参加者の声   坂根正弘氏 コマツ 取締役相談役

■ お忙しい中貴重な話が聞けて気持ちが引き締まりました。
経営論的な話でしたが、マーケティングの実務を担当する小職も、全体感や経営者の視点で現在の業務を見ることも必要だと感じました。

■ 昨日(5/13) の坂根さんのお話、何か気圧されるような感じがして、(珍しく?)質問ができませんでした。
なぜ?…と考えてみましたが、坂根さんの「事実を知り、自分で考える」このことを徹底して貫いていられる姿勢、まさに「知行合一」の生き方そのものが、失敗しないで上手くやるために“知識”を得ようとしている?自分の浅はかな態度を見透かされてしまうようで、将に気圧されてしまったのだと理解しました。知識としての内容は状況や企業によって違うはず、要は君は「自分の場で、事実を求め、自分で考える」これをやる気があるのか!?
こんなことを言われたのだと思います。
及ばずながら、やってみたい!と思います。

■ 貴重な講演に参加できたこと、心より御礼申し上げます。

自らの経験をもとに築きあげられた揺るがない方向性と、やらなければ何も変わらないという行動力により、多くの功績をもたらした経験談をお聞かせいただき、私たちの内に秘めているコア(思いややる気の部分)に自信を与えてくださり、これからの人類の未来のために必要である重要なメッセージをいただけたと感じております。多くの人間を抱えておられる経営者であっても、数人の部下を抱える上司であっても、考え抜かれた方向性と行動力をもってプロジェクトを実行することが必要であると理解することができ、今後の行動に自信を持って進んでいける気持ちとなれました。

また、次々世代まで後継者を考えた動きをすることが、個人だけの損得を考える思考を打破し、企業の未来⇒日本の未来⇒世界の未来⇒人類の未来へと思考を変化させることができることに驚き、この事実を教授いただけたことに本当に感謝いたします。

本日はお忙しい中、ご講演いただきまして誠にありがとうございました。

■ 座右の銘は「知行合一」。よどみなく論旨明解な、きれいに出来過ぎたようにさえ感じるお話の内容も、ご自身が自らなさったことであるからこその重みと力がありました。経営環境の厳しさや日本企業の六重苦を嘆く企業人が多い中、「自分がやるべきことをやらずにぼやくな」「まず隗よりはじめよ」と幾度となくおっしゃった姿勢も知行合一に通じます。。恰好良く話せるようになったのはここ最近であり、渦中にあった時には「やれることは全てやる」という姿勢で全力で取り組んでいらしたのだろうと感じました。

世界シェアNo.1の分野が半分というポートフォリオは逆立ちしても真似できないものの、「○○でないと困る」は、それぞれの分野で皆が真剣に考え抜けば、たとえ小さくても見つけられるはず。企業にしても、事業にしても、ブランドにしても、個人にしても、価値を高めて生き残り、社会に貢献するためにはその視点で考えれば迷いがなくなる気がします。

短・中・長期をそれぞれ20年から30年、50年から100年、200年から300年と一桁変えて考えてみれば、大きな流れを読み間違うことはない、というご示唆も目からうろこの一つでした。早速自分の携わっている業界の世界的な潮流をこの単位で考えてみると、おそろしくすっきりと捉えなおすことが出来ました。これから自分なりの視点で、あるいは近しい仲間との議論の中で、日本の人口推移、都市化の流れなどをこの単位で過去から捉え、アジア圏を中心に範囲を世界に広げて今後を考えてみたいと思います。

超長期を圧縮して考える地球の営みを1年で捉えなおすという発想は、待ったなしの打ち手が求められている中で、世界に、国に、企業に決断力を求めるのに、正しく危機感をあおる手段であると思います。ただし、恐竜のことを心配している場合じゃない、化石燃料はどんなに長くても3秒持たない、ということの答えが原子力でしかないのか、そこだけは素直に同意できませんでした。再生可能エネルギーだけでは賄いきれないというのは、化石燃料という劇薬を知ってしまった人類が同じかそれ以上のエネルギーを求める中で当然の帰結なのかもしれませんが、地球には生かし切れていないエネルギー源がまだあるのではないか、世界中の英知を集めて、専門家だけではなく生活者全員が、真剣に考えなければならない課題であると受け止めました。

