参加者の声 片平秀貴

第1回 「組織体臭と革新」

■ ブランドには『体臭』が欠かせない、という論点は非常に分かりやすかった。ダイソーやカルビーの取組など、顧客のイメージ向上への、一見無駄と思われることを真剣に取り組むことが大事だというイメージをつかむことが出来た。あとは、ブランドを生みやすくする経営的なメッセージと社内の文化の醸成が大事なのではないかなとも感じている。(いわば社風というもの)
■ 昨年出版された米国マーケティング関連本ベスト3やジムステンゲルのGLOWの書評などを読んでいて、extra ordinaryでなければブランドを確立しにくくなっているということを感じます。組織体臭がないとextraordinaryは生まれにくい、一方で自社の組織体臭にあったふさわしい戦略でないとこれまた成功しにくい、昨日のお話を聞いて再認識できました。あとは実行力=パッション これがもっとも重要だと思っています。
■ 待望の「ヨコ議論(参加者同士の意見交換)」が活性化して、すごく良かったです。このノリで進んでくと嬉しいな。体臭ってネガティブな響きのあるワードだけど、逆にインパクトもあるですね。うまくいけばBuzz Wordにできるかも、と。
■ 今回は「組織体臭と革新」という大変刺激的なタイトルで面白く、紹介された事例も含めて、大いに納得させられました。 また小田垣さんは新たな切り口を提供してくれ、いつもながら感心しました。 一方神山さんの問題提起も逆説的で刺激を受けました。しかし、講演終了後に反芻していくと、やはり「革新」を起こすためのアイデアバンクのような仕組みだけでは「強烈な組織体臭」を作る事は出来ないのではないか、と思うようになりました。それぞれ個性的な体臭を持った個人が集まった組織で、全員が自由闊達に臭いを放つようになると、組織全体ではゴミ箱のような悪臭を放つことになりませんか。
そこで組織としての独特の臭いを出すためには、特定の臭いだけを選別し、その他は無臭化する(個性を殺す)か、全員の体臭を同じにすべく、入社時に選別するか、入社後の食べ物を一緒にするかしかないのではないか、と思われます。しかし、全員が同質になると、革新は生まれないだろうし、結局「取捨選択」と「絞り込み&実行」の段階で強烈なカリスマ的人間に頼るしかないのかも知れません。(これってハシズム礼賛?)

■ 今回は講演後の議論が結構盛り上がってよかったと思う。いい意味で片平さんの講演にツッコミどころを用意したのがよかったのではないだろうか。外部の講演者にそれを求めるのは酷ではあるが、やはりカンペキなプレゼンをされてしまうと「うん、うん、そうだよな…おっしゃるとおりだ…」と思ってしまい、質問のしようがない時がある。
また、最後の「ゼニに対する感覚」というテーマがあったが、これは両方が重要なのでは?と思う。レストラン経営を展開する「株式会社ひらまつ」の平松社長は、こんな話をしていた。
シェフの立場としては「お客様にどう喜んでもらうか?」ということしか考えていないので、高くてもよい食材を買おうとする。一方で経営者の立場としては「コストをどれだけ抑えて利益を出すか?」と考える。かつて、社長として「誰だよ、こんな高い食材買ったのは!」と怒ったところ、「それ、社長が発注したんですよ」と言われたことがある。わたしは精神分裂症だから一人で2役できるが、会社の中では、その2役の両輪がバランスよくせめぎあいをすることが大切。
つまり、最初からコストを意識してしまうと、発想が小さくまとまってしまい「驚き」を与える商品・サービスは生まれない。
「驚き」だけを考えるチームと「稼ぐ」だけを考えるチームのバランスをとって進んでいくことが大切だと思うし、片平さんが「最近はコストや利益のことばかり重視されがちだ」とおっしゃっていたことは共感できるので、せめて我々の仲間は「驚き」マインドで物事を考えていくチームでありたい…と思った。

