■ コンシェルジュもあらゆるサービスも、精神の根っこの部分は同じであるという点が非常に印象的でした。一方で名人芸的な世界でもあり、ブランドとして特別なおもてなしを打ち出すことの難しさも感じました。 あと1時間あれば具体的なエピソードもいろいろ聞けたかと思います。でもご本人のキャラクターそのものが魅力的で面白かったです。
■ 日本では当たり前と見られる接客業で、プロ意識を持っている方は違うなと思いました。どんな職種であっても常にお客さんのために何が出来るかという考えを持ち行動する人は成功すると実感しました。ただ日本ではそれでも接客に対する対価を払う概念はないので、オリンピックに向けてどうコンシェルジュを育成するか、課題になりそうですね。
■ 『おもてなし・ホスピタリティ』は、相手が認識して初めて意味あるものとなる」との言葉が強く印象に残りました。一個人の成長の視点では頑張った分だけ認められると思いますが、ビジネスでは「こんなに頑張ったのに」は通用しない、ということはユニバーサルに通じる考え方だと感じます。
また人材育成の上で「プロ意識を持たせること」「自由に発想できる環境を作ってあげること」に大変興味を持ちました。今後社内で共有していきたいと思います。
ありがとうございました。
■ 阿部さんのプロフェッショナリズムが、話し方、内容、立ち方、目線からひしひしと感じました。本当のプロフェッショナルは自分に一番厳しいけれど、部下を信じ自由にさせた上で温かく見守っている様子が感じられました。最終的な責任は取るという言葉、なかなか最近の人が居いえないことば、かっこよかったです。
ただ質問に答えることは、正しい答えを言っていてもそのひとの「気持ち」に答えていないというのはとても深いですね。
確かに正しい道を教えてももし閉まっていたらそのひとの目的が達成されないかもしれないし、閉まっていても問題ないかもしれない。
その少しの「配慮」が大きくそのひとの印象を変え、サービス業ならば
そのお店やホテルのイメージさえも形作っていくのだと思います。
最近、某航空会社のチケット予約以降から荷物遅延・破損まで様々なトラブルがありました。一つ一つのサービスはそれぞれの担当者が行なっており、責任がないひともいます。しかし受け取る側は一連のサービスとして認識します。
今回の話とこの出来事で、プロフェッショナリズムのなんたるかを少しだけ理解できました。
言葉や振る舞い、目線、丁寧な仕事が積み重なってその企業のブランドが創られることを感じました。
■ ・コンシェルジュ、という言葉の意味を知っているかと聞かれ、1980年代から欧州へ頻度高く出かけていたこともあって、「イエス」と答えたが、実際は講演者から聞くべきであった、と今は思う。
・また、日本にはない制度、ということも幾分疑問に思う。確かにチップを生活の糧にする社会とは違うといえば違う。しかし、チップ社会は、コンシェルジュだけに語る内容ではなく、ウェイターやベルや、その他あらゆるところに浸透している習慣・制度である。
・日本でも、高級旅館(すべてではないが)と言われるところには、女将(おかみ)、仲居、番頭、下足番、などがいて、これには心付けを渡すのが常識だった。西洋のチップの真似をしたわけではなかろう。
・一般的な表現でいえば高級な、お金持ち相手のホテルと旅館は似ている、と思いつつ、コンシェルジュの本質は何か考える2時間であった。
・確かに、全くの不案内であるアフリカ行脚を一人でしていた頃は、ホテルのコンシェルジュに頼ることもしばしばだった。ただ、それがコンシェルジュに間違いない場合もあったが、レセプショニストであったこともある。
・というわけで、「おもてなし」の内外の異同については、違いもあるが本質はあんまり変わらないのではないか、と思う。
・東京はホテル不足なほどだということは知らなかった。一時、外国客の減少が著しかったことを思えば結構なことであり、オリンピック開催を良い材料に、観光立国日本の設備投資が図られればめでたいと思うばかりである。
■ かつてのRitz Carlton高野さんの「アンテナアップ、レーダーオン!」に通じるものを感じた。とにかく気付くことですね、確かに個人の資質による部分は多いが、ある程度は鍛えられるんじゃないかと思う。
プロたるもの、”Especially for you”を行うだけでなく、きっちり伝えなければならない。まさにそのとおり、激しく首肯。でも、だからこそ「陰徳あれば陽報あり」の日本に馴染みにくいのではないか。「私がしてあげました」とひけらかすのは、どうしても浅ましく感じてしまう。また、お客の側も奥床しさから、特別サービスを要求しない。こりゃもう文化の問題なんだから、無理に日本にコンシェルジュを定着させようというより、そういう文化の方が来られた時に対応できる人材を育成する、という視点でよいのではないか
■ 東京オリンピックに向けて、日本に「おもてなし」のインフラがまだ育っていないというご指摘を真摯に受け止めました。あと6年、観光産業のみならず、日本の再成長にもかかわる課題として、私たち自身も考え実行していかなければならないですね。
そして、コンシェルジュを育てるというところで、「自分の会社が大好きな人が働いているところによいサービスが生まれる」というお言葉にドキンとしました。「楽しむ力」をもって仕事をしていきたい、チームメンバーがいつもイキイキと仕事を楽しめるよう、心を配っていきたいと思いました。
■ 日本ならではのの部分に興味があり、参加していましたが、その部分での深みがあまりありませんでした。お話された内容は一般論が多く、阿部さんならではの深みのあるところが聞ければと思いました。
■ 「言葉だけでなく、気持ちに応えられているか」という点、そして「コンシェルジュは、『見る』仕事」という点、非常に感銘を受けるとともに、同じサービス業に従事する者として強く共感するところでした。
