参加者の声 片平秀貴「ブランドづくりの実践:どうWinning Spiral を設計し検証するか」

9月16日(火)
「ブランドづくりの実践:どうWinning Spiral を設計し検証するか」
片平 秀貴(丸の内ブランドフォーラム)

 

■ 「ブランドとはお客さんのかけがえのないうれしさの源泉」
というのは心に響いた。はじめてのお客様に感動があるとき、
それはよき思い(出)となり、もう一度行きたい・体験したいという思いと
なる。それが繰り返されるとそのひとのなかでのブランドとなりリピータとなりほかのひとへの発信源となる。
名声を生産し、消費するスパイラルが必要というのは新鮮だった。
名声は生産できるという考え方はいままでなかった。
まずは一流選手に使ってもらって、誰もが知る大会で結果を出し、それが名声となるSHIMANOの例や無料で売れないウォークマンをボストン交響楽団という一流に使ってもらって感動させ、話題にし、どんどん売れていったSONYの例などはなるほどと思った。
翻って弊社でおきかえてみると、
例えば名声がまったくない北米でタブレットやPCを例えばタダで一流の大学(MIT)や大学教授に使ってもらい、彼らの思いを発信してもらう。
(TVなどとは違って、きめ細かなサポートが必要となる)
例えば、富士通ファンのお客様にストーリーを語ってもらう(いいことも悪いことも)それを海外に発信する。さらに海外のお客様のストーリーも集めるなども必要と思った。
Dreamersの夢。夢の共有。まではある程度できているがその後の
発信力・説得力のある人物(固有名詞)の言葉を発信することは本当に欠けている。いいたいことはたくさんあるが、軸をひとつにして語ることは相手の理解を深めることになり結果、賛成してくれる(好きになってくれる)可能性が高まると思う。
名声は編集・発信しないと消費できない。
勉強になりました。

 

■ ありがとうございました。スパイラルがまさに正のスパイラルとして、ブランドの強化につながっていく姿が目に浮かびました。
ただ、スパイラルを全て見ていくと決してそうではないのに、「名声」を中心とする片平さんが主張されたところからは、「日本はいいものは作っているけど、発信が下手」と単純化されてしまうようにも受け取れ、残念だと感じました。
実際には、日本のメーカーはすでに「いいもの」も作れていません。その理由は、「顧客の難題」に向き合っていない、また「時代」へのアンテナが低いからだと感じます。
たとえば車でいえば、私の場合、衝突しないこと、事故をおこさないこと、事故が起こっても人に致命的な害をおよぼさないことが大きな課題だと感じていますが、未だに燃費やスタイルで勝負している企業が多いように見受けられます。自分の未来、日本の未来、世界の未来にどんな「よいこと」をもたらしてくれるのか、共感できる夢を一緒につくりあげていけるのかが大事なのです。
顧客の課題も多様化・細分化している中で、誰のどんな課題に向き合うかが、一番重要なことなのではないかと思います。
その先に初めて「発信」、ということが浮かび上がってくるのではないでしょうか。
もうひとつ、「モノづくり」にフォーカスが当りすぎているのでは、という感じも受けました。旅行や金融、教育、医療なども「商品」づくりはしているかもしれないが、やはりメーカーの「モノ」とは違うのではないでしょうか。これからの日本には、こうした分野のブランド力を高めていく必要があると思います。このあたりの視点が盛り込まれているといいなあと感じました。(勝手な言い分、お許しください)

 

■ 今回も有意義な講義をお聞かせいただき、ありがとうございました。
「Dreamerの夢」から始まるブランド作りのサイクル、昨日は「企業」に当てはめた議論をグループ内でしておりましたが、「個人」で同じように使えるかも、思いながら帰宅しました。
自分とはどういう人間か、何がしたいのかを考えるDreamerの夢のフェーズから始まり、心身に訴えかけて実行するプロセスを共有するフェーズ、実行・・・結果どのように世間から評価されるかは分かりませんが。
また、言いたいことは1つ。
Sony is one が印象的で、企業としては色々言いたいのに、お客さまに伝わるのは1つ、それが伝わってから次のメッセージ。まさにそのとおりだと思い、現状は全く出来ていないということを痛感しました。”

