参加者の声 小池利和氏

第5回「未来永劫の成長のために」
小池利和 (ブラザー工業株式会社 社長)

 

■ ブラザーはコンサバなイメージがありましたが、M&Aも視野に入れた事業参入、拡大や、既にグローバル軸であったり、チャレンジ精神を大切にする社風など、とても驚きました(勉強不足でした)。
小池社長のお話し(特に質疑応答)を通じ、気さくなお人柄とバイタリティを感じました。従業員のこともよく考え、大切にしている事も良く伝わりました。
行動力のある素晴らしい小池社長から元気をいただきました。
ありがとうございました。
商品に関しては、ターゲットを明確にし、お客様の声をよく聞き、機能と価格に合致した商品を提供する。と、言葉で書けば簡単ですが、どの企業も多かれ少なかれやっていることですので、競合の中からブラザーが選ばれる必然性があると思いました。

■ いや~素晴らしかったです。 失礼ながらあまり期待していなかったのですが、小池社長の飾らないお人柄と、期待をバネにより良い会社経営を目指して常に色々な事にチャレンジし続ける姿に感銘を受けました。 こんな社長なら社員はみんな「ついて行こう!」或いは「自分のやりたい夢を実現しよう!」と思いますよね。
特に「明るく、楽しく、元気に」をモットーに社員とのコミュニケーションをITを使って密に取りつつ、最後はFace to Faceを大事にして、世界中に自ら出かけるのは、正に「歩く経営哲学」だと感じました。”

■ 世の中にはこんな「ちゃんとした」社長も居られるんですね、感服しました。やるべきことをちゃんとやり、見るべき市場をきちんと見、打つべき手をちゃんと打ち、コミュニケートするべき相手とちゃんとコミュニケーションを取っている。しかもそれが出世欲や金銭欲からでなく、「期待されてるから」と当然視する自然体。自身がおっしゃるように社長業をやるために生まれてきたような方ですね、ブランド云々てお話とはちょっと違った気もするけど、経営哲学として非常に参考になったです。ちなみにブランド・ジャパンを紐解いてみると、総合力では46.1点で317位(500ブランド中)なれど、「従業員を大切にしている」196位、「この企業で働いてみたい」200位、「この企業に好感を持っている」182位。さもありなん。

■ 小池社長の気骨な精神に感銘を受けた。
ブラザーのグローバル戦略は、今に始まったわけではなく、現状のグローバルの売上比率に驚かされたのと、ブラザー=ミシンという概念がぶっ飛んだ。
働きたい人の仕事をつくる。愉快な工場をつくる。輸入産業を輸出産業にする。という創業者の理念が引き継がれている点においては、社員全員が同じ方向を向くという視点より、いかに経営理念が重要かということを改めて痛感した。
もう一点は、コミュニケーション。相互理解のために手段はいろいろあるが、立場立場でやり方に工夫されている点は、自分の立場に置き換えても、何ができるか?何をどのような手段で伝えるか?という視点において、参考になった。

■”ブランドという観点では物足りない部分はあったが、個人的にはグローバル企業に成長させているTOPのお話が直接お伺いできるとの事で非常に楽しみでありかつ学ぶべきポイントが多かった。
特に、TOPと従業員の距離が近い会社であり、多様性を束ねる為に努力されている事、常に心掛けている事、イントラネットを活用した仕組みなど、自ら積極的に活動している所が素晴らしいと感じた。