リーガルサービスを提供する私の仕事でも、プロである以上「正しいことを言う」ことは当然のこととして求められますが、
それ以上に
「終局的な解決に向けてベストの選択肢か」
「クライアントにとって短期/長期両面で利益を極大化するものか」
「組織としての意思決定に適した提示の仕方・内容になっているか」
は気を遣うところです。
そしてその最適解を得るためには、専門家としての知識量は当然のこととして、クライアントのニーズや組織構造やトップの気質、はたまた経営環境や技術動向を「見て」いることがきわめて重要である、と再認識しました。
■ 日本でも「ホスピタリティ」「コンシェルジュ」を耳にすることが増えてきましたが、本来の意味、本来のサービスとは、を考えるよい機会になりました。日本文化、日本人の気質から、ホスピタリティも独特であること、また日本とヨーロッパでのコンシェルジュ違いも大変興味深く聞くことが出来ました。
弊社のセンターでも「ホスピタリティ応対」を目指し「気づき」に取り組んでいます。ホテルの「ホスピタリティ応対」とは大きく違いますが、「すべてはお客さまのために」の根っこの考えは同じかと感じました。
■ コンシェルジュ”の事は30年前に住んでいたブリュッセルのアパートの管理人として、名前と存在ぐらいは知っていたのですが、阿部さんのお話を伺って、プロのホスピタリティの凄さを改めて思い知らされました。
また「お・も・て・な・し」は日本のお家芸で、旅館だけでなく日本のホテルにいるコンシェルジュのレベルも当然高いに違いないと思っておりましたが、“水とサービスはタダ”の国とチップ制のある欧米とでは、当然サービスの質とレベルが異なる、というのも新鮮な驚きでした。
とは言え、ホスピタリティの根っこにある“思いやりの心”や“気づき”では日本人の方が優れているので、あとはプロ意識をどこまで高めるか、が勝負なのでしょう。 逆に“無償の愛”こそ究極、とも言えますね。
またコンシェルジュの仕事はあるレベルまでは誰でも到達できるが、アベレージを超えたアベ佳レベルに達するには、「仕事柄NOと言えない」というのではなく、「もてなすのが好きだからNOと言いたくない」という生来の性格が必要なのだと、納得しました。
■ 「相手がして欲しいことをこちらから感じ取って、お願いされる前にしてあげる」というのは、期待を超える価値を提供するということろではブランド構築の基本的な構造と一致する。一方で、ホテルのような人的サービスの場合、担当するスタッフの個人差によって提供できるサービスのレベルも異なってくるし、ホテル全体としての境界線のコントロールは非常に難しいと感じた。企業が顧客にブランド価値を提供する場合、その多くは商品を通じて、顔が見えないところでの対応になるが、接客サービスの場合は、目と目を通じての意思疎通になるため、迅速な個々の意思決定が必要になるし、表情で気持ちが読まれてしまうという危険性もあり、より徹底した「おもてなしの気持ち」の共有が必要だと感じた。
■ 「人の気持ちを読み取り、期待以上の満足を提供する」阿部さんが著書に記されたコンシェルジュの存在価値は、そのままブランドの神髄に通じるものがありますね。
お客様も気付かない「あったらいいな」をかたちにするのがものづくりだとしたら、コンシェルジュの仕事は、お客様の「こうしたい」、時には「何がしたい?」を叶えて差し上げるコトづくりのしごとと言えるでしょう。しかも、どんな注文にもオンデマンドで応える「アクロバティックなサービス」(阿部さん)を確かなものとするには知識・経験・ネットワーク・資質があってこそプロたる所以。モノはつくらないけれどお客様のこころに素晴らしい思い出<体験>~ものがたりを作るという意味で大いに範となるお話でした。
日本にコンシェルジュの仕事が馴染みない理由のひとつに、自分のことは自分でする~人に感謝する国民性があると仰っていたのが私にとって気づきでした。
ようこそ、「いただきます」がある国へ
これって“お・も・て・な・し”より素敵な響きがあると思うのですが…
■ 「おもてなし」と最近気軽に使われるような感覚だったのが、あらためてその背景や想いにどういうものが含まれているのか再認識・再確認することができた。様々な国で、たくさんの実際の現場で経験されている方の言葉だからこそ実感が沸いた。
■ ホテルではない物件ですが、コンシェルジュとして働いていたことがあるので、事前に著書を拝見し、興味深く拝聴しました。接客のプロとして、話の間合いの取り方など絶妙な感じが伝わりました。お仕事柄、もう少しにこやかな話し方をされるのかな、と思ったのですが、講演という場のためか、著書やコンシェルジュという仕事の印象とはやや違う、堅めな印象を持ちました。
お話のなかにもありましたように、確かに外国人(欧米系)のお客様は、コンシェルジュとの関わり方が上手だと思います。ちょっとしたことでも話しかけて来たり、コミュニケーンの取り方を心得ている方が多いと思います。一方、アジア系や日本人のお客様は、慣れていらっしゃらないのか、距離を置いたり、クレームを付けるところと思っているような節も感じます。どの仕事も、人と人との関係から成り立つものであり、コンシェルジュに限らず、円滑なコミュニケーションで気持ちよく物事を進められることは大切だと改めて感じました。
また、都心に外資系高級ホテルが乱立する一方、人員は限られているなかで、コンシェルジュはじめ、フロントなど接客のレベル維持が難しくなるのでは?と感じています。国際的なコンシェルジュの協会での活動を通し、啓蒙活動もなさってらっしゃるとのこと、コンシェルジュというお仕事への熱意と、今後の各ホテルのクオリティーに期待したいと思います。