 

■ 『名声を生産し消費する』この消費するという言葉がとても気になりました。自分自身でも若い頃に培った経験値の残高が減ってきたなぁと感じることがあったからです。一人の人間としても名声を生産する努力をしなければいけないと思っていました。
今回初めてグループ討議があり、女性ばかりのグループということもあり他のチームとは異なり、感覚的な話ができ、とても楽しかったです。もう少し討議の時間を長く取ってただいても良かったと思います。

 

■ ブランドのあり方を今一度再確認ができた内容で、大変勉強になりました。
ブランドづくりのWinning spiiralについて、事例を挙げてのお話しは分かりやすく納得感がありました。そして、名声の「生産」「消費」についても大変興味深く、参考になりました。自社ブランドについて振り返りながら、聴き入ることができました。また、グループ毎の議論も、コミュニケーションを取りながら他社を知り得る有意義な時間でした。各グループの発表も興味深かったです。

 

■ 企業の生産性が求められてきた時代から、企業の創造力が求められる時代になっていることをあらためて気が付かせていただける講演であったと思います。メディアの在り方すら変えてしまった情報通信技術においても、今後はインフォメーションテクノロジーから、コミュニケーションテクノロジーへのパラダイムシフトが鍵になる時代で、そのような流れや事実ともとてもよく符合していると思いました。組織の知や群の知、人の意識や感情、賞賛や名声等、新しいコミュニケーションテクノロジーが扱おうとしているものを、既に四半世紀をかけ観察し続けてきた知見のようにも感じながら、拝聴させていただきました。ぜひ次の若い世代の方々の想像力や活動に繋がればと願います。

 

■ この春から、今回のセミナーには関心がありました。加えて、社内でブランド研修を行うと、受講者の多くが「よくわかった」と評価する一方、「自分は具体的に、自部門は具体的に、何をしたら良いかイメージが湧かない」という悩みや相談を受けるようになり、ヒントを掴みたく参加させて頂きました。十分な答えを発見できました。「夢を語る」「夢を現実に進められるよう、別件を担う」。また、総務や人事などの所属員やそういった職種の方々は、数字や書面から当事者のブランド活動を読み測り、自身からその人へ支援を働きかける等です。論理的なご講演内容で勉強になりました。

 

■ 今回はじめて参加させていただきありがとうございました。
はじめてという事もあり、受講生のメンバー構成や進行でやや戸惑う点もありましたが、新鮮な気持ちで受講させていただきました。
内容的には、Winning Spiralの「情報の発信」「発信力」に関して非常に興味を感じました。
所属する部署柄、発信が重要でありながら大きな課題と感じておりましたので、「多くの日本企業に欠けている」ということをお聞きし安心(?)しつつも、今後より一層取り組んでいきたいと改めて感じました。”

 

■ 今回の片平先生の講演では名声を意図的に生産し
消費することが大切だというメッセージが印象的だった。
片平先生は、私の理解では、名声を「評判」に近い意味合いで使っているようだった。
名声について、講演の中で下記のような例が挙げられていた。
●名声の生産
ルイ・ヴィトン:ゴルバチョフがルイ・ヴィトンのバッグを愛用
樹研工業:世界一小さい歯車を「発信」(この歯車自体が売れているわけではない)
●名声の消費
築地が観光客相手に仕事をすること
→名声を消費することも大事。
ただし、「プロの集う場所が築地」という名声の生産側を怠ると、
名声が消費され尽くされ、魅力のない場所になってしまうので要注意
ブランドと名声の関係については、ブランドがまずあって名声が生産できると理解した。
#ルイ・ヴィトン:魅力的なバッグでなければゴルバチョフはルイ・ヴィトンのバッグを買わない
#そもそも技術がなければ樹研工業は世界一小さい歯車を作れない
構造計画研究所で考えると、産業界と実業界をブリッジしてきたことがブランドで、
プロメテックとの協業で文部科学大臣賞をめでたく受賞したことが「名声の生産」だと考える。

クリックしてNewsrelease_AwardForAcademicStartup2014.pdfにアクセス

会社としては、次なる名声はどうやったら生み出せるのか考えつつ、
今回の名声を(徐々に薄まってしまう前に)どうしたら消費できるか、
そもそものブランドをどう積み上げていくかじっくり考えることが大切と感じた。