■ 毎期のはじめのセッションは普遍的な内容なので、半年毎に会社やブランドを見つめ直すいい機会になっています。「口座」や「入金」「しなくてもいいこと」等、ワードが手触り感があってすっと入ってきました。引き続き、よろしくお願いします。

■ せっかくの第一回のセッション、業務都合で参加できず大変残念でした。片平先生からのメールでも大変熱い展開が行われたようで、もしも出席できていたら大変勉強になったと思われますので、欠席にも関わらず「非常に勉強になった」を選びました。弊社もブランディング活動を継続しております。今年は「モチベーション総選挙」という社員全員で取り組むモチベーションアップ策なども導入するなど新しい趣向をどんどん取り入れ、組織を活性化するべく努力して参ります。今後とも宜しくお願い致します。

■・「自社らしいか?を議論する」が印象に残った。自社らしさ=「臭い」ですが、内部の人は気づかなかったり、好きではなかったりすることも多々ある。社員が共通の「臭い」マインドを持つことが、自社らしいイノベーションをする第一歩だと思うので、社員が「好きな臭い」と思えるよう、日々のコミュニケーションが必要。
・アイディアが出る環境は、周囲の評価があることが前提だと思う。トップダウンの企業では、社員は自由に脳を使うことをせず、上司の指示通りに動き、徐々に死んだ目で働くようになる…という悪循環。担当レベルでこれを打破するのは、至難の業だと日々痛感しますが、自分自身の課題としてやっていきたいと思う。
・「しなくていいことまでする」は響きました。
■ 昨日も、充実した時間を過ごさせていただきました。ありがとうございます。
アイディアバンクという考え方はとても興味深かったです。
個人の経験で言えば、何かの折にふと浮かんだり、人の話がヒントになってぼんやりと頭に沸いたイメージなどが、綿ぼこりのようにうっすらと蓄積されて、ある日突然、思いもよらない方向から形にまとまることがよくあります。
これがおそらくは個人レベルのアイディアバンクで、私の場合は、私の脳みそにバンクが存在するということになるのですが(笑)、組織レベルでこれをやろうとするとなると確かに難しい。
はたして何が難しいのか。
個人であれば、多少の迷いはあったとしても思考の流れはひとつですが、これが複数の人員によって構成された組織の場合、必ずしも一つではありません。価値観もおそらくばらばらであることが多いでしょう。ここに難しさの源があるような気がします。
一方、ブランド力で高い評価を受けている企業を見ると、カリスマ的経営者が存在するという指摘がありました。また、必ずしもカリスマでなくても、きちんと経営者の目指す方向に機能している企業もある、という指摘も。
両者の共通点は、組織の構成員(経営者ならびに従業員)が、そろって同じ方向を向いている、ということではないかと思います。
カリスマ的経営者がいる場合は、おのずと従業員がカリスマを仰ぐ形での求心力が生まれます。それが結果、組織一丸となって同じ方向を目指すことにつながっている。
一方、カリスマではなくても優れた経営者というのは、おそらくカリスマ性とは異なる魅力でもって従業員を引き付けている、あるいは従業員が同じ努力目標に向かっていける環境を作ることにたけている。そのことが、カリスマ経営者と同様、組織のまとまり=機能性の高い団体を作り上げることにつながっているのではないかと思います。
こういった優れた経営者(陣)に恵まれない場合は、組織の中で従業員それぞれが目指す方向は微妙にずれが生じ、個人の間に競争が生じる。それが結果として“誰の手柄か”などという、組織の成長にとっては取るに足らない価値観を生むことにつながっているような気がいたします。
個人の利益は必ずしも企業の利益ではない。が、企業の利益は個人の利益につながるのだ、という意識が企業の中に組織レベルで根付く環境になれば、せっかく生まれたアイディアが忘れ去られることなく活用できる機能を構築できるのかもしれません。
…と、自分の考えを整理してみると改めて、優れた経営者による恵まれた環境が確立されている企業は、おのずと機動力のある組織となり、生まれたアイディアを個人の所有物にとどめることなく組織のために生かす懐の深さを持つ。その成功体験を従業員が共有することにより、さらなる結束が生まれ機動力が増す、という効果が相乗的に生成されているのかもしれないですね。
2時間のセッションをきっかけに、実にいろんなことを考えさせられました。ありがとうございます。

