参加者の声 高島宏平氏

第6回 「 ライフ・イズ・ベジタブル 」
高島宏平 (オイシックス株式会社 社長) 

 

■「ネット通販」というと、業態として非常にスマートな印象を持っていたが、ネットは単なる「売るための場所」であり、商品を売るためには、ある意味泥臭い営業活動を繰り返しての成果なんだと感じました。
現在はネット通販人口が拡大しての業績拡大かと思いますが、5-10年後にこれが頭打ちになったときに、競合(生協宅配、大手GMS)とどう差別化するのか、非常に興味があります。

■まだ著書を読んでいない事もあり、ビジネスモデルを完全に理解できていませんが、高島さんの起業の動機や「食品の宅配」に決めた後の企業理念「人の役に立ちたい」と言うより、「人の役に立つ自分たちが好き」は素晴らしいと思いました。
それにしても、起業家・創業者はもっと熱い、右脳的な方だと想像していましたが、意外にクールな方とお見受けしました。 しかしこれは幽体離脱のように自分自身を客観的に眺めることにより、あらゆる困難を乗り越えて来た事を物語っているのかも知れません。
また「テーブル・フォー・ツー」の話を詳しく聞けませんでしたが、クール&スマートに加えて「ウォーム」なハートもお持ちなのですね。

■当たり前のように安心して食べられ、美味しい野菜(食べ物)が一般の家庭に並ぶ社会を実現したい・・・。
とかく机上で考え、それだけで可否を判断しがちな中で、考えつつも、とにかく動き、行動を通じて少しでも近づいて行こうとされている姿が(変?かもしれませんが)新鮮でした。

一般に、コンサルタントの方々の分りやすい論理は、実際に行わない人にとっては分りやすく、時に説得力があるモノです。
ですが、それを現実に具現化しようとした時、実はそうでは動かない、本当にモノゴトを動かしている(理不尽な?)様々なリアルにぶち当たります。
実は、そこからこそが本当のスタートであり、現実に成功された企業は、そこでこそ真の力を発揮されているのだと思います。

自分自身の理解力の無さから「(事業経営の)分りやすい論理?」が見えにくかった分、・腓気鵑呂犬畍羲劼粒Г気鵑龍・ち曚い魎兇犬泙靴拭」
どこかしら“危なっかしさ”(失礼!)を感じつつも、だからこそ、本当の事業のリアリティを感じました。

当たり前のように安心して食べられ、美味しい野菜(食べ物)が一般の家庭に並ぶ社会・・・素晴らしいと思いますし、是非この日本で実現してほしいと思います!
何より、そのために、愉しみながら?前向きに頑張っている日本の若き仲間に、頼もしさと心からのエールを送りたいと思います。

■ブランドについてというより、実践的経営学として非常に参考にななりました。健康に寄与とか社会的にどうのみたいな理想論ではなく、冷徹なまでに現実的に、あらゆる変数に対応したビジネスを貫いておられますね。さすがコンサル出身、プロの経営者として立派だと思いました。,かつて、20単位取得すると「あがり(進級?)」みたいな制度があるとおっしゃってた気がします。当時はありえねーと思ってたんですが、私ひょっとするとぼちぼち届くんじゃないかと。ま、こだわってはいませんが。

■大変恐縮ですが、オイシックスの存在を知りませんでしたし、WEB通販会社にはあまり良いイメージはありませんでした。が、高島さんの講演でそれが一気に払しょくされました。
高島さんの内に秘めた熱い思いと顧客視点の考え方。儲かるからやる、ではなく、お客様に喜んでいただきたいという思いでアクションし、その結果が利益となっている。というところが非常共感できました。今までの世の中よりも良くしたい(before after)という事をさらっと言い放つところも素晴らしいの一言です。
企業理念を行動の基準と考え、迷いなく実行できていると感じました。
ネット販売にも関わらず、現場主義で生産の現場、売りの現場に小まめに出向く行動力や観察力にもマーケッターの「粋」を感じました。
今回の講演でたくさんの元気と勇気をいただきました。ありがとうございました。おためしセット必ず買わせていただきます!

■今回の講演は、残念ながら少し物足りない内容でした。ただ、その理由は分かっていて、冒頭Oixisさんの認知度、利用経験を参加者にヒアリング、 その結果から高島さん曰く「アウェー」の環境で、「そもそもOixisってなんぞや?」に軸足を置いたものになったからです。さすがマッキンゼー出身、分析から最適解を導き出すアプローチでしたが、個人的にはもっともっと突っ込んだ、創業者ならではのドロドロした話が聞きたかったです。

私が注目したのは、「競合分析は基本的にしない」、「顧客分析に力をいれている」とおっしゃられた点です。前者はビジネスモデルとして競合が存在せず、いわゆる「ブルーオーシャン戦略」だからだと思います。後者については、具体的にどのような手法、手段を取っているのかに興味が湧きました。野菜を中心とする生鮮食品は、傷みが速かったり、収穫(生産)の問題で品質管理がそれなりに大変だと思います。当然のことながら工業製品ではないので、品質のバラつきによる顧客満足のブレに対してどう対応しているのかは、とても気になりました。

