参加者の声                清野 智 東日本旅客鉄道(JR東日本)取締役会長

■ 内容的に「ブランド」フォーラムなのかな?という気はしないでもなかったですが、面白かったです。街づくりにおけるネーミング「2k540」や「のもの」などは、顧客接点が大切なこともあって、ブランド魂を感じますね。かつての「E電(覚えてますか?死語ですね」とは覚醒の間があります。  東京のみならず地方都市の街づくりにも、力を発揮してくれると、日本の元気が増してくると思いました

■ 旧国鉄時代に出来た負の遺産からいかに脱却して、革新的な企業になったか非常に勉強になりました。もう素晴らしいとしか言いようがないお話しでしたが、その仕組み(会社が常に成長するために邁進する)についてもう少しお話しいただきたかったです。恐らく社内では大企業病に陥らないために色々な取組をされていると思います。それでないと、あの様なサイズの企業でこれほどまでに色々なアイディアは生まれてこないと思います。ただ、安全を基本として、正確さ、利便性、街づくりと常に前に出ていく姿勢は脱帽です。自社の運営に参考とさせていただきます。

■ 国鉄時代から現在までの、幅広い取組みについて直接お聞き出来る、非常に素晴らしい会でした。  時間が許すなら、今後の高齢者等の活用と地域発展などについてもお聞きしたかったです。                             ■ 社会・生活インフラ企業としてのダイナミックな活動が勉強になりました。安全投資40%の自立的目標に志の高さを感じます。  一方気になったのが、「顧客」「顧客満足」という視点が明示的に見えなかったことです。  今後、日本JRとして、グローバルに通用するカラーを明確に打ち出していかれることを期待しています。  ありがとうございました。

■ 前々から、国鉄が民営化されてJRになって以降の変わりよう、発展ぶりには目を見張るものを感じていましたが、最も重視すべき“安全”と次の“定時運行”に加えて、こんなにも次々と新しいことに挑戦していることに驚きました。 勿論JR各社の間でも格差はありますが、唐池さんのカラーで斬新なアイデア列車を次々と走らせるJR九州に対して、JR東日本は首都圏を押さえていることもあって、横綱相撲を展開している、といった印象でした。 しかしその規模の大きさに安住せず、SUICAの導入やエキュートに始まる“エキナカ”活用、さらには駅周辺の街づくりまで、次々と新しいビジネスを開拓している姿はまるでベンチャー企業のようです。 よく“親方日の丸”のお役所体質から脱皮できたものだと感心しきりですが、もう少しこの辺りの意識改革をどう導かれたのか、のお話が聞ければ良かったと思いました。

■ そこまでやるか、という、突き抜けてやり過ぎた時に初めて見える世界があるという気持ちを持ちました。  先日カナダ人をアテンドした際に2~3分間隔で正確に来る山手線、そこから秩序正しく吐き出され、乗り込む大量の乗客をひたすら動画に撮っていました。「恵比寿⇔新宿間は9分だから」と話すと「占い師か?」と驚かれ、新幹線が次々に発着する様子、それに略満席に乗客が乗っている様子にも驚き、品川の駅中の店舗の規模、清潔さとディスプレイの美しさに感動していました。  人口も少なく、車移動が原則の彼らには、そこに存在する全てのことが夢か魔法のように感じられたようで、Japan Prideを感じることができました。  インフラを突き詰め、インフラを超えた存在になった日本の鉄道技術の舞台裏を直接伺う機会を得て自分たちは「突き詰めているか」「やり過ぎているか」考えさせられました。

■ 多面多様でありながらテーマ・KPIが明確な変革的取り組みがとても参考になりました。軸足をしっかりととらえた取り組みがJR東日本ノブランディングに繋がっていると思いました。  JR全社の視点でみると、5社による地域に密着した取り組みと鉄道総合技術研究所等の機能型横串組織によりオペレーションされているように見える。不採算の四国や事故多発の北海道等の問題は他社の話として放置出来るはずもないので、ネットワーク、業務連携による安全向上、経費削減がこれからの課題のように感じた。

