丸の内ブランドフォーラム ラウンド 16・1
第6回 7月 7日(木)
堀切功章
キッコーマンしょうゆを”世界の調味料”へ
「キッコーマンの成長戦略」
■ キッコーマン様の歴史、社風、ビジネス、地域との共生などその素晴らしさに感銘したことに加え、ビデオ素材のインパクトを改めて痛感しました。体調がすぐれない中講演いただいた堀切社長、大変ありがとうございました。
■ キッコーマン社の人材育成等について話を聞きたかった。家訓映像のフルバージョンを是非見てみたい。
■ 素晴らしい会社ですね。400年も続いていれば、家訓を日ごとに唱えなくても、自然に染み付いているのでしょうね。行動にぶれがない。Wisconsinのフィルムには感動!
ビジネスの先を読む目も極めて鋭い。高度成長期の1960年代にして国内の口数が将来は減っていくと予見し、海外進出するなど、普通にできることではない。
八家合同の際にKikkomanブランドを選択していて本当に良かったなと思う。いわゆる外人でも読みやすいから。1917年にすでにアメリカ進出を目論んでいたとは考えられず、数多あるブランド名からKikkomanが選ばれたのは偶然かもしれないが、幸運と思いました。
■ 個人的に関わりがあり、比較的ベースの知識はありましたが、最後のビデオは初めて拝見し、内容は圧巻でした。当事者たちのキッコーマンへの”愛”を感じることができました。何事も超長期的な視点から考え、実は極めて先進的な取り組みを行ってきたことに改めて感心しました。コーポレートブランド刷新の際も「50年通用するものを作れ」と号令が出たことを思い出しました。周囲の方々の「へぇーすごい」という反応を見ると、まだまだ知られておらず、実にもったいないという印象です。地道な取り組みを進めていらっしゃいますが、粘り強く継続して頂きたいと思いました。
■ ・新鮮さを保持するボトルは、それ以外にも価値があることが話題になりました。若い人は本当のお醤油の香りに気付いたようですし、一方、私のように昔のお醤油さんを知っている世代は、懐かしい、記憶に残っているお醤油を思い出させてくれます。また、減塩が必要な世代としては、余分な醤油を摂取することなく、慣れ親しんだお醤油の味で食事ができます(必要最小量だけ取り出せるので)。スプレータイプのボトルも登場していますが、香りを楽しみ、味を楽しみ、食事の時間を楽しむという大きな価値を生んだボトルだと気づきました。
・その上で、昨今は健康寿命が様々な場面で取りざたされますが、キッコーマンとしての健康長寿にむけた取り組み(例えば食塩代替塩味とか)は、是非伺ってみたかったです。
・最後にお見せ頂きましたビデオ、大変感動しました。やはり、物作りの基本は人づくりと再認識できました。機会があれば、フルバージョンで拝見したいです。
■ キッコーマンさんのイメージが変わりました。400年の歴史は、人を思う心をつないでいくことで、続いているように感じました。
■ 将来に対する先見の明と大胆な経営判断、その後の一貫性に感服しました。長く続くブランドは共栄の精神を通念化させていて、そこに秘訣の一端があるように今回も感じました。
■ 堀切社長のお話、そしてビデオから、変わり続けることで企業を存続させていこうとする意思と、従業員を大事にすることでKikkoman Wayが自然に受け継がれていく強さを感じました。
・今まで様々な変化(=リスク)を乗り越え、400年続いてきた老舗企業だからこそ、「変化しつづける」ことの重要性を痛切に感じ、先を見据えて手を打っていこうとする意思が受け継がれていること。
・そうした意思が、従業員や地域社会に対するふるまいの中で、KikkomanのDNAとして自然に受け継がれていくこと。
食を通じて人々の生活を豊かにしたい、幸せになってほしいという理念は同じでありながら、キッコーマンにあって弊社にない要素をひしひしと感じるとともに、少しでも求める姿に近づけるよう、会社の中で働きかけていきたいと心に誓いました。
