参加者の声 唐池恒二氏

第3回「まちづくりには氣が大事」
唐池恒二 (九州旅客鉄道㈱ 代表取締役社長)

■唐池さんは今まで「講演は受けない」との事でしたが、とんでもなくお話が上手で、正に「氣の利いた」話でした。
内容的には本に書かれた事がベースでしたが、フェースtoフェースだけに、より生々しくリアルに伝わるものがありました。
個人的には、「氣づきの3原則」、「氣を集める4原則」だけでなく、誠実な対応として「手間を惜しまない」、即ちコストダウンや効率化を図って見えないところで手を抜いても客はすぐ見抜いて反応する、とのくだりが特に印象に残りました。

■家内の実家が大分ということもあり、JR九州さまには良くお世話になっていました。
リレーつばめ(当時)、ゆふいんの森、ハウステンボス、ソニック(青、白)…
博多駅に入線してくる特急列車の外観の一つ一つの「我の強さ」(失礼)は、他の地域のどこにもないものであり、一種のカルチャーショックですらありました。

昨日、唐池社長のお話を伺い、人となりに触れ、全てが腑に落ちました。
なるほど、これだけ体の奥底から「氣」が湧き上がってくる方の会社であれば、その発露も自然と「氣」が満ち溢れるものになるのだ、ヘンに統一感を優先させるのではなく、作りたいものとストレートを作ることに何の躊躇もないのだ、と。

誤解を恐れずに言えば、昨日のお話には、斬新な理論、知見、着眼点があったわけではないように思います。
しかし、我々が「当たり前」と思っている商売の基本、人と接する基本を、実際にはいかに実行できていないかということを痛感させられるのには余りある中身でした。

冒頭の“クレーム対応”の話、
棚倉営業所の話、
“はやとの風”の島津義弘の話、
いずれも、「逃げない」「すぐに対応する」といったところで共通していると感じました。

小生も、氣を練りながら日々の課題に正面から向かい合うことと致します。

■事前に本を読んでいたため、内容でかなり重複があったが、実際にご本人から聞くことでやる気や元気を頂けた。
また、事前に本を読んでおくことで講演が復習となり、講演中は講演内容を自分にあてはめて考える余裕ができた。

■・やはり「成功体験」は重要だと改めて感じた。経験に裏付けられた自信が感じられた。
・「99%は社長が決める」とおっしゃっていたが、後継者育成をどのように考えているのか?聞きたかった。今の成功は、ある意味「唐池ブランド」で成り立っているとも言え、次の時代をどう生抜いていくかが課題だと感じた。

■ここまでフランクで、笑いとユーモアの演目、貴重な場であったと思います。最近のMTKで忘れられている、人と人の、肌身のコミュニケーションが重要である事を痛切に感じました。ITなど技術の前に、人間がいて、そこが商いの根幹にある事、偉そうに立派な企画を組上げても、お客さんに「そっぽ向かれたら」後の祭り、目からうろこでした。いろいろな感想は有りますが、2点ほど。
①「怒り」の収束方法と、氣を満たす4つのポイント唐池社長は「汽車の旅」が嫌いだから、俺が選ぶ旅を作ろう
推察ですが、真逆を両方理解した上で、物事を判断し、そう発想する事で、選択肢が増え、リスク回避の構造を作っているように感じます。
②「氣」を満たす4つのポイント
講演を聞いている時は、それ程「応用」範囲を想起出来なかったのですが、柔道のケガの例を聞き、一考してみると、仕事、生活、趣味、すべてに当てはまる、「凄い極意」ではないかと感じました。一流の役者、スポーツ選手を当てはまると、ぴったり合致します。
最後に、どんなに硬直した大企業であっても、変化を導ける事を、唐池社長自らの、使命に満ちた行動が、立証している姿に感銘を受けました。ありがとうございます。

