っています。
ラグジャリーブランドに対してアクティブな印象は持っていなかったのですが、
成功しているラグジャリーブランドは、伝統を大切にしつつも、
驚きを提供すること・時代に対応することに努力しているという点に感銘を受けたご講演でした。

 

■ LVMHグループは、次々とブランドの買収をしているが、具体的にはどういった視点でブランドの拡大、シナジーがあるのか、などいまひとつ見えていなかったので、全貌とまではいかずとも、理解が深まり、興味深くお話しを伺いました。
日本に「LUXURY BRAND」と呼べるものはあるのか?という自問自答をしつつ、
また、日本のファッションでは、コムデギャルソンやイッセイミヤケに続く若手の名前を聞かないというお言葉に、日本人として残念な気持ちになりました。
貴重なお話、ありがとうございました。