■ 大変申し訳ないが、ブラザー工業といえば、今までの自分の認識からすると、新興国では売れているらしいが日本では需要が衰退してしまった「ミシン」、「タイプライター」、日本ではマイナーな「プリンター」を製造している印象の地味な会社であった。
ところが、話を聞くうちに、待て待てこれはとんでもない認識不足、と大いに恥入った次第である。
小池社長は、とにかくパワフルな人。全力で生きているというオーラがひしひしと伝わってくる講話であった。こんな人をリーダーに頂くブラザー工業は、興味関心領域が広く、やる気に満ちた人にとっては、さぞかし面白い会社であろう。
講話の中で一番印象に残ったお話は、自らをさらけ出し、あらゆる媒体、機会を通じて従事者にどんどん発信し、食い込んでいく、そして、へそをすり合わせる。こんな社長は中小企業ならありうるが、大企業では見たこともないし、聞いたこともない。自分としてもこのような社風を作り上げている小池社長の次なる秘策之実現を傍観しながらベンチマークとしておきたい、これから先が楽しみな会社の一つになった。
しかし、人づくりというのはどの会社も頭を抱えている問題である。最近の若い人は……と言うと、年寄りの常套文句などと言われがちであるが、一言で言うと面白い個性的な人が少ない。要は冒頭に述べたように、興味関心領域のせまい人が多いように感じるのである。服で言うとプレタポルテとはいかないまでも、概ねできのいい既製服タイプが多い。
その上「少年よ大志を抱け」ではないが、抱かせようとしない社会、そして会社も多く存在しいているのではないだろうか。これは成熟社会に突入した日本の中で、ある意味で、変革!変革!変わらなければ生き残れない!と叫びながらも、自分の時代での変革は先送り、次世代の課題としておこうなんて逃げの体制を決め込み、自分の保身に余念のない管理職、そして経営者が実に多い、と感じているのは小生だけであろうか。
「少年に大志を抱かせる」ためににはこのようなシロアリ管理職や、経営者を一掃する手立てが必要である。小池社長は乗り込んできた現代の黒船(ファンド)を打ち負かし、立派に創造の道を勝ち取られたが、シロアリのはびこる会社では、黒船が到来したならばこれをチャンスとしてとらえ、副作用を覚悟してこの機に改革を思い切ってしてしまうことも選択肢としてあってもいいのではないかと思う次第である。しかしこの場合、次なるリーダーが社内に控え、黒船に対峙できるだけのしっかりとした事業方針、それを成し遂げるだけの志、実行力などをもっていないと、とんでもない状況に陥ることになる。なかなか難しい選択ではある。
一方、これからの日本の未来を切り開く若者であるが、何か夢中になれるモノを3つばかり持っていてほしい。それも分野の違うモノ。なぜならば今の時代、一芸に秀でるだけでは済まないような気がしているからである。

■ 小池社長は氏の同郷、尾張の織田信長のDNAを受け継いだような人だった。
「ブラザー工業に入社したのは、社長になれそうだったからだ」は有名な話で、これだけ聞くと打算的で、鼻持ちならない人物を想像してしまいがちだ。周りからは異端児と評されることもしばしばのようで、一見、その破天荒な発言に驚かされる。また、話しぶりはときとして江戸っ子のような、小気味よくて、とても気さくだ。
しかし、その裏にある非常に臆病で、繊細な傷つきやすい部分を感じた。そして、それを覆い隠すように敢えて、”突き抜けた”のような言動で自らを奮い立たせり、周りのガードを取り払い、本音を引き出す、対人知性が非常に高いお人だとお話を聞きながら勝手に推察した。(そうしたところ、最後に安井さんのエピソードの紹介があり、「やはりそうだったか!」と納得。)
また、小池さんに感じたのはトップとして”本当に”責任をとると云うある種のオーラがあり、それは部下の安心感、信頼感に繋がっていると思った。
最後にかつて、私が新人時代に(大阪の)お客さまらか「名古屋で商売ができたらどこでも通用する」とよく教えられた。名古屋は石橋を叩き過ぎて壊すほど慎重な、超保守的な土地柄だ。その名古屋でブラザー工業は、自由でアグレッシブ、失敗を失敗とも思わない、他の企業からすると異質な社風であることに、特に海外で成功しているヒントがあるように思う。

■ モチベーションは皆の期待の総和というコメント。これは、裏側には人のために働きたいという気持ちが感じられた。
イノベーションをあまりルールでしばらないというガバナンスも企業風土に根付いているようで骨太に感じた。
ブランド戦略についてはそれほど新鮮な発見はなかったが、小池社長のUS時代の営業で苦労した経験がat your sideそのものという事実は社内で強い伝播力を生んでいるのではないかと思う。
前半の会社紹介は少し冗長であったが、ブラザーという企業を良く知る有益な機会にもなった。