■今回も「課題図書」があり、前回タッチの差で貰い損ねたため(笑)自費で購入、読後の感想、「あまり面白くない」が正直な感想でした。ご自身もあとがきでそうではないと仰られていましたが、全部自分がやったかのような自慢話に終始しているような印象でした。自慢できるようなコトモノはどうしたら成せるのか?そこをお伺いしたいとの想いを胸に受講に望みました。
「直接お会いすれば必ず解決する。」直接対面の効果! 冒頭のめっちゃおもろい話でつかみはOK!
落語の枕のようにみえて実は鉄道や飛行機やクルマ、すべてのモビリティーに共通して言える本質であり方向性であると思うのです。人間の本能は実際に出会うこと。DNAレベルでは同化すること、とすれば人との出会いはなくならない。そこに移動が生まれます。
九州全体をテーマパークになぞらえ、まず鉄道に乗ることを楽しんでもらう。
実際の移動が活性化することで地域も活性化する。店員さんが絶えず空気を動かしているお店に気が宿るように。
鉄道に乗ったまま地域に降りなければ活性化しない⇒福岡駅ビルや大分駅ビルの整備。
何処そこに行った、から、誰と会ったか、出会ったか、へ
電信柱がない美しい町並み(ハード)とともに、なによりあいさつ(ソフト)がある飫肥のまちの人たちとの出会い。
新たな出会い、ドラマを通して、それらの集大成である“新たな人生にめぐり逢う、旅”を提案されている、全方位抜かり無しの計らいに感服いたしました。
そして冒頭の疑問「どうやってそれを実現するか?」は「氣」をもって事に当たるということなのですね。
氣を集めるには、動くこと、明るく大きな声、緊張感、貪欲さ、
お客様の、存在に気付け、行動に気付け、こころに気付け。
嵐のとき高波に対して船首を真正面に向ければ転覆しないで乗り越えることが出来る。
課題図書のグラフによれば鉄道事業はずっと横ばいです。
一方でクルマは、地方都市の「シャッター通り商店街」や赤字路線の廃線の遠因を作って来ました。
鉄道や航空など公共交通機関は、駅や空港まで出向かないと行けない、「ラスト1マイル」の問題があります。一方でクルマは「Door to Door」の利便性を謳い、(自らインフラを作ることなく)移動の喜び、行動の自由を喧伝してきました。しかしながらそのクルマも今、道中の渋滞や個人の負担する維持費の重さから、輝きを失いつつあります。
人が誰かに会うこと、「出会い」を求める限り、それは鉄道もクルマも共通の目的であり、共存共栄できる未来があると思いめぐらす、濃密な、そして楽しい2時間でした。

■ユニークな講演でした。JR九州というよりも唐池さんの考え方を聞いた思いがします。落語や漫談を聴いている如くいつのまにか引き込まれる「氣」にあふれた話しぶりに感銘いたしました。
「2メートル以内に近づけば必ず心は通じる」は物理的な意味だけでなく、とても有効な極意だと思いますが、やはりそれを達成する工夫と行動力が唐池さんのパワーですね。見習わなければ。
もし、九州7県が州であったなら州長にふさわしい方ではないでしょうか。

■貴重な講演ありがとうございました。

唐池さんの著書を読んだ瞬間に、大変力強い人だなと率直に感じました。まあ、リーダーたるものトップたるものこのように発信する必要もあるのだなと思っていましたが、講演を聞いて更にその思いは確信に変わり、また、唐池ワールドに心地よく引き込まれる自分がいました。講演の最後の質問の時にも、100%トップダウンだと仰っていたのが、”やはり”と思いました。ただ、その後に社内の方々も唐池さんと同じような発想をするようになってきたと笑顔で話していた顔がとても印象的でした。
ふと、後任をどなたにするのか、どのように引き継がれるのかが楽しみだなと生意気ながら思ってしまいました。

■まずは唐池社長の「氣」に圧倒されつつ、パワーをいただきました。
「イノベーションはトップダウンが99%、でもだんだん自分の発想についてくる人が出てくる」という発言は、非常に実感する。率先垂範というよりわかりやすい。
あのような画期的な企画を、失礼ですが鈍重なイメージのJRという組織の中で進めてきた実行力、推進力に敬服です。
それから「氣」をだす方法の4つについては、すぐに同僚に共有させていただき、実践させていただきます。誰にでもやる気になればできることばかりですので、とても役に立ちます。