■ キッコーマンは世界遺産にもなった和食の象徴とも言える醤油の、トップブランドというよりガリバーブランドとして世界的にも有名で、私がドイツ駐在中(約30年前)に訪れたレストラン「大都会」でおなじみの卓上瓶を見たときは、懐かしくまた誇らしく思えたものでした。 一方関西に比べて関東の醤油は濃くて色も黒いものだと認識しておりましたが、ちょっと前から愛用している「しぼりたて生しょうゆ」を初めて見たときは、「醤油って本当はこんな赤い色だったんだ」と驚いたものでした。 今回それを開発されたのが堀切社長で、しかも創業家の一族だということに、さらに驚かされました。
また最後に見せて頂いたVIDEO“MAKE HASTE SLOWLY”はキッコーマンの家訓を織り交ぜた、アメリカ進出時の企業哲学及び従業員のモラールの高さを示すものとして素晴らしく、もっと企業FOODをSHOW YOUすべく、活用されたらいかがでしょうか。
■ 企業がその価値提供を永続的に行うため、300年続く家業の場合の好事例を
聞かせて頂いた。
1 本業を極めつつ、社会・市場・顧客の動きを予測し、将来に向かった
施策を大胆に打たないと残れない。
2 今回の好事例から、日本で起こりやすい現象として
新領域(今回は 醤油の海外生産)や多大な投資には、集団による論理展 開では リスク議論になり、結果、何もしない、先送りの議論結論になる可能性が大きい。
創業家だから出来た決断かもしれない。
恐れず書けば、金融機関やファンドが主体の経営母体では決められないと
推測する。
3 本質論、醤油の旨みや新たな味を追求し、より豊かで楽しい食卓(TAB LE)を
創造する強い意思が個々の施策の素になる事例。
4 それは自動車の開発にも同じで、より豊かで楽しい生活、モビリティライフの提供の追及は
全社員の揺らがない存在の根本原理である。
5 時代価値変化、地域固有特性には素早く対応し、魅力を付加しないと
商品として各地のお客様に伝わらない。
* 今回 根本の志、価値と 応用の試みの事例に触れて大変意味のある
内容でした。
《片平ゼミ学生》
■ 醤油という一つの商品を数百年売り続けることは本当に大変なことだということを再度痛感した。今回は特に海外への展開のビデオが面白かった。現地に溶け込みブランドを浸透していく際に、工場での人間関係でさえも重要でそこを軽視せずに海外展開したことがアメリカをはじめ、海外で認められることになったのだろう。ブランドのマネジメントはどの段階でも大切だということが分かった。
■ 動画がとても印象的だった。もちろん日米それぞれの工場に一長一短があるのだろうが、日本人のつくった工場がここまで現地の方に愛されていて、誇らしいと感じた。同時に、海外での行動は現地の人にとってイコール日本人として捉えられてしまうわけで、それだけ責任があるというのを実感した。我々の先輩方がこうして築いてきた日本人の印象の良いところは、我々が守っていきたい。また、堀切さんのエピソードから見る海外との文化の違いは興味深く、デザートの豆腐や醤油をかけたバニラアイスには驚かされた。その上で海外におけるマーケティングの上手さを感じさせられ、各国の文化の中に醤油を入り込ませる工夫が素晴らしいと感じた。
■ まず、キッコーマンさんは「国内の醤油会社」というイメージがあったので、世界各地に展開していたり、他の食品事業にも拡大していると知り、驚きました。中でも醤油という日本らしい商品で早い段階からアメリカに進出する挑戦的な精神と進出先でも日本の企業文化を保ちつつ、現地の人が満足出来るような労働環境を提供出来ていたという事実には本当に驚きました。最近の日本のグローバル企業は日本基準から離れて労働環境を国際基準に寄せたり、英語を社内公用語にするようなことに注力しているイメージがあります。それも世界的に活躍する会社にとって障害を取り払う大事なプロセスなのかもしれませんが、日本の文化を保ちながらも海外との協力関係は築けるのではないか、深く考えないまま海外に迎合するべきではないのではないかとお話を聞いて考えさせられました。
■ ビデオの洗練られた構成がとても興味深かったです。
■ 最後の動画の昔からある家訓に関して、それを常に実践し続けてきたからこそここまで続いてきた秘訣だということが知ることが出来大変勉強になりました。アメリカに工場を作った際の日本人も別々に住まわせるなど、なるほどという方策が取られており、日本人の気質をよく理解していらっしゃると思いました。醤油の企業が何をしているのか正直全くわかりませんでしたが、今回のフォーラムでとても興味を持ちました。