■ ユネスコでの活動開始からの4年間が大変だったとのお話、大変興味深く拝聴しました。
海外での日本のブランド力は、残念ながら低下の傾向にあることは意識しています。その中で日本という看板の下でリーダーシップを取ることの難しさを考えさせられます。
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リーダーシップの醸成にはリベラルアーツが不可欠との議論、身につまされる思いです。
■ グローバルで活躍する10か条はとても明確で、納得できた。
が、松浦氏が世界でもトップのグローバル人材なだけに、語学力と勇気と経験、どこから私は入れるだろうか、と考えた。
このような刺激的なセミナーを受講することができ、大変勉強になった。
■ 国際社会のなかでどのような国として見られたいのかということは自分の国の文化・精神性を深く理解しなければでてこないと思いました。そのためには、古典や歴史や文化についての本や多くのものに触れなければ、理解することが難しいのでビジネス本だけではなく教養としての本を読みたいと思いました。
日本のいいところで、チームプレーがうまく、モラルが高い人が多いというお話がありました。
確かに、そうである一方、松浦さんが生きてこられた時代よりも「自己愛」が強い人が多い印象を受けます。
もちろん、自分の意思を持つこと・理路整然と主張することは必要です。生きている時代背景も全く異なりますし、親や先生が子に求めているものさえも違っているのでしょう。
しかし、例えば言葉の端々に「国のため」「社会のため」「世界のため」というようなことをおっしゃっていましたが、例えば質問していた大学生のように「自分が~」「自分の~」のように基本的には考えている範囲が異なっているのではないかと思います。
「公」が行き過ぎてしまうと危険だとは思いますが、ひとりひとりの日本人が世界の中の日本・日本人というレベルで考え行動することが必要であるのではないかと思います。
そのためには自国を知り、伝える努力とともにほかの文化社会に興味を持って自分から出て行ってアプローチすることが必要ですね。
また、現場主義であるということはとても必要だと改めて思いました。技術によっていくら以前よりも意思疎通ができるからといっても、facetofaceより伝わるコミュニケーションの方法はありません。これは心がけようと思います。
このような普段お話を聴く機会がない、国際機関で活躍された方との場を設けて頂き、本当にありがとうございました。
■ ブランド”フォーラムという感じではなかったけど、十分以上に納得できる講演でした。国際政治の舞台で戦う人って、やっぱすごいですよね、見た目は穏やかなのに不思議なほど迫力がある。
グローバル人材の必要性は痛いほど分かります。でもやっぱり、挑戦も苦労もしなくたって生きていける現代、世界に飛び出していく動機付けの有り様が、どうしても気になる。ちょうど今日の日経朝刊に「英語は楽しいけど海外にへ行きたくない」小中学生が多いと載ってた(涙)。何も無い戦後だから戦って今の日本を創ってくれた松浦さん世代。お陰様で何もかも有り余って、何もしなくても食える我々世代。餓えさせちまうのが、一番手っ取り早い動機付けになるんだろうけど。
若者のことを言えません。「リーダーを目指すにはもっと厳しい」と言われてしまうと、わざわざ上に立たなくても現状で全然いいや、って思ってしまう小職です。情けないけど、ホンネ。
■ 流石に、190を超える利害や文化・習慣の異なる参加国を、10年間もリーダーとして束ねられた方だけに、“グローバルに活躍する”とはこういう事なんだ、と納得しました。 松浦さんは、同じく10年間もUNHCRのトップを務められた緒方貞子さんとイメージがダブる部分もありますが、緒方さんのカリスマ的なトップダウン型リーダーシップに対して、日本的なチームワーク型リーダーだったとお見受けしました。 だからこそ、退任された今でも当時の部下が慕ってくれるのだと思います。
また、UNESCOでは上から目線の「教育(Education)」ではなく、「生涯学習(Learning)」を標榜している事、「グローバル人材」として、世界の事を考える前に日本人としての自覚を持つ必要がある事など、前回のP&G奥山社長の話ともダブると感じました。
一方、現代の若者(東大生含む)は内向きで、グローバルに活躍しようという気概に欠けると、私も認識していましたが、終了後に話を聞いてみると、必ずしもそうではないようで、安心しました。 やはり、明治維新や終戦直後と違って、豊かで飽食の時代に当時と同じハングリー精神を求めるのは無理でしょうが、スポーツや文化面での最近の若者の世界レベルの活躍を見ると、新しい形のモチベーションが生まれているのかも知れません。 国家の為というより自己実現(I・愛)? “UNESCO SCO SCO LOVE CHUNYU”←失礼しました!
