参加者の声 「銀座に学び、銀座を語る 」

丸の内ブランドフォーラム ラウンド 16・1
第3回 4月25日(月)
銀座シンポジウム in 丸の内
「銀座に学び、銀座を語る 」

■ 銀座の街のもつ魅力とともに、革新に向けた苦悩も垣間見えてとても興味深い内容でした。
地価が高いゆえに付加価値の高いビジネスを実行していかなければなりたたない、それが「大人」の街としての魅力にもつながってきたのだと思います。ビルオーナーが自分でのビジネスをあきらめて、貸しビル業になったり、ファンドに売却したりすることで、街の伝統がとぎれてしまいかねないことに改めて気づかされました。大規模なビルに集約されることは利便性の高さももたらしますが、銀座ならではの小さな区画に専門店が軒を連ね、1階に賑わいがある街並みを生かし、大人が楽しく回遊できる「唯一無二」の街の魅力を磨き、また発信していってほしいと思います。

■ 高級デパート、老舗、クラブ、広告代理店。いかにも「ややこしい」諸相が8ブロックにひしめく街は、なかなかブランド的に管理困難と思う。たまたま10日ほど前、心斎橋~難波を一日かけて堪能した身としては、さらに強くそう思う(たしかに自動車、邪魔だね)。
他に例が無いからこそ、GINZAというものを独自の価値として、Aaker的にいえばカテゴリー=サイロとして、確立することが可能と思った。グローバルなだけに、世界のGINZAとして。幸い、発音しやすいし(実は大事なポイント)

■ 伊東屋社長の伊藤様の価値の考え方はとても共感できました。一方で、価値の考え方も時代とともに変わってきています。今回は銀座の良さが論点になっているように感じましたが、時代の変化とともに、如何に価値を伝えていくかの(BRTから降りたくなる仕掛けということも仰ってたと思いますが)仕掛けの深堀を今後に期待します。花柳様のご意見にありました文化の視点は重要ではないでしょうか。
銀座の敷居の高さといった点も話題の一つでしたが、そういった価値に憧れや夢を抱く社会環境ではなくなっているという意見を聞いたことがあります。現在50代の私たちが育った時代は、まさに高度経済成長期で、豊かになっていく国、国民を目の当たりに、そこに憧れや夢を抱くともに、それを何時か実現したいと思っていました。そういった観点では、現在の若者と呼ばれる年代の時代環境とはかけ離れたものがあり、豊かな暮らしやワクワクする経験への憧れは希薄になっているのかもしれません。銀座によく行くわけではありませんが、何か困ったときには銀座が解決してくれる伝統の街でありながら、新しい時代の提案の先駆けとしての街でもある銀座の今後に期待しております。
10年ほど前に、とあるかたから伺った話ですが、銀座は東京都内の繁華街では唯一、反社会勢力のいない街だと伺ったことがあります。昨今の事情は不明ですが、その話を伺って以来、安全な街としてのイメージが定着しています。観光客の増加故の新たな課題もあるかとは思いますが、楽しく、安全で、夢のある街 銀座をこれからも応援させてください。

■ どの町にもその町のカラーが必ずあると思います。ぼくが思ったのは、そのカラーをほんとうに感じられるのは、その町に足繁く通うひとだけではないかということです。つまり、たとえば一度ショッピングで来たりするだけでは足りないということです。町づくりに際して、その町のカラーを理解し、中心となるのは、その町で生活したり濃い関係を持つ人だと思いました。銀座はフォーラムであがった様々な課題がありますが、町に密接な人たちがしっかりと考えて町づくりをしているという点でとても希望が持てると思いました。