■「すぐさま行動と2m以内での対面」、唐池さんからほとばしる氣に引き込まれた2時間でした。乗ってみたいと思わせる観光列車とそのネーミングの妙に感心し、数々のエピソードには現場にいなければ得られない説得力がありました。氣を満ちさせるのは、明るく元気で絶え間ない動きからだと理解しました。駅ビル事業を例に、自由な発想でお客様のわくわく感を実現する仕組み作りが社員に徐々に浸透してきていると伺い、時計を作るとはこういうことかと感じ入りました。

■まるで講談を聞いているようで、愉快で分かりやすい経営方針、ブランディングのお話をわくわくしながら拝聴しました。まさに、ご自分のマーケティングがそのままJR九州のマーケティングそのものであると感じた次第です。
お話の中心になった「氣」ですが、正しくおっしゃる通り、今、あちこちで、この「氣」が蒸発気味にあり、日本全体がなんとなく閉塞感に包まれています。
今こそ、人心及び、企業が活力を取り戻し、日本を蘇らせるためには、この「氣」を社会にもう一度充填し、さらに、入身と転換の体捌きを用いて、相手の力に逆らわずむしろ逆用し、相手を制することを特徴とする「合氣道」のごとく立ち振舞う、したたかさをもって難題、課題の解決に突き進むことが必要なのではないでしょうか。

最近、一部上場企業のトップマネージメント対象の調査で採用で最も重要視する要件を聞いたところ「コミュニケーション力」がトップだったとか、また先進国の調査でも同じような結果が出たとの記事を見ました。それを読んだ学生たちの中には、自分は皆に溶け合うこと、話をすることは得意だから大丈夫だと言って必要な勉学もおろそかに就職試験を受けに来るけしからん輩がいるとのこと。彼らは、この「コミュニケーション力」には協調性のみならず、伝達力、説得力、リーダーシップ、など仕事を遂行するための様々の要素が包含されているという事を理解しておらず短絡的に捉えているに違いありません。
とは言え、学生ばかりを笑ってばかりもいられません。政治家、経営者など、大の大人が問題の先送り、臭いものには蓋、リスクヘッジもせずに猪突猛進……正しくコミュニケーション不足、こんなことばかりやっているから世の中、おかしなことになっているのではないでしょうか。
唐池社長のように秀でたコミュニケーション力で「氣」を吹き込みつつ、地に着いたコンセプトワークと進取の気性で事業推進していくことで明るい未来が開けるに違いありません。

■本(課題図書)そのままに、パワーのある方ですね!ついインフラ産業とのみ捉えてしまいがちな鉄道事業のコンセプトを、根底からくつがえしてくれる素晴らしいお話でした。JR九州というより、九州株式会社の社長という自覚をひしひしと感じました。かつて我が出身地界隈の自治体が神戸市株式会社を自認していた時期がありましたが、当時の事業は山を削って宅地に換えて、その土地で海を埋め立てて工場を誘致するという、まさにインフラ整備&工業化。今、九州では「お客様をわくわくさせる仕事」。時代のうつろいを感じます。
河野さんもそうだったけど、やっぱり「森」だし「氣」なんですね、その正体は何なのでしょうか。なんとなくハイパーソニックにヒントが隠れている気がするけど。

■気を満ちあふれさせるには、4つの事がある。「動き」「明るく元気な声」「緊張感」「貪欲さ」非常に納得感のあるお話でした。自分が塞ぎ込んだりした時は、この全てがなくなっており、やる気に満ち溢れる時にはこのすべてが充実していると思います。
また唐池社長の考えが、下に伝わり、同じ様な考え方になって行くという部分も興味深かったです。おそらく社員は社長が好きなんだな~という事を強く感じました。仕事は真面目に、楽しく、前向きに!
再度、そんな事を考えた講演でした。
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■今回も一流の経営者のご講演を拝聴させて頂ける機会を頂けた事ありがたく存じます。今回は特に「氣」に満ちた充実した時間でした。個人的に家族旅行で「ゆふいんの森号」に乗車した際に感じた満足度が高く、そう感じせしめたキーポイントとしてのスタッフ(乗務員の皆様)の皆様のホスピタリティの高さと唐池社長のマネジメントのつながりにとても興味がありましたが、「この方がいらしたからなんだ」ととても腹落ち致しました。
今日的な成功の事例として駅ビルを中心とした街づくりや「駅中」の価値化戦略は良く耳にしますが、駅外の外食ビジネスを成功に導かれた経験(半端じゃなく大変だったはずです)そのものが「おもてなしの心/ホスピタリティ」直接的に関係しているのではないかと感じ入った次第です。

