丸の内ブランドフォーラム ラウンド 15・2
2015年9月8日(火) (15.2 とジョイント)
「MRJの挑戦 –国産旅客機を世界の空へ–」
三菱重工業会長 大宮 英明
■ 飛行機というものを作り、夢も作っていく、そういう仕事はとても楽しく面白いと感じました。ただ、どうして時間もコストもかかる飛行機なのか、企業として選択と集中をして行く上で、何故飛行機なのかをもっと聞きたかったです。夢以上の何かが企業として、意思決定できたのか、公開質問の幾つかはここが根底だった気がします。
■ 大宮氏の講演は同じメーカーという立場から大変興味深く拝聴致しました。
P/Lという観点からは通常成り立たない航空機事業ですが、三菱がもっている航空機技術の継承という意味で非常に意義があり、社内外から広く支援を受けて、期待されている事業であるという事が深く印象に残りました。
■ 100万点もの部品を精密に組み立てる必要のある航空機製造において、棟梁仕事がどれほど重要であるかがよくわかり、エンジンなどの重要部品が海外製であっても、「国産ジェット」だと言える理由について腑に落ちた。
困難を乗り越えて、夢を実現していくことが、社内の求心力となっていくだろうことも想像できる一方、そのための努力、社内の巻き込みにどれほどのご苦労があったかもうかがい知ることができた。
社内構造改革に関する話も含め、日本を代表する企業の経営者ならではの凄味のあるお話は最初から最後まで興味が尽きなかった。
■ 今回の感想を一言で言うと「圧倒されました」 完全ノックアウトです。
巨大なタービンが鋳物で出来ていて超高速回転する(少しでも狂いがあれば恐らく分解してはじけ飛ぶ)その技術力や、100万点の部品を資材メーカーとの協働で品質を追求し組み上げていく棟梁のリーダーシップ、モノづくり日本の底力に圧倒されました。
それ自体が大きな目的となる事業再編や経営管理のスキーム導入を、大きな夢の実現のための手段として、さらりと語られるスケールの大きさに圧倒されました。
参りました!
■ エンブレアの機体で運行している富士ドリームラインや整備を委託することになるボーイング社など他社に対するリスペクトがあり、航空機業界全体に対する思い入れが強く感じられました。
自前主義の脱却については、従業員のモチベーションや技術の継承という観点でどのような影響が出るのだろうと感じました。
単位株を購入されたご夫婦の話ではありませんが、私もMRJのフライトに搭乗する日を楽しみにしています。
■ 組織として国産ジェット機にかける夢や情熱が非常に伝わり感動しました。ビジネスには様々なものがありますが、やはり「ものづくり」とそこからのブランディングというのは非常に重要な部分と再認識させて頂きました。
また三菱重工さんの事業体制や事業評価に関する部分もとても勉強になりました。
有難うございました!!
■ 三菱重工は、日本経済の成長を支えてきた重厚長大産業のトップに君臨する、もっと巨大な企業だと思い込んでいましたが、重工単体としては意外に小さいことに驚きました。 勿論グループ全体を合計すればやはり大きいのでしょうが、むしろ大宮会長が社長時代に断行した組織改革・経営改革によって、コンパクトで小回りの利く会社になったものと理解しました。
一方MRJに関しては、YS11以来の国産ジェット旅客機だと理解していましたが、YS11は国策会社主導で三菱は製造を担当しただけなので自社開発には数えず、逆に戦後MU-2やMU-200といった小型機が自社開発だとの説明を聞くと、やはり三菱は軍需産業の担い手だったことを再認識しました。 また「国産」の定義が、全ての部品が国産品でなくても、設計~開発~製造を主導するインテグレータ、即ち「棟梁仕事」が日本の企業であればよい、というのも初耳でした。
いずれにせよ、MRJは競合他社(カナダのボンバルディア、ブラジルのエンブラエル)に比べ、かなり競争力が高そうなので、早く初飛行を成功させ、ビジネスを離陸させて、自動車に比べはるかに部品点数が多く、従って多くの裾野産業の中小企業を引っ張る、文字通りMRJ(Mr.Japan)になることを期待しております。
■ 日の丸飛行機は日本の夢ですもんね。日本代表選手みたいな会社の、為すべきことをきちんと果たしておられる姿勢がよく分かりました、でも、誰にどのような価値を提供しようとしているのか、今いち響かなかった。「ブランド」フォーラムって視点では、ちょっと違ってたみたいな。企業研究としては超一流、勉強になりました。
■ 三菱重工だけにあまりにも重厚長大、などとダジャレしか思いつかないくらい、規模も金額も畑違いにとっては縁遠く、ブランドフォーラムというよりは経営フォーラムといった印象でした。(嗚呼、己の器の小ささよ)
部品点数100万点、開発投資1兆円、数え切れないほどの計算・テスト・認証、パートナー企業、協力メーカー、巨大な集団。これら気の遠くなるような営みを束ねて創り上げて成功に導くコアは何なのか?傾聴しながらずっと考えておりました。