■ 伊藤さんの「親から家業を引き継いだ者は、まず親に反抗をする、それが銀座の革新につながる」お話がとても印象的でした。銀座=革新の街という認識があまりなかったのですが、それは銀座に連なる中小企業の個性を意識したことがないからで、今後は大資本ではなく、銀座ならではの人情あふれる店を注目していきたいです。時代の流れに合わせて街を再開発することは必然的に望ましいものだと思っていましたが、大手デベロッパーやリゾート開発グループ等の干渉により昔ながらの風情あるお宿やお店が減りつつある現状に気づかされました。経済的な便益から考えると大資本によってオペレーションを標準化させた方が効率はいいのですし学生にとっては値段が安いチェーン店にお世話になることが多いのですが、将来生活に余裕で出てきた時にはお金をかけたくなるようなお店が激減しているかもしれないと考えるととても悲しくなりました。
少し話がそれるのですが、中国から観光に来る方々から「日本はeコマースが発達してないから不便」と聞くことが多いです。ワンクリックしたらすぐに物が玄関先まで届けられるのではなく、自分でお店に足を運んで、お店の人とのコミュニケーションの中で自分の満足する商品を見つける過程を大事にする日本人の価値観がそこに現れているのではないかと思いました。

■ 「銀座」という街は、日本一の地価に裏打ちされた、特別の響きとブランド価値を、昔から当たり前のように持ち続けて来たものだと思っておりましたが、実際は「革新こそが銀座の伝統」だったというのは驚きです。 逆に「個性的な中小の専門店のつらなり」という銀座らしさの本質が、「銀座フィルター」を通して連綿と守られ、結果として皆があこがれる唯一無二の街を造り上げてきたのだ、と理解しました。
しかし、大手のデベロッパーが開発する丸の内や日本橋と違って、巨大な資本力を持たない中小の専門店の集まりに過ぎない街が、よく弱肉強食の資本主義市場で生き残れたのは、銀座通連合会を中心とする全銀座会が結束して、巨大資本と行政(中央区)に対して粘り強く立ち向かってきたからだ、というのもよく分かりました。
とは言え、地価が高いが故に承継問題も大きく、また東京オリンピックに向けての都市開発及び交通網整備、今年秋の築地市場移転など、銀座を取り巻く環境変化のスピードは速くなっているだけに、将来が少し心配ですが、ここは竹沢さんたち全銀座会のパワーに期待しましょう。 今度銀座に出かける際には、安くておいしい昼食に挑戦したいものです。

■ 始めてMBFに参加したが、内容が濃く有意義であった。銀座という一つのまちに対して、立場の異なる方々が一堂に会して意見をぶつけ合う中で、立場が異なれば当然利害関係も異なるものであり、一方向からでなく多角的視点から銀座のこれからのまちづくりを考えることが出来た。例をとれば、BRTの導入に対して賛否両論があったり、銀座のまちづくりに対する周辺地域の対応・協力に温度差があったり、考えるべき課題は多けれど、銀座を愛する気持ちはどの方も変わらず、それこそがまさに今も昔も人々を惹きつける銀座の魅力であるのだと感じた。銀座というまちに、これからはもっと深く関わっていきたいと思えるような、よいきっかけとなった。

 

《片平ゼミ学生》

■ 3部構成だったため,体系的に何かを学ぶのは難しかった気はする。伊東屋さんの最後のお話にもあった銀座が実際に革新の街であると感じるかは人次第で特に田舎から来た自分にとっては六本木のほうが革新しているような気もするが、それでも伊東屋さんのように現代的な建物やデザインがある革新的な店は非常に印象的であると感じそのような店が残っていっているのだろうと感じた。

■ 街づくりを本気で考えている人の熱意に圧倒され、あっという間の時間だった。個人的には銀座という街に馴染みがなく、考える良いきっかけになった。それと何度も会話に出たが、銀座とは?の2つのキーワードは今後勉強していく上で指標になりそう。

■ 私は関西の出身で、東京にも大学から上京してきて、銀座にも1,2回ほどしか行ったことがないので、銀座と築地と歌舞伎座ってそんなに近いんだといったところから驚きながら話を聞いていました。
銀座のまちづくりとして大切にしている、歩いて楽しむ街というテーマのためには、街並みの保存のみならず、個性的な中小専門店の活気が必要でありながら、現在そういったお店が生き残っていくためには、自助努力で生き残っていくしかないというのは現実の厳しさを感じました。