 

■ 私にとっての今回の気づきは「名声の素は通常の商品・サービスとは別物」という一文でした。
「名声は意図的に生産できる」としてもそこに資源を投下してみようと思うか、本業と関係ない、儲けに直結しないアクションに社内の理解が得られるかが最初のハードルです。夢見る人の傍らには有能な番頭が欠かせませんが彼こそが最大の夢の理解者でなくして共有のサークルは拡がらないしスパイラルとなって成長しません。
「名声」に戻って、一見本業と関係ないかにみえるものでも、本質の部分ではしっかりとブレない軸と繋がっているのです。名声と本業が共に繋がっている軸とは何か、皆が共有している輪の中心にはなにがあるべきか。「だれかになにかをしてあげたいと自発的に沸き起こる使命感」を持った感情、「理念」が軸であり、結局はヒトのこころが原点です。名声の生産と発信は理念という軸に紐づいてこそWinning Spiralを形成することができるのです。

 

■ 最近、Mハンバーガーチェーンが、中国のきちんと管理されていない鶏を原料した商品を提供していたということでブランドに大きく傷がつき、チェーン全体の売り上げを大きく下げ続けている。
ブランド力をキープし続けるには、常に細心の目配りと、維持するための改革、努力が必要だということを我々に改めて思い知らしめた事件であった。
ところで最近、隆盛を極めているあるレストランチェーンをプロデュースしている人の話を聞いた。成功の秘訣は、今の世の中、程々のおいしさがあれば十分、とにかく見た目かっこいい目新しい店を次々と作り、客足が少し遠のき始めたらすぐ閉店、すぐに店名を変えてまた新しいスタイルの店に改装、リニューアルスタート。このチェーン、チェーンと言いながらも同じ店名の店は少ない。
このチェーンも目的は、常に新鮮感を提供していくことなのか、はたまた悪い評判が立った場合、悪評の連鎖を止め、リスクを最小限にとどめることができるからなのであろうか。
とにかく、内装は見た目重視、安普請。椅子、テーブル、什器は、全国100店舗以上あるチェーン店間を回転させることで、常に新鮮さを安価に演出できるという。食材も、程々の物を全国ネットで安価に手に入れる。最近料理人不足と言われているが、一流のコックはいらない、地方のレストランなどで少し料理をかじった程度の人間をスカウト。そこそこ手ほどきをすれば十分である。結果、面取りもできていない大根の煮つけなどが出てくるわけだが、多少大根が煮崩れていようと、今は、そのようなこと気にする人もいない。また、濃い味を好む人が増えているので、味はごまかしやすい。と言う。
何ともさみしい話である。店名も提供する料理も店舗空間も次々と変えていく、まるで戦後の闇市に派手な貸衣装を着せたようなものである。
この人たちにとって、ブランドって何なのだろう? ブランドの核となるものが見当たらない。しかし、着々と店舗数は増えていくのである。
この種の業態は、まるでカメレオンのようであるから、カメレオンブランドとでもいうべきか。
これを、勝手に解釈すると、意識してか、していないかはともかく無印良品のコンセプトを逆借景し、サービス品質、商品(料理)品質よりも、新しさカッコよさというエンタテイメント感を優先させたのであろう。
これも飽食の時代に咲いたあだ花かもしれない。
また、ブランドを考える上で、いわゆる飲み屋もなかなか面白い。居酒屋は安価でおいしいだけでは流行らない、そこには必ず名物オヤジがいたり、看板娘ならぬ看板御婆がいたりする。価格、品質、サービスがバランスよく働くことで、評判が評判を呼び、人が集まってくるのである。
しかし最近、食うものはほとんどない、缶詰やインスタントラーメンまでもメニューに入っているというのに、やたら流行っている不思議な立ち飲み屋を見つけた。この店、8人も入れば満員、外で飲む人もいる、という狭い店である。
驚くことにカウンターにあるスナックやチョコ類は客の持ち込みで自由に食べていいし、入ってくる客は寿司、やきとりなどおつまみ持参する人も多く、客層もサラリーマン、OL、ガテン系ブルーカラーの老若男女、多種多様である。グラスや、氷の取り出しも、客が自発的に行う。カウンターの中にいるママが時々マヨネーズがない、葱がないというと客の誰かが、自腹で近くのコンビニに行って買ってくる有様。となるとママが誰しも憧れる若くて美人なのかというとそうでもない。47歳の比国の女性で3年前に日本夫と死別、24歳の病弱な娘を養いながら頑張っている小柄で歳の割には若く見えるそれなりに可愛いらしい人である。
しかし、そんな事情を知っている客はほんの一握り。そんな彼女がなぜここまで人を引き付けるのか。4日間連続して観察してみた。
とにかく、とびっきり明るい。南国の空気をいっぱい吸って生きてきたせいであろうか、今までしょって来た苦労の裏返しなのであろうか。また、彼女はたどたどしい日本語で、客と客の間を取り持つのがうまい。よって入ってくる客は片っ端からすぐに友人になり、山ちゃん、重さんなどと呼び始める。電車で1時間かけて来る客、毎日通ってくる客も多い。これはママがブランド化されているということなのであろう。
ママさんが、人がたくさん集まって楽しく飲んでくれる店を作りたいと夢見て作ったこの店は、商品(料理)品質はあまり良くない、通常考えるサービス品質も良くない、酒類は普通の立ち飲み屋価格、という普通の居酒屋であれば一か月でつぶれてしまうような店でありながら、彼女流の「おもてなし品質」がずば抜けて高いということが来る客に大いなる幸せをもたらし、人がまた人を呼び込んでくれるという自然発生的な伝達力によるハロー効果が、素晴らしい集客力を実現しているのである。
ここから帰宅するのに電車30分でかかると言う一見の客(はー君)が2時間も立ちっぱなしで飲んだうえ「こんなに楽しくゆるい店は初めてだ、明日も来たい」と言って帰って行った。
こんな様子を見ていると、やはりブランドづくりには人と人が直接触れ合って形成される「絆」が一番肝心なのだということが見えてくる。
どんなに品質が良い、どんなにサービス力が高いと思っても人の心に響かなければ、何も伝わらないし、何の意味もなさない。
そういう意味では、インターネットの普及が関係しているのか、最近、本当の意味でのプロの営業マン、接客係が減ってきたような気がする。