■ とにかく、300tダンプのような坂根さんの話に圧倒されました。 安倍政権の“産業競争力会議”の委員に選任された事も頷けますし、その知見の広さと高さ、さらに行動力に驚嘆させられました。
話の内容が質・量ともにダントツだったので、コメントを絞るのに困るのですが、中でも“ダントツ経営”というのは今まで“ダントツ商品(技術)”の事だと理解しておりましたが、それだけではすぐ追いつかれる、“ダントツサービス”になればかなり引き離せるが、“ダントツソリューション”になって初めて真のダントツ、即ち「コマツでないと困る」状況が作れる、そしてその実現にはボトム(ミドル)アップの技術と共にトップダウンのビジネスモデルが必要、との話はウチの社長にこそ聞かせたいと思いました。
その他にもCOMTRAXの具体例や無人建機を稼働させるのに必要なインフラであるLANはコマツが世界の鉱山の7割を握っている話など、経営者としての判断と行動が正に“知行合一”になっているので、大いに参考になるハズ、と感じました。 ただ、建機の場合はプロユースなので、どんな人がどんな使い方をするか限定できない、自動車のようなB2Cのビジネスとは異なる点は考慮する必要がありそうです。
いずれにせよ、企業の構造改革を成功させた坂根さんが、日本の構造改革に取り組んでおられるのだから、日本の将来に希望が持てると確信しました。

■ 全般的に説明が論理的で、感情論・浪花節といったものが殆どない非常に説得力のある講演でした。
着手する事業は、世界№1になれるものしか手を出さない。その上で世界の基本的変化を捉え、中長期を一桁増やしたロングスパンでの事業規模と会社の立ち位置を見据えた正確な現状分析があり、スピード感のある事業判断が加わったリーダーシップ。簡単には言えないが失敗しない経営のノウハウが詰まっていると感じた。
また、世界に出てた上で日本に帰ってきた方(企業)が、日本はラストチャンスだが回復の見込みがあるという話は期待感を感じさせてくれた。

■ データーに裏づけされた緻密な論理と国政レベルのグローバル・マクロ経済展望、気迫に満ちた語り口に圧倒されてしまいました。
ビジョンを表す言葉「ダントツ」はまさに心を掴むダントツなネーミング。
早くからICTに着目し、積載300トンの巨大ダンプを無人運転させる無人運行システムや最強のリアルタイム情報収集システム「コムトラックス」を作り上げた先見性。
築き上げた知見を属人とせず、社長直属の推進室による伝承の仕組みと教典「コマツウエイ」。
成長とコストの分離、固定費削減、痛みを伴う大手術は早期に一回限り。
開発・生産一体の原則。などなど、最高最強のリーダーシップであることは間違いないでしょう。
いちばん感じ入ったことは、リーダーであることの自覚と覚悟がお有りな事です。
「社長の持つ大きな権限と責任は犠牲になるところをトップダウンで決めること。何処を犠牲にしていいのか言わないと投入資源が生まれない。」
「全体最適を進めるには必ず犠牲が伴う(だから部分最適に陥る)全体最適はトップダウンでしかできない。」
文章にしてしまえば当たり前なこの事を、自らコミットし、断行されていることです。
ブランド作りにはトップのコミットが必要不可欠ですが、「ブランド強化」という掛け声ばかりでトップのコミットメントが得られず、ボトムアップのタネ火が消沈しそうな会社はいくらもあります。
坂根さんはあまりブランドという言葉を使いませんでしたが、選ばれ続けるための仕組みづくり、「コマツでないとこまる」度合いを高めることが企業価値を高めることであり、価値の創出と持続的成長をするための原動力は?それは従業員であり、顧客であり、顧客の満足を分配することによって価値が積み上がっていくのだと、本質につながることを仰っておられました。

話は飛びますが、内閣府「少子化危機突破タスクフォース」が打ち出した少子化対策「女性手帳」がドン引き!と話題です。自社の女性社員の出産率という事実データーに着目し、少子化問題は東京一極集中にありと論破する坂根さんに、なお一層の政・財界でのご活躍を願ってやみません。

■ ものすごい迫力&実力に圧倒されました。世の中、すごい方がおられるものですね!考えて決断して実行してきたご本人だからこその、自信あふれる経営。的確に事実を数字で見る主義。問題を先送りにしない決断力。ご本人が「冷めて見てる」とおっしゃってた電機業界には、あからさまに欠けているといわざるを得ません。液晶某社の右往左往を見るにつけ。
いやぁ、素晴らしい講演でした。安倍首相が目を付けるのも分かるわ。これだけの方を見抜き、引っ張ってこれる片平さんのお力にも改めて感服つかまつりました。

■ トップリーダーがやる事が、間接業務に従事する私の為す事と近似すると、初めて認識しました。
直接部門に越境して、今までと違う事を実践して貰う為に、事実を元に戦う理由を分かりやすく説明して、目標を共有して動いていただく...サイズは違うが人の心を動かずツボは同じだと、45才にして気づきました。
40歳になって初めて海外に行った坂根さんが、あそこまで刺激的な話が出来るんだから、私も年を重ねる毎にまだまだ強くなるハズと、エールをいただきました。ありがとうございます。

■ ご高名は以前よりお聞きしていましたが、コマツという会社がいかにユニークな強さを持っているか改めて驚きました。とにかく予想を超えた「凄い」の連続のプレゼン内容でした。リアルタイムマーケティングが流行っていますが、真のRTMを5年も前から行っている凄さ。国レベルから企業レベルの課題の設定、グローバルかつ歴史観をもった戦略視座、ダイナミックな実行とどれも凄い!企業価値、ブランド価値の置き方がしっかりしていることもお手本。とにかく200%勉強になりました。その中でも坂根さんの「代を重ねるごとに強い会社にしたい」という言葉が一番印象に残りました。どうもありがとうございました!