昨今のグローバリゼーションや消費社会の進行を受けて、銀座の中小専門店で買うよりも、各街に存在する大きなチェーン店やひいてはAmazonなどに代表されるWebサービスで購入する方が、”楽でしかも安い”という時代が到来している中で、銀座のお店で会話を楽しみながら買い物を楽しむといった昔ながらの”粋”な感じというのはなくなりつつあるのかなと感じました。銀座の方が、「私も若い頃は銀座には全然行ったことがなかったので、皆さんもそのような年になったら銀座に来てください」とおっしゃられていましたが、現代の文化につかっていて”便利さ”を知ってしまっている若者が本当に30代,40代になった時に銀座を訪れてそういった買い物をするようになるのかという部分には疑問を感じました。
ただ銀座の方が、良いものを提供しようとして、結果値段が高くなっているという部分にはこの年ながら共感できる部分もあり、銀座のまちづくりというくくりの中で、何か一度銀座の良いサービスを体感し感動してもらう、「銀座っていつかは行きたいまた行きたいな」という、そういった機会も生み出していってもらえたらなと思いました。
まちづくりや、ブランドにかける思いといったものをほぼ初めて聞く機会で非常に学びが多く、もう少し自分でも勉強してみようと思いました。

■ 自分にとって銀座は身近ではなくむしろ敷居の高い大人の街という印象だが、今回のお話を聞き新たな発見があったと共に、若者向けに寄せずに銀座の個性は保ち続けてほしいという思いが強まった。
発見に関しては、銀座は意外にもご飯を食べに行きやすいところだという点、そして銀座は革新の街だという点(伊藤さん)が意外に感じた。
銀座という街自体に深い愛情を持ってらっしゃる方が多いと実感したが、単純な憧れから愛に変わるまでにはやはり何度も銀座に足を運ぶプロセスが必要だと思うので、銀座らしさは残しつつも、よりふらっと行きやすくなるような宣伝上・街づくり上の工夫をする必要があると感じた。

■ 「顔が見える街」というフレーズが何度も出てきたと思います。ネットショッピングが普及し、多くのテナントが入った大型の商業施設などが増えていく世間の流れは銀座にも波及していると思います。
わたし個人としては、モノに対する愛情は、それに付随する経験や思い出によって生まれたり深まったりすると思っています。顔が見える街で生まれるひとつひとつのやりとりや時間の良さ、素敵さを新しく銀座をつくる側にも訪れる側にもより感じてもらい継承していくことが大切なのかなと思いました。

■ 銀座という学生の身分で足を踏み入れるのは畏れ多く感じてしまう場所に関して、代々お店を継いできていらっしゃる経営者の方々のお話を伺えて、大変貴重な機会になりました。実は門戸が広いということを知り意外に感じましたが、個人的にはやはり銀座の高級感に見合う人が訪れる場所であってほしいと思います。最近稀に銀座を歩くと、家の近所を歩くかのような格好で大勢で歩いていらっしゃる中国の方々をお見掛けします。騒然としただらしのない街にはなってほしくないので、観光客の方も相応の格好でお買い物を楽しんでもらえたらと思います。
せっかくの機会なので、銀座ウィークは是非ランチを楽しみに行ってみたいと思いました。貴重なお話をありがとうございました。

■ 僕は田舎で生まれ育ったので銀座というものに対してとにかくかっこいい、リッチなイメージしかありませんでした。ですが今回お話を聞かせていただき、昔から代々続いている店が多く、また今後も続けていく事が可能だというのが容易ではないことを知り、自分のイメージしていたものとは違う点が複数あったことに驚いています。若者のイメージに関しても、僕もなかなか行きにくいというイメージがありますが、逆にそのほうがいいと思っています。憧れの地、特に田舎者からしたらすごい場所なので、銀座に来たんだ!となるように、今後もそういう場所であり続けて欲しいと思っています。