最後に見せていただいたPV。そこにはやっぱり「夢」ということばが使われていました。ベタですね。言葉にしてしまうとあいまいで、軽薄なようでもあるけれども、どんなに集団・組織が大きく複雑になろうとも最小単位はひとりひとりの人間、彼等彼女等を巻き込んで目的にむかってひとつになるには、その琴線に触れて突き動かす夢が必要なのですね。MRJの夢とは個人の夢であり関係者全員の夢、日本人の夢なのだと。「すりあわせ」をはじめとしたものづくりニッポンの技術とこころで国産ジェットをつくる。それは単なる「できたらいいな」ではなく、GDP増大をも見据えたニッポンのハピネスです。その想いを共有できたからこそ、世界に向かって離陸の時を迎えることができたのだと思います。
■ ホンダの開発成功なども喜ばしいニューズだが、中型ということもありMRJは、零戦の志を受け継いだ人達にしても大変難しいプロジェクトだったに違いない。そういう中で、夢を実現した大宮さんは幸運だったし、それなりの努力があったのだろうと思うのだが、そこのところが、自慢話になるから避けたのか余り語られなかったように思う。この点は残念。
一方、経営者としての「夢」の実現については見事というしかない。それと、飛行機の完成が並行しているのだから、ご当人の言うように「運」や「協力者」に恵まれたのもその通りなのだろうが、基本的な人間としての資質や聡明さも相当なものに思う。
■ 技術的な部分はもちろんのこと、企業変革についてのお話は特に興味深く拝聴しました。「社長が握れる武器が欲しかった」という件には、困難な現実を乗り越えてきた方だからこそ出せる重みと感慨を感じました。
私自身の職務が営業に近いということもあってか、最終消費者である「お客様(搭乗者)」視点でMRJ、三菱重工様がどうあろうとしているのかというお話も伺ってみたかったところです。
■ MRJにかける覚悟と思いに感動をした。
1兆円近くなる投資に踏み切る、三菱の思いに感服するとともに、そこは思いだけでなく、綿密に計画された投資計画、ビジネスであると感じた。
また社長として各事業と話すための武器を作るための指標を作った(事業ポートフォリオ)などは、非常に参考になった。
やはり人心の掌握というのは苦労をするものの、最終的にはリーダーの人格でもあるのかな、と感じた。
■ とてつもない技術的ハードルと投資規模を乗り切る熱いハートが伝わる講演でした。「どう売るのか」という部分で、性能一辺倒ではない、できれば国家プロジェクトとしての売り込みの仕掛けなどももっと聞きたかったと思います。
■ まず、国産の飛行機製造が長らく日本で行われていなかったという事実に驚いた。飛行機に乗ったことこそあれ、生産国まで気にかけたことはなかった。今まで、優れた技術が生かされずにきたというのは、本当に残念だと思う。それだけに、今回のご講演は、本当にわくわくしながら伺った。
日本の製造業は近年、海外に優位を奪われつつあると言われる。しかし今回のお話を伺い、まだまだ衰えぬ勢いがあると知った。日本には、発展途上国の追い上げが著しい今なお、世界に負けない高い技術力と、熱い思いがあり、技術創造立国として、改めてプレゼンスを獲得することもできるのではないか、という希望を感じた。
更に、大宮さんの、日本という国のブランドを背負われる気概に感動した。また、そうした夢を叶えるために、周到な準備や調整を重ねる粘り強さも大事なのだと感じた。
《片平ゼミ学生》
■ 貴重なお話をお聞きすることができ、非常に勉強になりました。特に自分が興味を持ったのが、部品メーカーとの擦り合わせのお話と組織改編のお話でした。大きな集団として活動する際に必然的にうまれる前提を、擦り合わせによって取り組みの対象に含み、その部分からの進歩を考えるというのは、航空機ほど極端ではないと思いますが、様々な分野でいきる考え方ではないかと感じました。また、組織改編に関しては、重要なのは定期的に変化し、硬直させないことではないかという風にも感じました。
■ 個人的に飛行機が大好きで、大宮さんのお話は非常に楽しく、ワクワクしながらお話を聞かせていただきました。MRJは日本の企業が棟梁となって作られる日本の飛行機ということで、10月の試験飛行は非常に楽しみです。ありがとうございました。私もただ一つの価値を生み出したいと強く思いました。
■ 貴重なお話をありがとうございました。MRJの日本の「ものづくり」を代表する企業の新たな挑戦ということに、心意気を感じ、日本人として誇らしく思いました。また、普段大学で理論や戦略について学んでおりますが、大宮様が組織改革に取り組んだお話の中で、大学で学んだ経営戦略・企業組織の理論が登場し、実学として生かされているという実感と共に、改めて今後の学びへのモチベーションが高まりました。
■ 「国産ジェットを世界の空へ」という企業の夢を実現するためには、ロマンを形にする製造的な面での努力だけではなく、自前主義の脱却やビジネスユニットによる組織の再編、戦略的事業評価制度の導入など様々な改革が必要だったことがわかりました。どんな企業も最後は人なので、一人一人が見据える目標を同じにして、納得して全社一丸となることが事業や企業の成功に不可欠なのだと思います。日本のものづくり技術の結集が世界を縦横無尽に飛ぶ将来を想像してワクワクしました。貴重なお話ありがとうございました。