■ 小池社長は、しなければならないことを当たり前のようにすべて正面から対応してこられた結果、なるべくして社長に納まった方とお見受けしました。入社当初より社長を目指す志を持っていらっしゃったと伺いましたが、単に上昇志向が強いのではなく、公共心と責任感が非常に強いため自分に義務を課して数々の難局を乗り越えてこられたのだと分かりました。
しかし、それにしても、その志を現在に至るまで持ち続けられたエネルギーは、本当に「周りから期待されているから」だけだったのでしょうか。現実的にサラリーマンは精神論だけでも続かないわけで、くじけない心の持ち方や意見を異にする人たちとどう渡り合うかをもっと突っ込んでお訊ねすべきでした。
また、社内コミュニケーションで同じ価値観を言い続けることの大事さを再認識しました。あれだけのチャネルと回数が要るのですね。
グローバル化については、製品のニーズゆえに昭和の早い段階から海外市場に取組んでおられたわけですが、米国プリンタ成功物語の前の時代、即ちタイプライタや編み機を輸出していた頃の無名時代のご苦労話や秘訣を伺うべきでした。弊社の現状とかぶせて考えることができたかもしれません。
いずれにしても、社長様自ら大変示唆に富む講話をしていただき誠に有難うございました。本も拝読させていただきます。

■ 今回のテリーさんのお話は、とても刺激的なものでした。
ミシンから始まり、プリンター、カラオケまで・・・一見バラバラに見える商品ラインの変遷の底流には、必ずやBrother社特有の“(共通する)技術”がコアコンピタンスとしてあり、その強み(技術)を活かして事業展開が行われているに違いない! 今回のテリーさんのお話を伺うまで、私はそう信じていました。しかし、今回のお話をお聴きして、テリーさんの会社は、そんなことでは決してなく、ただただ自分たちの「好きな会社」をずっと存続させるために、その都度必死になって頑張っていられるのだと、感じました。
テリーさんがアメリカで必死になってスーパーストアの要請に耳を傾け続けられたのも、ドットプリンターからインクジェットへの転換を実現されたのも、自分たちの“強み(技術等)”を誇示するためではなく、ただ只管“at your side”顧客の側に立ち、顧客の要望を実現することで、自社を存続させようとする思いだったのだと思います。
思えば、コアコンピタンスの議論は、あくまで前提として「顧客の要望を実現する」があるはず・・・。ですが、往々にして、自社の効率を優先し、「自社の強みを生かす」ことに主眼が置かれているようにも思います。このことは、悪くすると、知らず知らずに、自分たちの“強み”を顧客に強要することに繋がり、固執するあまり“強み”と心中?することになるかもしれません。(「モノづくり日本」という議論も、そんな危うさを感じます)
そんな中で、自分たちが好きな「会社」をずっと存続させるために、ただ只管顧客の側“at your side”に立とうとされるBrother社の様子は、ある意味で、常に“ベンチャーであり続けている会社”と言えるかもしれません。
統計によると、日本のベンチャー企業は、実は「設立後の生き残り率が異常に高い」そうです。アメリカでは、設立後10年に生き残っている企業は2割しかないのに対し、日本では何と6割。ハイテク企業だけを見ると、生き残り率はもっと高く、7割にまで達するそう。いったん始めたら、頑張ってなかなかやめないのが日本のベンチャーなのだそうです。きっとその原動力は、会社や社員のために「諦めない」ということではないでしょうか。(大企業になると、オンブに抱っこで、そうした思いが希薄になるように思います)
テリーさんの会社のコアコンピタンスは、「社員がこの会社を好きであること」、だから「存続させたいと必死になること」ではないかと思いました。
そして、このことが実は多くの日本企業が戦後成長してきた原動力だったのではないか?とも思います。それを後から分析して「モノづくり」となりましたが、実は、会社を社員を必死で守りたいという思いが、日本人の個性に適合した「モノづくりという技術」を(たまたま)産み出したに過ぎないと言えるかもしれません。
是非是非、社員を愛し大切にして、未来永劫存続してください。
そして、そのことを通じて、他の日本企業に、大切なモノは何かということについてのメッセージを送っていただきたいと思います。
ありがとうございました!