■ 今回の講演の中で気になっているのは、アイデアバンクです。そして、興味深く感じたのは、アイデアバンクにアイデアを提供する側のメリット・モチベーションの意見交換です。
4~5年前に商品企画の担当であったとき、商品企画にかかわる人からほぼ無理やりに集めたアイデアのファイルは、きっかけ作りにとても役に立った記憶があります。その経験から、アイデアを集められれば、とても有効であるということには共感できました。(数年前なのでアナログにアイデアシートをファイリングしたものですが・・・)
イノベーティブな企業は、カリスマ経営者がいるという話もありました。しかし、私は新しいものを生み出す考え方の指針となるものがカリスマ経営者なのか、理念なのかの差だと捉えています。新しいものを生み出し成功させるためにわかりやすいのは、スター社員(カリスマ経営者)を作ることだと思います。しかし、日本の企業としては、理念を浸透し社内の仕組みとして新しいものが生み出されるようにするのが、理想だと考えています。故に現在の仕組みもそれを目指すように整備されている会社が多いと思います。
その意味からは、アイデア一つでスターを作る仕組みになっていないので、アイデアバンクをスタートすれば心配よりはうまくいくと楽観視しています。

■ アイデアの議論について。
アイデアというものが「無償」をベースに議論されていること、
社内およびお客様の「身内」をベースに議論されていること、
について違和感を感じました。
ぼくはアイデアを売っている人間だと自覚しています。
そのアイデア単体では、なかなかお金を払ってもらえないので
それが制作費や媒体費という中に混ぜ込むしかないというのが
一般的な広告クリエーティブの実態です。
一方、海外はじめでは、IDEOはじめ商品開発アイデアのような
メーカーの中核部分を外注する動きもあろうかと思います
(詳しくありませんが)。
このようにアイデアを「有償」で「外注も可」なものとして
もっと上手に生み出していける社会に日本が転換してほしいなぁ、
と自称アイデアマンは思うのであります。

■ 「知エコシステム」非常に参考になりました。当社でも開発力強化に取り組む中、アイデアストックをどう作り出してゆくかは大きな課題になっています。大変参考になりました。インセンティブの話ですが、社内でもどこまで規模を広げるかによりますが、当社では、アイデアを出した人のモチベーションあげる事を第1と考え、担当外分野でも当人を開発責任者にして、製品化まで携われる仕組みを導入しようとしています。それが何よりのインセンティブだと思います。又、アイデアもコンセプト化して受容性を確認した上でストックするのか、切り口程度のアイデアでストックするのかにより、その扱いは大きく変わります。あくまで受容性を確認した上でのアイデアストックに拘るべきだと思います。(他をストックしないという意味ではありません。)

■ 組織が醸し出す臭いとは、その組織が何を価値と位置付けているか社員一人一人がその事を常に自分に言い聞かせているかで初めて臭いとして感じるものが周りに伝わると思います。当社ではご指導をいただいてから今日まで愚直なまでに毎朝、15分間全社員でブランドミーティングとしてブランドタグライン、ブランド宣言、行動規範17カ条について2週間単位で項目を変えて今思うことを組織の階層なく公平な立場で話し合っています。ESの調査においてもこの事への賛同は圧倒的に高く継続して行く中で知恵と工夫が出てきてやっと前に進むことが出来るようになったと感じています。

■ 今回の中で一番心に残った言葉は、「しなくてもいいこと」←これが実は決定的に重要という言葉です。
ちょうど「そんな事しなくて良いんじゃないの?」と前日に企画をプレゼンした時に言われたところでしたので、背中を押していただいたような気持ちになりました。「しなくてもいいこと」で差別化をはかり、お客さまに驚きを提供し続けること。それが大切なんだと肝に銘じて企画を練り直そうと思いました。