■ 松浦氏の講演を拝聴し「アメリカを知っていればグローバル」というわけではない、というコメントが非常に印象的だった。この言葉をきっかけに「どのようなマインドセットを持ってグローバル化する社会を生きればよいか」について私なりに考えてみた。
私は、グローバル化する社会に置いて、各国に視野を拡げて、その国それぞれのよいところを吸収し、自身を成長させていくマインドセットが重要ではないかと考えている。「グローバルスタンダードはアメリカだ」というように、一国に執着することには大きなリスクが伴うと思う。
まず第一に、アメリカといえど、長所・短所があるので、いつでもアメリカをスタンダードに据えると、その短所をスタンダードとしてしまう危険がある。例えば、外資系金融に代表されるアメリカ的経営は合理的な一面もあるが、それを日本企業に当てはめようとすると、和を貴ぶ日本人らしさを潰してしまうケースもあるのではないか。
第二に「グローバルスタンダードはアメリカだ」と決めつけてしまうと、アメリカ以外の国に目を向けることを忘れてしまい、その長所を見落としてしまう可能性があるのではないかと思う。大学院時代、入学から卒業までインド人留学生と同じ研究チームに身を置いていたが、彼らの「結果に執着する姿勢」は他国と比べても群を抜いているのではないかと感じた。このように、インドにはインドのよいところがある。
松浦氏の講演は自分なりにグローバル化する社会について考える機会となった。この機会に感謝したい。
■ いつの頃からか、日本の若者が留学や海外勤務を希望しなくなった理由はどこにあるのかと以前から漠然と考えていました。
日本の居心地が良いから、就職活動の前倒しと長期化から、学ぶべき情報はインターネットで入手可能だから、リアルなコミュニケーションが苦手だから、将来に右肩上がりの展望が描けないから、獲得意欲より喪失不安が大きい草食系だから、欧米文化が日本のそれに比して魅力的に映らないから、少子高齢化で一人っ子が多く親が手放したがらないから…
いずれも然りとは思いますが、いずれも「守りの理由」でしかありません。「攻めの理由」として、「かっこいい大人」が身近にいないからではないかと思い至りました。松浦さんのような、緒方さんのような、桁違いにかっこいい大人にもっとスポットライトが当たっても良いように思います。そして我が身を振り返り、海外との接点が少なくなかったのに、後輩や親戚に「苦労ばかり多くて」「日本の良さを実感した」などと自虐気味に説明していたことにも思い至りました。
かつて英語教師を目指していた学生時代、「お勉強としての英語は苦痛かもしれないが、英語はそもそもコミュニケーションの手段であり、それによって得られるものは『かっこいい』」と子供たちをモチベートしようとしていたことを思い出しました。
同様にリーダーを目指す若者の減少にも同様の危惧を感じます。リーダーはかっこいいものだ、という訳には行きませんが、得るものの大きさ、自身の手で動かすものの大きさに比例するのは、苦労より喜びだなど、もっと大人たちがアピールしていかなければいけないと感じました。
■ 193カ国をまとめていくご苦労やそれから得られたグローバル人材になるためのヒントなどご講演自体はよかったと思う。
ただ、日本が文化の側面で世界に対してどのようなアピールをしていくことができるか、伝統芸能や日本人のモラルなどすでに指摘されていることだけではない、斬新な視点からの示唆をいただけたらさらによかった。長く海外にいらして、しかも「文化」という側面でのお仕事をされていたからこそ見えることがあったのではないかと思う。
つまり、日本ブランド可能性、たとえばもっと世界からの観光客を呼ぶ、あるいは日本のモノづくりと日本的価値を結びつけることでマーケットを確立する可能性などについてお聞きしたかった。
■ グローバル化 とは 何か、松浦さんからの問い掛けです。世界に出ること(特に若い人)、相手と相手の国を理解すること、そのためにまず日本人としての自覚を持ち日本のことを理解すること、その上で自分の考えをもって議論を戦わせること、議論することが言語の原点、故に言語学べ。と、ここまでは一般論としてよく耳にすることです。この表層をなぞるだけでは既知のバイアス(そんなことは前からわかっていたよ症候群)から抜け出ることはできません。外交官40年ユネスコ10年。190を超える加盟国をまとめてこられた松浦さんならではの経験が重みと深みを与え、やはりそこに鉱脈があることを示唆しているのです。深く魂で考えよ。松浦さんのお話は教えてくれます。一国の代表でも国家元首でも、人に変わりなし。最後は人と人なのだと。人と人とが地域・人種・国・地位・貧富・・・すべてを越えて理解しあえるために何が大切か。本当に偉い人は自ら現場の地平に赴き、膝を付き、同じ目線で、時には手を取り、涙し、耳を傾ける理由がそこにあるのです。もう少し早く気が付けばよかったとサビついたノーみそで考えた2時間でした。
■ 今回の講演は、日常の仕事、生活での、多くの「気づき」を感じさせて頂いたと思います。自分の仕事でも、20代攻略が課題のケースが多く、「このままではいけない」意識の低さが起因している事、言われて見れば当然なのですが、課題解決の際、この視点にウエイトが置かれていない事に「気づき」ました。