美味いかどうかは人それぞれで味覚で異なるので、顧客主義、顧客起点と云った顧客の声ばかりに耳を傾けても、それが必ずしも結果に結びつくとは思えず、顧客を観察し、想像することが非常に重要な要素だと思います。ある意味デザイナーが、最後は感性で商品を生み出すところと似ているように思います。しかし、ファッションであればデザイナーが決めればよいですが、Oixisさんの場合、組織としてどのように舵を取っているのか気になります。

■マッキンゼーのコンサルタントご出身で、有機野菜を扱っている人なんてどんな方なんだろうと興味津々で参加させて頂きました。
高島社長の印象は「一筋縄ではいかない方」です。冷静にロジカルに物事を考えていらっしゃるかと思えば、泥臭いこともおっしゃる。
コンサルタント時代はアメリカの成功事例を日本で展開させていたが、自分で事業を興す場合はアメリカの真似はしたくなかったという言葉が印象的でした。
震災復興支援にしても、oisixにしか出来ない支援をされたり、あまり競合他社を気にせず有機野菜をマス市場にしたいなど、当たり前のように「oisixらしさ」を強く意識されていると感じました。
弊社ではすぐに「ベンチマーク」という言葉が出てきます。。。

■前職がコンサルの印象から、正直「難しい話」と言う、先入観がありました。MBF演者から沢山の驚きを得ていますが、今回も、また違う驚き(スイマセン)を頂きました。
沢山ありましたが、一言で言うと「企業理念を含め、論理が分かりやすい」、一番の驚きでした。
MKTに従事していて、一番の難儀は、「分かりやすさ=中学生でも理解できる」です。
前職コンサルとは絶対に感じられない「絶対・分かりやすさ」
こんな言葉は有りませんが、ここに尽きると感じました。
そう感じた内容は、「作った人が自分の子供に食べさせることができる商品(野菜)」、「農家を守る・生産者の論理からお客様の視点」「IT活用利便性を優先した商売から、優れた商品価値を伝える最適な道具IT」「安全は化学的数値、安心はMKT的な気分で安全・安心を解釈」これらは一部でしたが、この発想法は、実践してみようと、印象深かった内容です。
つたない感想ですが、ありがとうございます。”,”いつもご苦労様です。
せっかく同席しているので、もっと活用しては如何ですか?
たまには、片平さんを驚かせるサプライズを期待しています。

■oisix高島宏平社長の講話を聴いて腑に落ちたこと。彼の秀でた、嗅覚、才能、努力、信念、不屈、開運力こそが、現在、群雄割拠する食材デリバリー事業を成功に導いているのであろうと確信した。
かって、食材食品販売事業に不況はこないと言われていたものだが、内需は、まだましと言われつつも,この販売不振、デフレ不況である。つまり、今まで不況を経験したことのない多くの食材食品販売事業社たちは、今日の人口減少、少子高齢化、国民平均収入の落ち込みによる需要の鈍化などを全く予想していなかった。よって不況に対する備えができていない多くの事業者が今、悩み、もがいている。
さらに悪いことに、これからも日本人全体の胃袋はどんどん小さくなっていき、この傾向は、政治による思い切った人口増加政策への転換がない限り続いていくという事である。
唯一この事業で、明るさが見えるのは平均寿命が延びたことによるシルバー世帯、そして放射能汚染、農薬汚染、遺伝子組み換え、杜撰な品質管理による事故などから、より厳しく安全安心を求める子育て世代へ確実な食材食品を届けられる宅配事業であることはほとんどの方は承知のことであろう。よって買い物難民のシルバー世代、安心安全を求める子育て世代を如何に取り込むか、と多くの流通事業社、製販一体事業社などが躍起になって参入を急ぐ現象が顕著化しているわけである。こうなってくるとこのレッドオーシャンの荒海をどうやったらうまく乗り切るかにかかってくる。
しかし、もうすでに中小流通事業社には宅配事業から撤退する動きも出始めた。赤字覚悟で先行投資をし、参入したものの、今までのやり方の延長線では全くコストが合わないからである。
高島社長の講話にもあったように、顧客満足度が高く、なおかつ宅配コストに見合う事業活動フォームを構築しなければこの事業は成立しないからだ。中々ハードルの高い目標である。
高島社長が、紆余曲折があったものの、このハードルを越えてこれたのも、冒頭文にて記した成功要因6項目の中で最も重要なことは「嗅覚」と「信念」であろうと考える。
コストは多少かかるけれど、絶対に安心安全なモノを顧客に提供する。手抜きはしない。
他社に負けない新鮮、美味なモノを提供する。
その価値を理解してもらえた顧客に、いつでも、どこでも、好きなだけお届けするサービスを徹底する。
これららの事業活動によってoisixは顧客にとって本当に頼れる企業になった。
いわゆる食材食品提供事業者にありがちな、安価で、それなりの品質、それなりの味とサービスを提供する事業活動から決別した潔さが成功の肝なのであろう。