■ やはりこの会は、多くの業種の「少し変な人=アンチ会社人間」が結集しているんだなと実感しました。アイデアのモデルは、たぶん朝まで議論しても、玉成は「不可能」(失礼)だと思います。
私の職業「広告代理店」的に考えると、ストックしたり収集した、ネタとネタが化学反応して新しいアイデアになると言った、ストックされた情報は「ネタ」(マグロのさく)で、料理に応じてネタを使いこなして、見事な一品に仕上げる。それも非常に短期間で、かつ、イメージなど、情緒的な世界で。開発の方々と、アイデア会議をすることもありますが、アイデアの素性が違い過ぎて、この調整が難儀だったように記憶しています。
アイデア(=ネタ)を、その仕事に関わるチームの中に、「共通言語として仕立てる人」が必要だと思います。
(クリエーターのアイデアを開発に翻訳したり、またその逆だったり)成功していう、アップルやユニクロには、トップダウンだけでなく、共通言語化する術が隠れているように感じます。
雑感で失礼します。
今ラウンドも楽しみです。
■ ご質問に出ていました、(視点や企業風土として)製品をマネタイズする観点が現在の日本の製造業に不足している点ではないかとの見方について、とても同感を覚えました。毎日さまざまな日本企業の事業戦略を見ておりますが、日本経済全体が成熟化してきたこともあり、特に「モノづくり」のマインドを大事にする製造業ほど、これまで新しいことに積極的にチャレンジしてこなかった(そして実績を残せなかった)ことが、現在日本の多くの製造業が苦境に面している理由の1つでもあると考えられるためです。例えば、パナソニックやシャープ、ソニーといった典型的な家電メーカーの大幅な赤字転落や業績低迷がその事例ですが、これらの企業は、いくら良い製品を開発しても、現状のままでは生活者に広く認知されているブランドの(表面的な)価値も毀損していくと思いますし、ゴーイングコンサーンを前提とする成長企業としての価値も低下していくと思います。一方で、任天堂にイノベーションが(不幸にも)ここ数年起きなかったことで、任天堂のブランド価値が低下したというお話がありましたが、結果として現在は任天堂の成長企業としての実力値(業績)も当然低下しており、逆にここからはなにが任天堂にとってのイノベーション要素になり得るのかを考えて着実に実行していけば、まもなく解決の道筋は見えてくると考えます。そもそも日本の多くの製造業(の経営トップ)が、素晴らしい製品を作り出して世の中に送り出していけば、本来は生活者に喜ばれて受け入れられるはずだ、という発想が従前から根強くあったと思いますが、その前提が正しければ、営利を追求する位置付けにある企業自体も、本来はその恩恵で成長していけるはずです。しかし、複数の大手家電メーカーが大幅な赤字に陥ってしまうような現状を見ますと、製品価値やブランドだけでなく企業ブランド自体の毀損を避ける上でも、その製品自体を世の中に送り出す過程を見直し、何よりもトップの経営者から考え方をまず新しくあらためて行くしかないと思います。(私は金融の人間ですので)ミーティングではいつもこのあたりの視点と議論が少ないように感じてしまうのですが、モノづくりの(メーカーの)現場の方々だけでなく、メディアやサービスを提供する企業の方も、やはりお金の匂いがあまり好きではないのかもしれません。ただ、たとえブランド認知度の高い、生活者に優しい企業であっても、創り出す価値ある製品をお金に変えるしくみやその可能性を考慮した戦略が希薄な状況下では(あるいはマネタイズ感の見えやすい製品やサービスは作りたくないという状況下では)、企業としての持続的な成長につながる将来への期待は持てないと思いますし、結果的に社員に対する報酬にも反映できないことになってしまいます。現在、大企業でトラディショナルな製造業の現場にいる方々のご苦労は大変なものがあると思いますが、これらの要素が企業経営の主軸になくては、その企業の組織自体も、社員も、日本の経済自体もやはり成長できないのではないかと思うところです。