 

■ 片平さんのブランド論は、過去20年近く聞き続けているので、今回使った材料も慣れ親しんだもの、即ち定番のエピソードが大半でしたが、それを毎回手を変え品を変えて新しいレシピの料理にしているところが流石です。 正に定番プラス新しい驚きですね。 今回は「名声の生産と消費」という概念が新鮮に感じられ、中でも「名声は編集・発信しないと消費できない」と「名声の過剰消費は良くない」は心に沁みました。
日本企業の製品やサービスは品質は一流でも発信力が2流・3流なので、名声が作れないのは全く同感ですが、モノを良くする方向が、時として顧客をワクワクさせたり、感動させたりするのではなく、単に同業他社とのスペック競争だったり、作り手の自己満足だったりする場合があるので、やはり「夢の共有」を常に心がける必要があるのでしょうね。

 

■ 今回 「日本のブランド人どう育つか?」=ブランドの根源は喜びの源泉、よいモノ・夢の発信、名声の生産と発信
これらは、このテーマの考察のスタートと考えます。
意見ですが、日本に根付いた地場産業の場合その原点は
不変でしょうが、自動車のような海外進出・特産モデルの開発
形態の場合、「MADE In JAPAN」からの脱却とあわせてモノとしてのGLOBAL BRANDの確立を目指すと考えます。
欧州発の地場に近い基幹モデルを抱える(=産地証明有り)
モノと異なる新たな価値の自ら作り出すことになります。
またソフト・サービスの分野でもブランド化は検討対象で
これも日本発、現地対応のコトのブランド創りとなります。
合わせて過去に驕ることなく本当の価値の見極めも自省しなければなりません。今期 現在今後の我々の価値とそれをどう伝えるか勉強させてください。

 

■ 毎年、革新と改善を目指す講師の姿に学ぶところが多かった。