また、海外と国内の「指導と学習、競争」の構図にも気づきが有りました。昨今、海外の指導者が「日本のチームワーク」を褒めていますが、察すると、「海外の競争原理」だけでは事が進まず、
チームワークをプラスすることを、奨励しているように捉えられました。書生術として、是非身に着けたいと感じたポイントが2つ有りました。①「分からない事」を質問する、②日常の「3つ処理」、自分で処理する重要課題、アイデア提供を求める中間の問題、事務的な処理。この辺りは、社会人として基本中の基本ですが、分かっていても体得していない、反省するのみです。
今回の講演に、「生涯学習の素晴らしさ」を感じた事が、最大の収穫でした。
ありがとうございました。
■ ひとつ自分のある分析が誤っていることに気付いた。
ここしばらく日本の若者が海外に出たがらないのは、日本での居心地のよさに慣れ過ぎ、またリスクを取りたくない気分が蔓延してしまった結果だと思っていた。
確かにそれも理由に含まれるかも知れないが、もっと大きな理由は、外に出たときの日本に対する無関心さに耐えられない、日本人としてのプライドの喪失と云った精神的な坂道を下る思いを避ける心理が、内向きへと加速させたと云うことだ。バブル崩壊前は、「ジャパンブランド」がキラキラしていた時代で、それとシンクロするように日本人は外に出て行った。「ジャパンブランド」がモテたのと同じように、日本人も(錯覚を含め)モテた。つまり日本に対して海外からの関心が高く、日本に学びたい、日本人と知り合いたい(人脈を作りたい)という現象があった。今はすっかり、そのポジションは中国や韓国などに関心の対象が移ってしまった。
一方で、日本のグローバル化にと云う話は、どうしてもヒトとモトが外国に出ること、企業の海外進出や留学と云ったことばかりに目が向く。しかし、真のグローバル化は内国をグローバルにすることだ。つまり、海外から人を呼び込み、学校で、職場で、地域でその比率を上げ、コミュニケーションを増やして行かない限りは、自己満足的なグローバル化に留まってしまう。例えば、いまの日銀総裁を財務省VS日銀だと云って決める次元ではなく、サマーズ元財務長官やGSのCEO出身者のどちらにするか議論する次元にまでいかないとグローバルでは通じない。(ちなみにイギリスの中央銀行総裁はGS⇒カナダ中銀総裁出身者)。
また、海外の人に実際に日本の姿を見てもらい、よく理解してもらい、すばらしさを体感してもらうことで、落ち込んでしまった日本のプレゼンスを適切なレベルまでより戻してくれるだろう。
■ *参加に当たって
元ユネスコ(国際連合教育科学文化機関、
United Nations Educational, Scientific and Cultural Organization U.N.E.S.C.O.)
事務局長 松浦さん の実体験からの知見を通し、
グローバル人材の有り方を探る
聴講結果
*自分と日本をどうあらねば成らないか?どうしたいが明確
*人を作るのは高質な教育
*本部がありルールメイキングは文化についてはやはり欧州
*欧州でのアジアとの距離感と日本での欧州の影響力低下がある
*これからはアジアも重要
得たものと考察・展開
*コミュニケーションの軸は本人の専門性
*コミュニケーションの手段は2か国語以上の語学力
*群れない個は必要
*人育ては世代も考え重要
感想
*戦後の復興、勃興期の代表のような方
*迷いが少なく目的達成型
*良い悪いは別として「食うに困らない現在の人とは世界が違う」
最後に長い実務経験からくる実感溢れる話、資料無で立った
話されるパワーに敬服いたしました。
■ 「外に出ろ!外に出ろ!」と言っても、なかなか出ない今の日本人は、外に出て「戦う理由」がない。と、客観的に分析していた松浦さんに、奥行きの深さを感じました。
松浦さんご自身も、外に出た理由は「日本はこのままじゃ行かん!」という「内向き」な動機で、その手段が外だっただけの話なのだ。
松浦さん:「外に出る」経験の尊さを知っている
金の卵達:「外に出る」手段の目的が分からない
この齟齬をなくすには、 会社の業務で、とにかく外に行く機会を作る体験するしかない。または、オリンピック同様、ユネスコの様な外と渡り合える機会を日本に作る。この二つしかないと再認識させていただきました。ありがとうございます。
内向きな「結果」は、外に出る動機を作っていない「原因」による。”,”奥山さんのppt抜粋、ありがとうございます。同世代のロールモデルとして、大変刺激になります。
■ ●たいへん理解しやすい話でした。前大戦以後の日本をめぐる外部環境を見てきた松浦さんからは、「大きな曲がり角」で右往左往する人々の姿が、本当にハッキリ見えるのでしょう。その上で、「現象にとらわれるだけでなく、何が次の本質なのか?ちゃんと考えろ!!!」と言われたように、私は理解しました。
●ご自身はとてもチャーミングな部分をお持ちですが、徹底した現場主義を貫き、そこでは必要なことを発言されて、図々しいところもあるのかもしれません。でも外交官としては当然の姿でしょうか?「言葉だけではなくて成果で示す」はどんな場面でもリーダーに求められることと、自覚します。
●高校の先生のお名前やその授業内容が出てくる。本当に考え抜いた時期があったのでしょう。私にもそんな記憶と行動の規範、あります。