■ 個人のアイデアをいかにして組織知にし、更に組織体臭として根付かしていくのかは、どの企業もいわば永遠の課題であり、だからこそ色々な角度からの議論になったのだと感じました。
アイデアと課題はいたちごっこのようなもので、アイデアは色々と意見を集めながら課題解決に向けブラッシュアップできますが、課題も負けじと進化?するので、解決策のしっぽをつかまえたと思った瞬間、するっと逃げていってしまうことが多々あり、またそれに立ち向かっていくのが開発の醍醐味だったりすると最近つくづく感じています。
課題を解決する上で、色々な角度からでてくるアイデアは参考になると思いますが、アイデアバンクは、やみくもに貯めてしまうと、いいアイデアも数の中に埋もれてしまい、逆に人の目にふれにくくなるので、やはり使えそうなアイデアとそうでないものの整理がひとつのポイントになるのではないかと感じました。
またカテゴリーによっても向き、不向きがありそうだと思います。例えば食に関することの場合、人の嗜好は短期間で劇的に変わるわけではなく、また循環することが多々あるので、技術的革新を伴わなくてもアイデアのリニューアルが効果的に働くことが結構多くありますが(実際、今ヒットしている商品企画が10年、20年前の資料に、類似アイデアで記載されている例があったりします。)、自動車や家電は絶対的な性能という指標があるので、むしろ技術革新を効果的にお客様に伝えることがアイデアの磨き上げという点では必要な印象を個人的には感じています。(磨くには案外時間がかかるので、少し前の技術の方がこなれてアイデアとのかけ算で素晴らしいものになるケースもありますが。)
そういった観点から考えると、組織体臭を感じるイノベーションを生み出すには、一元的なフレームではなく全員で出し合ったフラッシュアイデアをそれぞれのカテゴリー特性に応じたステージまでブラッシュアップし整理した上で、アイデアバンクに貯金していくのが良さそうと感じました。但しアイデアバンクに貯金していく役割は相当大変で能力と労力を要しますが…。
とはいえ今はまだ弊社では個人知が主流を占めていますので、トライ&エラーでまずは個人のアイデアを組織体臭につなげるべく、お互いで出し合うことから始めたいと思います。
色々と考えさせられるテーマで時間があっという間に過ぎました。ありがとうございました。

■ 弊社、開発者は大勢居るが、顧客視点が全く足らず、その解決の一つのツールとして社内SNSの検討・トライアルを開始しており、いくつか参考となる情報を伺う事が出来た。

■ 当社では、“会社のためなら労をおしてでもアイデアを出し貢献したい”という意思を持った社員を最大限活用、また評価する(提案内容によっては具現化メンバーになりえる)ようなしくみをスタートさせています。実際にはたくさんのアイデアが出てくるようにはなっていませんが、きっかけしだいだと考えています。
また担当としても、営業活性目的でありながらも、人事活性目的が主であるという認識で考えています。
そもそも今回の講演で行われていた議論は、企業レベル差(業態特性、企業風土など)により大きく異なっていることからのものであったかと考えます。
すなわち、当社のような“死臭病”患者のと、ブランドランキング上位のAPPLE他の“有臭体”者とではあまりにも差がありすぎます。しくみを作ればつくるだけ死臭が増すような場合も当社含めて結構多いのではないでしょうか。
ちなみに当社で考えると、
①アイデアを出しても仕方がない・・・(個人からの死臭)
②アイデアを出す時間があったら自部門のことやりなさい!(組織からの死臭)
を前提に、簡単にアイデアだけを募るのではないしくみを作って(冒頭に書きました制度)燃える人材を発掘し、最低でも種火→中火まで煮込むことで、燃焼連鎖を起こす。
での対応からかと考えます。
すなわち、重要なのは“料理人の腕”です。
通常は経営者でしょうが・・・
ただし、アイデアバンク発想もありですが、以下のような手法ではないかと考えます。
攻めるアイデアバンク=会社の中に“アイデアレディ(もちろんボーイでも構わない)”をアイコンとして配置して、その者に営業活動(若干の経費を投入してのたくさんのアイデアを出してもらうために自由発想での活動)してもらい、どんどんアイデアを放り込んでもらう。
この場合も重要なのは“有臭営業者”になります。
いずれにせよ、結論(きっかけ)は“ヒト(有臭=燃焼体質)”になります。
3/28の結論のひとつになるかもしれませんが、経営がガンガン提案、具現化していくパワーをもっていないこと、また“ヒト”を簡単にチェンジできるような体質でないことを前提にすると、“ヒト”の最適再配置ができるしくみをつくること、がまず“死臭病”患者をひとりでも治療することに繋がると“ほぼ”確信しています。