■ 国鉄からJR(民営化)になってなにが一番変わったか。お話の最後に清野さんがなかば独白のように仰った、「当事者意識がないのが問題だった・・」が強く印象に残りました。国営がゆえに数々の規制があり、自分達では何も決められない、そんな諦観が上層まで充満し、誰もが他人事のようになっていた。民営化の過程では多大な苦しみを伴うものだったと思いますが、結果として「自発的に動ける」ようになったことが、今日の発展の原動力なったのだと得心しました。JRで一番大きな東日本、そのすべてのアクティビティを束ねるのは大変なご苦労だと存じます。放任するのではなく、部下やグループ会社に権限委譲をし、活躍の場を与え、自発的な動きによって期待を超える力となることを、ご自身の実感から実践されているのではと拝察いたしました。  礼に始まり礼に終わる、新幹線が折り返す7分間で完璧なお掃除をやってみせるお掃除スタッフ、グループ会社の『株式会社JR東日本 テクノハート TESSEI』、通称“テッセイ(TESSEI)”  『エキナカ』を手掛けるJR東日本ステーションリテイリング などJR東日本は素晴らしい事例の宝庫ですね。そして本業である鉄道事業もまた、触れられていたシームレスな輸送など、線路の外から見ればまだまだ眠れるアセットだと思うのです。近年とくに自発的に考える集団になってきているなと感じておりました。

■ 「鉄道をベースとした綜合企業」という自社の定義にすべてあらわれていると感じられる講演内容であった。  安全への取組、速度の向上、蓄電池を用いた架線の撤去といった、鉄道輸送事業に関するお話はとても説得力があった。社会にとってなくてはならない企業として、企業努力とイノベーションを怠らない姿勢は、一生活者としても共感の持てるものであった。  一方、観光列車や駅ビル開発、阿佐ヶ谷アニメストリートなどの、生活に潤いを与える事業に関しては、企業として地域の課題に向き合おうとしているという姿勢はあまり感じられなかった。「当該地域ならではの良さ」にもとづいて、地域の人と共に新しい価値に転換し伝達していくのだ、という意識がさらに明確になれば、企業価値が高まるのでは、と感じた。  実は昨年5月、生まれて初めてJRの定期券を持った。それから1年以上たったが、JRには親近感や自分の路線だという意識をもてないでいる。無個性な一歯車が運ばれていくだけだ、という印象なのだ。  首都圏においても少子高齢化が進む時代。わざわざそこに出かけていこう、さらにはその街に住もうと思えるような、駅から始まる街の魅力づくりが今まで以上に重要になるだろう。保育サービスや介護施設だけでなく、スライドにあった「地域・住民・JRが共にまちの魅力を創っていく」というあり方を追求してほしいと思った。

■ 「究極の安全」を目指している企業であることを知り関心した。また、鉄道事業のみならず街づくりに対しても積極的に取り組んでおり、様々な面から社会貢献していると感じた。

■ 我々の企業の本業は「鉄道」というスタンスを会長が明確にされており、かつ経営者が変わっても安全面に対する投資率を変えずに続けている点は、JR東日本の安全信頼性の高いイメージをずっと保ってきた点からも分かる気がした。  収益の多くは首都圏であるが、広範囲なゆえに多くのローカル線を抱えるのも事実であり、かつ日本の中でも地震の多いエリアを持つのが東日本エリアの特徴と思え、JR東日本のかわりができる企業がいないことを考えれば、やはり本業を重視していくスタンスは変えてほしくないと感じた。  JR東日本らしさとして、我々のユーザーにも他のJRより安全な印象を感じさせる

■ 講話の中で、「国鉄からJRへ変わったが、列車を走らせていることは忘れてはいけない。ルールは守る。赤は赤。昔に戻らないように注意している。」「世の中の役に立つこと、それが鉄道への思い」であると語っていただきましたが、その言葉が大変印象的でした。今日も電車や新幹線がダイヤ通りに動いています。ごく当たり前のように。でもそれは、ここまで積み上げた企業の努力があることを忘れてはならないと思います。あらためて感謝の思いでした。そして日本のブランドとして世界に名を広めている、日本の技術は素晴らしいです。

■ 最も印象に残ったのは安全投資です。日本の鉄道では「安全は当然」と思われがちです。私は、「指差喚呼(指差呼称)」を目にすると「しっかり安全に注意しているな」という実感を持つものの、それ以外では特に実感できることがありません。あれだけ安全に投資をしているのですから、もう少し何か安全への取り組みを利用者に知ってもらわないと、もったいない感じがしました。  また、他のJR各社と闘うことはないでしょうが、首都圏では大手私鉄と闘うことはあるわけで、東急らしさ、小田急らしさ、京王らしさ・・・などに対して「JR東日本らしさ」を考える時に何かポイントにしていることはあるのか、時間があればお聞きしたかったと思いました。