■ 頭がつんと叩かれました。
雇用に縛られ関連事業に手を拡げ….
Middle down/Middle up の良さを活かしたTop down…..
等々、思い当たることばかりで参りました。
まさに「言葉力が人を動かす」いや、坂根さんの場合は「気が人を動かすのかも」を実践されているボスですね。
ルネサスの件はちょっとばかり、反論したいこともありますが、「敗軍の将、兵を語らず」で説得力に欠けますから止めておきます。

■ コマツは、インターブランドの実施するJapan’s Best Global Brandにて、常に弊社の直後に、また日本企業には珍しいB2B専業メーカーとしてランキングされており、気になる存在でした。

ブランドに対する姿勢にも大きな興味がありましたが、意外や大上段に構えぬ「自然体」。実はその姿こそ正しいのだ、と思い知った講演でした。
「ブランド戦略の成功に必要なのは、トップのコミットメントだ!」というたぐいの発言がつい口に出してしまうのを、むしろ恥じ入る思いです。

■ 非常に示唆に富むお話で、皆さんおっしゃられているように気おされました。以下、特に印象に残ったところを列挙します。

1)時間軸を一桁長くしてみる。
・短・中期が20~30年というのはびっくりの視点ですが、実際そう見ていかないと、生産を日本に戻すというような判断はできないですね。
2)断トツ経営
・世界で1・2位シェア以外のものはカットする。
3)トップダウンの重要性
・全体最適を実行できるのはトップのみ。
・ビジネスで勝つには、早くからトップダウンで決断しなければならない。
4)まず隗より始めよ
・自分も動き始めなければ、と強く感じました。

■ 坂根様のお話には、「経営の実際を理解するための意見、言葉」と「リーダーとしてのスタンス」という2つの側面があったように思います。”ベンチマークを忘れた日本”や”コマツでないと困る度”などは前者でしょうし、”知行合一””一桁かえる””部下にこれ以上細かく言ったら・・・”は後者とも感じます。ここに至るも、走りながら考えたり、後になって整理がついたこともあるかもしれません。しかし、大局観を語りながらも現地現物に拘る姿勢は、誰もができることではないと思います。
ただ、実務を進める中で進化したい!と考える人、私もその1人ですが、実に勇気づけられるお話と思います。その意味では、自民党でも、工場でも、4000Mの高山でも、どこでも通じるようにも思いまして、そこに坂根様の奥深さがあるのではないしょうか。

■ 過去、ここまで迫る講演は記憶に無い。あまりにも壮大なテーマで、小職の評する域ではないと、ただただ、感銘の限りです。
いくつか、自分の生活・仕事の中で「考えたいポイント」がありました。
①ぶれない「ベンチマーク」
仕事だけでなく、生活でも、すごく大切な事だと、再認識しました。
②「コマツでないと困る度合」
あなたでなければ困ると言われたい。全てのブランドの究極は、
「困る度合」で、仕事で商品ブランドを考える時、この考え方を
取り入れたいと思います。
③KOMTRAXモデル、スゥーデン林業
ITを技術で考えたら、このモデルは出来なかったと思います。
坂根さんの言っていた、自分で考える。質問しない。先に調べ
ない(これはWebサーチだと思いました)。事実だけを真摯に
受け止めて、熟考した結果に、技術を当て結実させたような
気がします。これは、他の業態に活用の芽があるように思え
ました。
④ダメな理由から、「どうしたら」
坂根さんの思考は総じて「前向き(未来向き)」なので、
次はどうするに、注力している事を、強く感じました。
多くの仕事環境で、「問題点と課題」を掘り下げていましたが、
「どうしたら」が決まれば、問題も課題も「はっきり」する
のではと反省する限りです。
⑤「自分で考える」
小職にとって、これが最大の収穫でした。ネットの情報を中心に
頼り過ぎ、自分で考えることを、かなり省いていました。
有難い、示唆として、真剣に考えていきたいと思います。

■ 圧倒されるお話しばかりでしたが、その中で特に身にしみたのは、間接部門の非効率についてでした。
ITシステムを代表にお話しされていましたが、間接部門は、やっている仕事をすべて善としてやっているの自前主義のせいでコストが非常に高い。部品原価を下げることは必死にやっているのに、という話は、間接部門の仕事そのものの持つ大きな問題点と感じました。
トップが優先順位を決めて、捨てるべきところは捨てていかないと、「技術では勝ててもビジネスで勝てない」という日本の現状は変えられないなと実感しました。