■ 「ブランド」はどこから出現するのか、を考えたとき、他との明らかな差異、つまり高い利便性、高いクオリティ、高い快適性、優越感、全く新しい生活提案や新しい文化、社会的に意義のある、など提供をしてくれるモノやサービスをたゆまなく提供し続ける事ではじめて「ブランド」になれることは周知のことである。
昔から「必要は発明に母」と言われ「必要」という生活者の既存的ニーズ、さらに潜在的ニーズの発見からその課題解決を如何にするかいうところに「アイデア」というモノが介在する。
しかし、具現化の段階であらゆる英知と優れた技術を結集しても出来上がったものが必ずしも「ブランド」になれるわけではないし、例え一時期その地位を獲得できたとしても未来永劫に保持できるわけではない。
折角勝ちとったブランドもその会社の不祥事や、価値を維持するためのイノベーションやマーケティング活動を怠ったために、そのブランド力を失ったり、コモディティ化してしまった例もあとを絶たない。
例えば、歩きながら音楽を聴くことができる画期的な音楽プレイヤーを創出し、圧倒的なブランド力を誇ったソニーの「ウオークマン」も、今やアップルの「i-Pod」や「i-Phone」にお株を奪われてしまった。
さて、先日の議論の的になったブランド形成の出発点となる「アイデア」創出であるが、インセンティブ論はさておいて、組織の中でそのアイデアをどう生かしきり実現させるかという事を考えてみたい。
自分自身、コミュニケーション分野に長く関わってきた経験から「アイデア」を活かすということについて、非常にシンプルに考えてきたし、実行してきた。プロダクトのように特許、実用新案、意匠権、人格権、などインセンティブに関する様々なお金にまつわる雑事?に惑わされることがなかったからである。
そうとはいえ著作権というモノがあるが、これは、クライアント、エージェンシー、プロダクションの共同作業というモノが前提になっているせいか出来上がった作品が、どこに権利があるのかいまだ決着していない。但し、音楽、映像の部分についてはその作成者の著作権が認められおり、素材利用終了時に対価を払って終わりである。
さて、自分自身の経験からであるが、表現コンセプトにそって、考え、考え抜いた「アイデア」は、大抵の反論にもキッチリ対峙しほとんど納得させることができた。
それは「アイデア」を練り上げる段階で様々の問題が出てくるであろう事柄を前提としたシュミレーションを重ねているからだ。一人で考えるケースもあるし、少人数のグループで考える場合もある。そして出来上がった企画案に対して、最適な人選、そして彼らを使うための契約、制約という壁、アイデアを具現化させるための技術という壁などを乗り越える必要がある。しかしこれはプロ同士の話だから何とかなる。問題はこれからである。如何に社内を納得させるかである。新しいコンセプトの商品を発売する場合、おのずと社内の暗黙のルールを超えなければならない事がある。その案があまりにも販促関係者たちの考える社内常識から外れているモノほどこのハードルは高くなる。一般的に生活者を驚かせることについては寛容であるが、当事者である自分が驚いた事には不安がよぎるらしい。
よって、こういう場合、いきなり関連部署の全体会議で説得するのは非常に難しくなる。やるとしたら、こんなことをやっていいのかという空気を読みつつ、事前調査をかけて得た数字的正当性を立証しつつ、根気よく説得するかという事になる。しかし、一度拒否反応が出た場合、これを修復するのは中々困難である。
よって自分の場合は、関連部署の中で影響力があり、日頃から夢を語り合ったり、気心の知れた人間つくっておく事を重要視し、価値を共有できる仲間を増やしておいた。昔で言う根回し関係、今でいう絆関係である。そして事前に企画の話をし、理解してもらえば後はそのグループ内での説得は容易になる。
そしで、最高責任者の説得であるが、これは好き嫌いが極端にある人でない限り、今までの経緯の説明をすれば問題なく、承認を得る事が出来る。そして順序は逆になるが役員会での承認を得て実行するわけである。
手順が長くなってしまったが、アイデアを積み重ね練り上げた企画案を通すことに一番必要な事は、「リーダーシップ」である。スタッフ間で共有化も大事だが、特に上位の方々に対するリーダーシップ=説得が大事である。あいつが言う事だから……と言わしめたら、こっちのものである。
そして、驚き、共感を生んだ商品、サービスは必ず大ヒットする。