最後に、近年、毎年のように、食材食品の安心安全を揺るがす悲しいニュースが流れてくる。
先日も、北海道の漬物メーカーの「浅漬け」の0‐157菌による中毒事件が発生した。7人もの死者、そして多くの感染被害者を出す悲しい結末となった。事業経営効率化という事に目が向いて、ちょっとした手抜きが大事件になった。食品事業では経営の支点が少しずれると、安全安心は単なるお題目になって形骸化しやすくこのような事故につながりやすい。
これら、安易な事業活動をしている食材食品事業社に警鐘を鳴らす意味でも、高島社長のように肝の据わった、ぶれない方に、是非、人一倍頑張って食材食品宅配事業のレッドオーシャンを乗り切って、輝く星になってほしいものだ。

■異業種の起業家の話が聞け大変参考になりました。

意見
* 実業(特定化=専門家)に当たっても幅広い視野、知識が
必要であると感じました。
* 理念はあるべきだが、理念だけでは永続
的な事業運営=成功は かなり難しい。
生産者視点で無く、消費者の視点も考え
繋ぐ仕掛け、内容を考え、実践されている。
* 現在の日本固有の状況の中でも、Netで先行している他国
(US)例を見ておられ、冷静な分析、読みをしている。
今回の内容では、「売り」と「成立性」のバランスを捉えて
企画されている。

まとめ
新たな企画、実施に当たり、広い視野、冷静な考察、
理念形成が必要で、強い意志を持ち素早い実践と成長を
見越した拡張が永続的な価値創造に必要と考えました。
付記
弊社 社内施策の企画、実施に当たり 「成功例」として
活用させて頂きます。

■若くして創業されいてる、高島社長の勢いを感じました。
また、コンサルティングファームご出身というだけあり、理論だててお話をされる姿と、個人的には野菜の宅配を他社のもので6年近く扱っていることもあり、興味深くお話を伺いました。
なかでも、競合を意識せずに独自のやり方でお客様をつかむという姿勢は、ネット広告で各社が出てくるのを毎日見ている者としては、意外でした。
ただ、お話を伺うなかで、今取っている宅配からシフトするか?というと、違いがいまひとつ見えず、今のところで満足しているからいいかな、と思えてしまったことは少し残念です。
もしこれならシフトしてもよい、という強力な違いが見つかりましたら検討させていただきたいと思います。
お忙しいところ、貴重なお話ありがとうございました。

■高島さんのお話、とても楽しかったです。
高島さん、温度を感じさせない熱い人という感じがしました。
若干、誇張されているように感じてしまうのは、シンクタンクにいらっしゃった方が、こだわり農家からの商品購入が困難であることに気づいていないなどということはないような気が・・・。土を食べさせられるかどうかはともかく、それに近い、泥臭い日々は覚悟の上というよりも、むしろ、それをやりたいがための創業のように感じられました。

ご講演の中でも、ご自分からは過去の話はほぼなく、あくまでも「今」と「将来」のおいしっくすのお話をプレゼンされたのが印象的でした。

シンクタンカーが好きな言葉として、cool head, warm heartというのがありますが、高島さんは、これに加えて、tough feet と chanceをきちんとcatchできるhandを持っていらっしゃる気がしました。

■非常に分析的論理的に(いわば冷徹に?)ビジネスプランを練り上げ、立ち上げられたというイメージがあったので、熱っぽいお話が聴けてよかった。遅まきながら社長の著書を読ませていただき、もっと勉強したいと思います。

■何よりもまず、質疑応答の中で出てきた「ライバルはお客様であって競合他社ではない」という高島氏の言葉が、実に鮮烈に印象に残りました。
「今あるマーケットを奪い合うということであれば他社との競合を気にするところだが、そうではなく新しいマーケットを作るということを考えた場合には、他社よりもお客様の研究が何よりも大事である」とは高島氏の言葉ですが、実はこれ、今あるマーケットを奪い合うということであったとしても、同じことが言えると思います。
誰のためのサービスか。
多くの場合、横並びの他社を意識するあまり、その一番大切なことを忘れがちです。
他社を出し抜き、業界内のトップであろうとすることは決して悪いことではないですが、それに夢中になるあまり、その先にあるお客様を置いてきぼりにしてしまっては意味がない。そういった行為が招くものは、おそらくは業界全体の質の低下、低迷。
結果としてマーケットを狭め、自分たちの首を絞めることになる。
「日本の食卓のことを考えるならば、他社にも頑張ってもらってマーケットを広げることを考えるべき」という高島氏の言葉にもあるように、業界が一体となって顧客へのサービスを充実させることこそが、長い目で見れば実は一番確実、そして正しいあり方なのだと思います。たとえそれがすでに大きなマーケットを醸成している業界であったとしても。
お客様に感動していただく、そうすると期待値が上がる、それを超える感動を提供する、するとさらに期待値が上がる…という、いわばお客様との競争。
我々の業界もまさにそうです。
お客様に「これは魅力的だ。生活に取り入れたい」と感じて頂けてこそのサービス。
お客様が何を求め、どういうものに魅力を感じてくださるのかを研究し、追求していく。
この当たり前の原点に、いま立ち返るべきだと改めて感じました。