■次々と精力的にはたらきかけを続けるダイナミズムこそが「氣」を生むのだと痛感します。
「清水も動かなければ腐る」と、先人の言葉にあります。これは、いわばネガティブな側面にフォーカスし、戒めを含んだ表現ですが、今の時代はよりポジティブにはたらきかけることが重要となっていると思います。

唐池氏について。
デザインに対する意識の高さに感銘を受けました。
正直、先進性や未来を感じる、いわゆる「クール」な新しさではなく、やや媚びたベタなグッドデザインを好まれる志向を強く感じます。が、そこが絶妙に「売れる」サービスを生み出す秘訣なのだと理解の上なのだと思います。
自らの意識と言葉でデザインを語られる姿は、日本の多くの経営者に持ってもらいたいものだと考えます。

■「あいさつの大切さ。」
これは弊社のブランド戦略でも度々話題に出ることで、その説得力ある実例をお話くださったのは、確信を与えてくれるものでした。色々なものがIT化していく中で、人と人とのコミュニケーションの希薄化も進んでおり、やはり習慣や文化として直接コミュニケーションの大切さを浸透させていく活動は重要だと感じました。
J社のサービスの件は、J社が象徴なだけであって、社会全体の風潮にも言えたことだと思います。大量生産大量消費の高度経済成長期ではあくまで価値を与えるのは企業側で、顧客側は選択肢もなくそれを受け入れるだけだったと思います。マスからパーソナルのコミュニケーションが重要視されていく中で、J社も変わってきたと思いますし、僕はいつも利用しますが、特にそういう印象は感じませんでした。
また、質問できなかったのですが、トップダウンの会社ほど、トップの頭の中では常に「後継者をどうするか?」ということを考えていると聞いたことがあります。唐池さんの中ではどうなのか、きになるところでした。

■強固なブランドを作っていく際、強力なリーダーシップが必要なのだという事を強く再認識出来ました。
また、関係各者を巻き込む事のやり方として、非常に古典的な「対面」というツールが有効だということも再認識できたので、メールや電話会議が横行している社内のコミュニケーションもやり方も変えていこうと思いました。

■業界・業種問わずどこの世界でも関係する普遍的な内容でした。
可能でしたら、第2弾も企画していただけると嬉しいです。

■「氣」が大事というお考えの背景が、具体的事例を交えたお話を通じてとてもよく理解できました。「氣」が満ちている結果としての状態もすんなりと同意できますし、「氣」が満ちていないと人を惹きつけることはできないな、という点も同感です。

JR九州が次々と繰り出す様々な事業、車両、旅行の企画などは、99%トップダウンということでありましたが、世の中の企業は必ずしもそうではないです。アイデアを出せば「本当か?」「何人の客がそれを望んでいるんだ?」と合理性を追求されてしまい、「氣」が萎えてしまうことも往々にしてあるのではないか、と思われます。そのような場合、「氣」だけではどうしても突破できない場合、どのように「氣」のレベルを維持すべきなのか、などももう少しお話を拝聴したかったと思います。

また、「まちづくり」という視点からは、JR九州内部はまだしも、如何に外部の方々を「氣」が満ちている状態にするかという点にチャレンジがあるのではないか、と思います。Face-to-faceの重要性もあると思いますが、その他のコツやポイントなど、ご苦労話があると思いますので、事例を基にさらにお聞きしたいと思いました。