■ アイデアは、クリエイターにとって生命線です。そのことについて以下思ったことです。
クリエイティブなものに対する価値をどう捉えるか、は非常に難しい問題です。ずれる内容になるかもしれませんが、フリーでやっている立場として書きます。
たまにあるのが、「ちょちょっとやってくれたらいいから」というような依頼です。ちょちょっとやる、というのは、その道で生きている人間には、ちょちょっと、ではないです。やるからにはちゃんとやります。
また、大企業や組織に属していらしたら、お給料があるので、「持ち出し」でもお金は毎月社員の口座に入りますが、フリー(含:個人事務所)でそれをしたら、本当に「持ち出し」、つまり、手金が減っていくわけです。
フリーでやっていると、そこで引き受けるか、引き受けないか、非常に厳しい選択を迫られます。ちょちょっとではないが「ちょちょっとやって」という依頼を、どう理解していただくか?対価は?必ず頭をよぎります。
よく、デザイナーの師匠と話をしますし、相談もしますが、ただひとついえることは、「どんな仕事もよほどの事情でないかぎり、引き受けなさい。それがどうつながるかわからないよ」と言われる、ということです。
デザインにしても、ネーミングにしても、その他たくさんあるジャンルのクリエイターにとって、目の前にやれることがある、というのはこの上ないうれしいことです。それを逃さない手はありません。
ただ、それを業としてやっていくのに対して、頭からお金がないけど、や、ちょっとやってくれそうだから、というのはまだまだ理解がされていないのかな、と悲しくなるのが現実です。(一方で、お声がかかるうちが花、というのもありますが)
でも、そこをクリアしていかないと、先には進めません。なので、極力、クライアントの予算に沿うやり方を模索します。それでクライアントに満足していただき、世の中に出て行くものがよりよくなるのであれば、こちらもhappyです。
言いたいことはたくさんありますが、書くには限界があるのでこのくらいにしておきます。長々と失礼しました。

■ ブランド論のアプローチを毎回工夫され、今回は人体をモチーフに「器官」、「体臭」を使って「笑い」ありの展開は、斬新で様々な気づきをもたらしてくれました。
なかでも「しなくてはいけないこと」と「しなくてもいいこと」について、ひとつモヤモヤしていた霧が晴れたのです。
実は、徳力さんのセミナーでライオンの「ストッパ」(http://stoppa.lion.co.jp/stoppatou/at_toilet/)のアプリが紹介され、「これがビジネスに繋がるかは分かりません」とおっしゃったことがとても気になっていたのです。その他にも、いくつか売り上げに繋がるかが分からないような商品のコメントがありました。
「@トイレ」はまさに「しなくてもいいこと」の類だと思います。トイレの場所のアプリを開発するのは、例えば、自社の製品を設置するマップをトイレタリーメーカーが作るのならまだ理解できます。それを、下痢止めのメーカーが作るのは普通はやり過ぎと考えられますが、切羽詰まった受験生のための役に立ちたい思った開発陣たちの想いがアプリの提供に至ったのだと想像します。
「圧倒的な差」、「普通の仕事を超えた仕事」が可能になるのは、
【顧客の役に立つ】X【社員のワクワク感】 > 【費用対効果】
上記の左辺は数値化できません。しかし、商品サービスの開発の際に大切なことは、お客様が喜ぶか、社員はその仕事が楽しいか?だと思います。そして、コストの考えを超えた中に”決定的に重要”な要素が潜んでいると思います。
儲かるかどうかでビジネス判断するのか、顧客が喜んだ結果で利益が出るのか、どちらのスタンスで物事を進めるかが重要で、私はあくまで顧客を「驚かせ」、「感動」させることにこだわっていきたいといきたいと思います。