■ MRJのプロジェクトがいかに膨大な時間や資金、労力を要するものであるのかを知り、それを実行すると決断した覚悟はものすごいと感じました。組織改革のお話では、経営の授業で学んだような知識が机上のものではなく、実際に活用されると大きな効果を発揮するものであると気付き、興味深かったです。
MRJの持つ、接点の少ない一般の方をも味方にし、また社内を自然と活気づかせるような力は、すばらしいと思います。夢のある事業の強さに感銘を受けました。今後も注目し応援していきたいと思います。ありがとうございました。”
■ 高コストかつ参入障壁も非常に高い航空機産業に意を決して参入し、自社の強みと技術力を最大限活かしていく姿勢に感銘を受けました。特に環境性能・快適さを武器にしている点も興味深く、これまで日本車が環境性能で世界の自動車市場を席捲してきたのと同様に、航空機においてもそのような日本ブランドとして確立されていってほしいと純粋に楽しみにしております。またRegional Jetの将来的な需要増大を見込んでの莫大な投資という点も、挑戦的で非常に面白いと感じました。米国に留学していた際に旅行等で頻繁にLCCのRegional Jetを利用していたのですが、運賃が安いとはいえあまり快適ではなかった記憶があるため、いずれそのような北米市場でも快適なMRJに乗れるような日が来たらと思うとわくわくします。貴重なお話をどうもありがとうございました。
■ 日本、そして世界のインフラを担う重工メーカーの技術と誇りに感銘を受けました。また個人的に質疑応答での大宮様の’サラリーマン社長’のお話が印象に残りました。自分にはできないことはたくさんある、だけれども社内には頼れる人間がたくさんいるから互いを補い合おうという姿勢が素晴らしいなと感じました。貴重なお話ありがとうございました。
■ 理系の分野であったので初めて聞く話が大半であったが、素人ながらに感銘を受けることが出来た。特に飛行機には1台に600万もの部品が使われていると聞いた時は、その多さに思わず目を疑った。それだけ多くの部品、それ故の費用が掛かるにも関わらず、国産の飛行機を作ろうとし、実際に実現するというMRJさんの情熱と思いに心打たれた。
お話を頂いた後のディスカッションで、「日本は一つのものを作りあげる、というハード面では他国に対して優位を築いているが、それをどう利用するか、どういうシステムの中に組み込むかを考える、というソフト面で弱い」ということが話し合われたのであるが、今後MRJさんが自社の飛行機の強みを、どういうシステムに組み込んで発揮していくことが出来るかどうかで、グローバルの舞台で世界各国と競合していけるかどうかが決まるのだと思った。
■ 三菱重工業様の経営方針や、その中での航空機産業の位置付けが非常に明確に理解でき、勉強になりました。個人的には、経済学部の授業で紙の上でのみ勉強したことのあった組織設計やポートフォリオマネジメントの手法が実際に有効に活用されている様子をお聞きできて、経済学の実業界と結びつき方の強さを実感し、大変興味深かったです。MRJという共通の夢に向かい社内が団結しているのが素敵だと思いました。
■ 三菱重工大宮様のお話を伺い、MRJプロジェクト、経営改革などから未来を切り開くため勇気を持って「挑戦」するという姿勢が非常に伝わって参りました。また、最後の質疑応答の際、三菱重工様の強みは「信頼」「誠実さ」とおっしゃっており、変わらぬ価値観と変えていく価値観ともに大事にされていることに感銘いたしました。電気事業においても今後自由化を迎えるなか、従業員が一体となり、お客さまにどのような価値を提供すべきか改めて考えさせられました。ありがとうございました。
■ 先日ちょうど小牧空港に行って来ました。MRJ実機は見られませんでしたが、関連する展示や、ライバル機のエンブラエル社のジェット機をみて、数年後に夢が膨らみました。国産のジェット機を開発する上での課題や海外メーカーの支援や協力については想像以上でありました。将来的には737クラスへの進出も期待しますが、現状ではボーイングエアバスのライバルとならない70-90席クラスの開発となる理由もそこでまた理解ができました。
■ 今回の講演で、日本企業のものづくりへのこだわりや情熱が日本ならではの技術となって世界中の注目の的となっていることが分かった。しかし一方で、日系企業がグローバル化の潮流の中で波にのるためには、マーケティング力やコミュニケーション能力がまだまだ足りない、という印象を受けた。それにもかかわらず、大宮様のお話の中には技術については詳細な説明があったが、マーケティングに関する三菱重工や他の日系メーカーの取り組みの説明が少なかった印象を受けたため、日本の産業の未来が少々不安になった。