■唐池さんの氣に当てられまくった2時間でした。お話のコンテンツのおもしろさもさることながら、あの語り口とお人柄は誰にも真似できませんね。
JR九州には、全てにおいて九州独自の資産(浦島太郎の舞台となった指宿など)からインスピレーションを得た魅力的なストーリー(コト)がまず最初にあり、それを第一級のモノ(水戸岡さんによってデザインされた車両)が具現化することで至高の体験が創出されているように感じられる。だからこそ、明確な差別ཟが可能であり、時代を超えて生きるアイデアとなっている。
鉄道を「移送手段」というカテゴリーでとらえると、どうしても利便性や速度、コストといった側面に目が行きがちで、デザインするときも「電車としてどうか」という判断基準になってしまう。しかし、唐池さんがされていることは、鉄道というものをもっと大きなカテゴリー、「豊かな心を育てる体験」として捉え、ベンチマークを他の電車ではなく「飫肥の街」であったり「一流ホテルのおもてなし」とすることでこれまでにない新たな感動を創出しているように思われる。
時間が押していたので聞きそびれてしまったが、JR九州は鉄道を大きく越えて多彩な事業領域でビジネスを伸張しているが、新領域に展開するときに、これは「あり」、これは「なし」をどういう基準で判断しているのだろうか。

■他の鉄道会社もそうですが、本業の鉄道事業の収入割合がどんどん下がり、他事業の展開されれ傾向にあろうかと感じてる。
JR九州が九州を元気にするリーダーシップをとっているように思えた。
氣を上手く使って大きくし、更にお客様をワクワクさせる遊び心が集客に大きく影響しているのだろうと感じた。

■唐池さんの冒頭の九州と福島の難しいお客さまのエピソードで伝えたかったは、困難な問題から逃げない姿勢、そしてどんなお客さまにも諦めずに誠意を持って応対することの大切さだと思いました。そしてその唐池さんの仕事に対するスタイルの原点は何かと想像したとき、大学まで選手として活躍してきた柔道にあるのではと勝手に想像しました。柔道は生身の体だけで相手と対峙し、どんな猛者と対戦することになっても立ち向かっていかなくてはなりません。それはときに恐怖心を伴い、命がけの戦いになることも覚悟しなくてはならない、本当に厳しい「道」です。その経験が彼の強さの源泉のように思えたのです。

また、お話にはありませんでしたが、民営化に際しJR九州に配属されたときの気持ちはどうだったのでしょうか?本州三社はドル箱の新幹線や首都圏、関西圏の安定的な高収入を見込める路線を持っているのに対し、他の三社は黒字は無理だと云われた会社です。順風とはかけ離れた、どちらかと云うとイバラの会社人生ではないかと思うのです。

そんな唐池さんの九州全体の国づくりを担う、まるで株式会社九州のようなお仕事を聞き、ある種の突き抜けた感を感じました。他のJR各社では見られないユニークな電車、九州一のマンション販売、大型駅ビルによる街の再生。地方の衰退は本当に危機的状況ですが、JR九州を核として、ますます「氣」が循環
すれば、さらに九州は魅力的な地域になると思います。

また、聞くところによると今年度は民営化以来、初めて鉄道事業が黒字化、その先に上場を目指しているそうです。目が離せない、いま勢いを感じる会社ですね。

■唐池さんの、まさに「氣」に満ちたパワーに圧倒された2時間でした!
今回のMBFのシリーズ(と言って、外部講師は未だ2回ですが・・・)は、ともに、モノゴトの価値にとは何かについて触れられているように感じます。

河野さんの場合は、「メーカーが顧客に届けるものは、“モノ”ではなく、“モノ”を通じた“価値(=Life・幸せ)”であることを、広告投入の意味を通じて改めて教えてくださいましたし、今回の唐池さんのお話も、「鉄道会社が提供するものとは何か?」について、大きな示唆を与えてくださいました。