■ 片平さんのメールのある「全員が開発者」この体臭が最も重要。あと、澤泉さんが言われ「ボツにしないこと」さすが、セレンディピティの研究者と感じました。これが一番難しい課題かも、ここに思い入れ、執念、ここにも優れた組織の体臭があるように思います。

■ 片平先生のお話、楽しかったです。
体臭・・・理念や信条が、醤油のように毎日、毎日、摂取され、蓄積されて体臭とならなければ、”らしさ”の発露は難しいのだと改めて思いました。
一方で、五感診断の結果をみていると、経営陣と社員が一同に介したり、ブランドの全社的な運動、“らしいかどうか”の議論ができているとする企業は少なく、「わざわざブランドを作ろうとする」取組は無理がでるのかとも思いました。
「健康に良いから毎日キムチを食べなければならない」ではなくて、気づけば毎日、どの食事にも全て醤油が入っていて、気づいたら海外の方からは「醤油臭いといわれる」ということなのかとも思いました。
アイデアについて、片平先生のおっしゃるアイデアとは少しずれるのですが、クライアント企業で2つ試みたことがあります。
一つは、営業レベルのノウハウ集(名セリフ集的なもの)作成。これは、アイデアを出した個人名を明記し、インセンティブは、その栄誉だけ。結局、かつてトップセールスだった役員が多くのネタをだし、本部から優秀とのウワサのある営業担当者に個別、提案してくれるよう依頼する事態となりました。
この成果集は、営業の方の評価を直接聞くことはできなかったのですが、商品企画サイドにとって、非常に貴重な資料となりました。(「現場担当者は、この製品のこんなところを、こういう売り方しているんだ!」という新たな気づきが多かった)
もう一つは、新製品アイデアコンテスト。入賞者は、ビジネススキルの研修会への参加チャンスと、そのアイデアをより具体化したときに、該当部署の役員に直接プレゼンできる権利を得られるというもの。
MBFの会場でも議論にでたように、一般社員からのアイデアは一般人からのアイデアと同じで玉石混合というよりも、ほぼ石(もちろん原石はありえるのですが)。ブラッシュアップの機会をインセンティブにした形です。これについて、研修会への参加権利は行使されていますが、より商品を具体化しての再チャレンジは、まだ実績ゼロとなっています。
・・・やはり、アイデアを商品・サービスとして耐えうる形にするまでが大変だと感じています。
アイデア論について、本業との関係からいうと、アイデアではお金はもらえないことは多々あり、それどころか無料で流用されることも良くあります。アイデアでお金がもらえないことについては、とはいえ、仕事でしか仕事の成長はあり得ないので、とにかく仕事ができることが自分の糧と考えています。
アイデアの所有権的なものについて、良いモノ・コトができた時、自分一人だけの力だと思うことはなく、様々な人のアイデアが絡まり合ってそこにたどり着いた感覚でいることがほとんどなので、自分がそのアイデアを最初に出した、とか、決定的にそれを良くするためのアイデアを自分が出した、と主張する気持ちにはなっていないことが多いです。
いつものごとく、とりとめのない文章になってしまいました。
今年度は、大きな組織で、“いい仕事をしよう!”マインド醸成に取り組もうと思います。