■ 想像以上に、印象深い講演でした。時間の経過と共に、
「こんな社長なら、仕えてもいいな」、そんな思いに至った次第。
沢山の気付きを頂きましたが、その中から3点、考えてみました。
①新しい事への取組姿勢
紙を使う「プリンタ」から、紙を使わなくなる「新規領域」
これ程、大胆な発想方で、新しい事を模索する「この手」も
有りではと、気付きました。
②定石に縛られない姿勢
米国での新興チャネルとの協業、多店舗による販売だけを考え
ではなく、展示=告知=PRとしての活用に岐路を見つけ、
選別と集中などお考えではないとのお話でしたが、
新興チャネルを選別し、かつ、商品開発も含めた「集中」が
定石の「選別と集中」縛られないユニークネスだったのではと
感じました。
③素直な意志開示の必要性
テリーからのメッセージ、Video、ブログ、
企業トップの意志の開示が、これ程有効に働く、分かりやすい
「お手本」だと感じます。これは会社だけでなく、家庭や地域
でも使える手だと思います。
最後に社員の方が語っていた一言に、小池さんのすべてが凝縮されていると、深く感銘しました。
その一言は、「すべてを自分事として考える」。どこかの国の役人
に煎じて飲ませたい秘薬では?
小池さん、ありがとうございました。

■ 社長ご自身のお言葉で気持ちを込めて講演されていることが大変よく伝わってくる講演でした。
社長になれる会社として御社一社だけ受け、実際に社長になるということを実現されてらっしゃるだけあって、説得力を感じました。さらに、ご自身のお考えをご自身のお言葉で伝えることに力点を置かれていらっしゃり、素晴らしいことと感心いたしました。
また、クリエイターとして最も興味深かったのは、創業当時の言葉で「愉快な工場」という表現でした。さらにその表現を社長自ら、「明るく元気よく」というお言葉に置き換えていまもなお、伝えていらっしゃることは、流れゆく時代のなかで、事業や地域が変化していっても、根底に流れるものは変わらないことを伝えていらっしゃることと受け止めました。
お忙しいなか、貴重なお話をありがとうございました。

■ 全ての言葉が米国でのあらゆる経験に裏打ちされており、何事も自分ごとで捉えられているので、お人柄を含め、スーッと頭にも心にも入ってきました。よく「言霊」と言いますが「社長になれると思ったからブラザーに入社した」と公言することでご自身を奮い立たせ、どんな失敗にも立ち向かってこられたんだと感じました。
イントラネットでの発信頻度にも驚きましたが、質問にも心を込めて答えてくださり、何より相手の気持ちに寄りそって行動されている、まさに「at your side.」を体現されている方だと思いました。”
非常に勉強になった “小池さんの話を聞くまでは、同じような業界&地元(名古屋)で育ってきた私に「ブラザーなんて」という先入観があったのが事実。これが全否定するような小池さんのプレゼン(というより人間味&パワー)でした。
タイプライタからプリンタ、プリンタからファックス、そして複合機と、このブラザーにとって、すべてのエポックに小池さんのようなリーダに恵まれたブラザー、いや小池さんのチャレンジを受け入れてきたブラザーは素晴らしい。

■ このたびは貴重なお話を拝聴する機会をいただき、ありがとうございます。
お話全体を通して、まずなによりも人が人と向き合い、人としてきちんと存在している企業だという印象を受けました。
組織を構成するうえで、機能や効率のみを優先した場合には、ともすると組織全体の顔は見えたとしても、それを構成する個人の個性や意見は埋没してしまいがちです。
ですが、おそらくは小池さま自らのご経験に基づく明快な方針故のことなのでしょう。
ひとりひとりの顔が見える企業、そんな印象を受けました。
自らの思いを社内に広く伝えることをめざし、社員との交流を積極的に図っていらっしゃるとのこと。言葉の端々から小池さまのお人柄が伝わってきて、人の上に立つものとはかくあるべし、そんな思いを抱きながらお話を拝聴いたしました。
失敗してもいいから人と違う経験がしたい。
自らを満足させるような大きなビジネスがしたい。
そういう気持ちから、躊躇することなく未知の世界に飛び込んで行かれた小池さまご自身が、経営者となられてからもその心をお忘れでないご様子にも感銘を受けました。
お話の中で出てきた言葉、
「変化の中で生き残るものは、
身体の大きなものでも強いものでもなく、
変化に対応できたものである」
一見、至極当たり前の理論のようでありながら、変化への対応というのは実に難しいことです。
それをさらりと言ってのけることができるところに、その強さの基盤を見たような気がします。
貴重なお時間を頂戴し、また有益なお話をお聞かせいただけたことに感謝いたします。このたびはありがとうございました。