「鉄道会社が提供するものとは何か?」 ・・・ この問いに対する答えとして、「人を運ぶこと」と単純に答える人は最早いないと思います。 では何か? それは、「まちの大動脈として、まちが円滑に機能するように、まちに血(人・モノ)を送ること」なのではないかと思います。唐池さんは、そのことを明確に理解し、具体的な”答え“を出していられると感じました。
鉄道会社の提供するものが、「まちの大動脈として、まちが円滑に機能するように、まちに血(人・モノ)を送ること」だとしても、その具体的な実現の仕方は(その置かれている環境によって)異なると思います。
例えば、もしこれが、多くの人が予定通りに移動することを何より欲する首都圏の鉄道会社であれば、多くの人が予定通りに移動できるように「定時運行・効率的なダイヤ」を実現することが実現すべき課題であり価値となるかもしれません。
では、九州は? 輸送量が本州に比べ圧倒的に異なる“九州地区のまちつくり”とは、(地元の人々の日常での利便性は当然のこととして)買い物・観光といったキーワードで、九州内の人々の異動を促し、本州他から人を呼び込むこと、と、唐池さんは考えられているように感じました。そして、何より大切なのは、それを具体的な形で具現化していること。まさに、ブランド(=価値)創りを実践されていること、だと思います。
JRグループということで、東日本や西日本と同じように経営することは(むしろ)プレッシャーが少ないと思います。それに対して、異なることをすること(究極の目的は同じでも、置かれている環境が違うので、その具体的な行動が異なるのは当たり前のことですが)は、勇気の要ることだと思います。
それに対して、自分の信念に基づき、果たすべき価値の実現に向けて果敢にチャレンジされている姿そのものが、まさに「ブランドづくり」そのものだと感じました。

■最初から最後までエネルギーに満ち溢れる唐池さんのお話、引き込まれるように拝聴しました。
気づきの三原則…「存在」「行動」「心(気持ち)」に気付くという言葉にふむふむとうなずき、さまざまな鉄道のネーミングや内装に隠されたエピソードに魅了され、あっという間に時間が過ぎていきました。
なかでも「鉄道が嫌い」というお話は面白かったです。
「嫌いな自分でも乗りたくなるような鉄道は何か」…聞けば当たり前のようなことですが、そのような発想で、好きでもないものに対して積極的に取り組むことは、言葉で言うほどたやすいことではないように思います。高いモチベーションを保ち、なによりも実に楽しそうに仕事をしていらっしゃるように見受けられたことが印象的。お話を伺っていて、思わず九州を巡る鉄道の旅をしてみたい気持ちになりましたね。
どんなジャンルであれ、ビジネスで相手となるのは“人”ですから、自分自身に高いモチベーションとエネルギーを発信する力がなければ、他社を引き寄せることはできませんよね。そんなことを改めて感じた2時間でした。
貴重なお話をお伺いする機会をいただき、ありがとうございました。

■JR九州のビジネスの本質は、九州と云うテーマパークの企画・運営だ。九州と云う舞台装置を使って物語を生み出し、非日常の空間の中でひとの心を動かす。テーマパークと云うと違和感があるかもしれないが、JR九州のビジネスに対するスタンスは、ディズニーランドの行動指針「SCSE」と極めて類似していることに気がつく。

電車を利用する多くは人に会うためだが、JR九州は物語に出逢うために電車に乗る価値を気付かせた。JR九州を媒介として、人が動き、紡ぎだされる物語によって九州を好きになってもらう。元々の観光資源だけに頼るのではなく、目的地に辿り着くまでの演出によって、より一層の価値を伝える手法は見事だ。

もうひとつ、何かをブレイクするような、突き抜けたすばらし仕事は勇気ある依頼、強い信頼関係から生まれるか云うこと。ヒノキや金箔を贅沢に使った車両は、製作コストを考えたら路線だけでは採算が合うはずがなく、実現することは一般的にはあり得ない。水戸岡さんの斬新で、人々を魅了するようなデザインは、依頼主の勇気や覚悟に、よいものを創って応えようとした結果だと思う。その点に於いてのJR九州の突破力のすごさを感じた。
“,”前回に引き続き、今講演も2回目のコメントです。ホンダの水野さんのfacebookのコメントに刺激を受け、いろいろ考えさせられ、ちょっとまとめてみました。

前回の河野さんといい、唐池さんと云い、余韻を楽しめる?深く考えさせられる内容です。