■ 以前から知っていたプロジェクトであったが、そのころに比べて進化していると感じた。

■ 銀座が醸し出す独特な雰囲気か以前から好きだったので、それがどうやって保たれているのかを学ぶことが出来てよかった。また、国の都市計画との兼ね合いなども興味深く感じた。ただ、ゼミ生のアンケートで、銀座という地名から連想するものとして、銀座を本拠地とする様々なお店を差し置き三越が上がった点は、三越の本店は日本橋なので、意外に思った。

■ 様々な立場の人から銀座の話を聞くことで、銀座という街を見る自分の視点が多角的になりました。このフォーラムに参加しなければ銀座に大した関心を持つことはなかったと思いますが、銀座に携わる方々の熱い想いを聞いて銀座を訪ねてみたいと思うようになりました。

■ 今回のテーマは「これからの銀座の街づくり」ということでしたが、僕は「若者から見た銀座」の発表グループに入れていただいていた関係で、若者と銀座の関係について少し事前に疑問を持っていました。それは銀座の人たちは若者を呼びたいと考えているのかということです。現状として若者はあまり銀座に行っていないだろうという感覚があり(アンケートでもそれは示されていました)、ビジネス的にはそれはチャンスとも言えますが、一方でそれによって銀座の持つ良い意味での敷居の高さが失われてしまう可能性もあるわけです。
このことについて、今回のフォーラムで印象に残っているのは、日本舞踊の花柳さんの「街に人を呼びたいというなら、なぜ人を呼びたいか?を問う必要がある」というお話でした。花柳さんはそこの部分のコアには”文化”があると考えておられましたが、僕もそれを伺って納得した部分が大きく、ビジネスの側面以外から街づくりのようなプロジェクトを考えるというところで大変勉強になりました。
またパネルディスカッションでも、銀座の街は来るもの拒まずで最終的に決めるのは銀座に来るお客様だというお話があり、銀座の方々の「銀座」というブランドへの誇りを感じることができ興味深かったです。
今回はこのように学びの多い貴重な機会を用意していただき、ありがとうございました。

■ 銀座というひとつの街に想いをかける大人たちのお話を伺うことができ大変勉強になりました。
交通について、文化について、店について、などなど、魅力的な街とは多角的な細やかな努力から成り立つものなのだと感じました。
熱い想いを知って、銀座に行きたくなりました。

■ 銀座のまちづくりに関して、違う立場の方々が集まり議論を交わしていて興味深かった。まちづくりと言うとまず思い浮かぶのは銀座のまち内部の話だが、銀座というまち全体を外部との関係性から相対的に捉える視点も提供されており、面白かった。また、まちづくりには人の出入りを考えることが必要で、BRTなど交通も大きな要素となることが分かった。ここから、ブランドの確立には人との接点の持たせ方が鍵となるのではないかと思った。

■ 銀座という街について様々な切り口からお話がうかがえて面白かったです。私は母親と一緒にご飯を食べに行く目的で銀座に行くことが多いのですが、お話を聞いていたりアンケート調査結果の発表を聞いたりするなかで、やはり親や目上の方といった上の立場の人と一緒に、自分自身は背伸びして行くことが多い街だなと感じました。また、参加して思ったのは街についてなにかアウトプットをしようと思ったら実際にその街を歩き、色々な立場からその街に携わっている人のお話を肌で感じなくては何も語れないなということでした。銀座ならではの高級感や、いらっしゃる人が守りたいと思っている古きよき雰囲気は文字や写真からは伝わってこないものですし、文化や歴史は自分で街を見るだけではわからないことです。もっと銀座について見て聞いて、これからの銀座について考えたいなと思いました。そして個人的に興味が湧いたのは築地と銀座の関係性でした。築地の食文化に前々から関心があるからというのと、銀座と築地が立地的に近いということに気づいていなかったので二つの土地がどのような連携をしていくのか見てみたいというのとが理由です。築地は観光に力をいれつつあるというようなお話がありましたが、どう魅せて売り込んでいくのか、観光によりもたらされる影響が吉と出るか凶と出るかは非常に難しい問題だと思います。私自身二つの街を比較したり歩いてみたりして、どのような関係性が二つの街にとってよい関係で、どう魅せていくべきのかを考えてみたいと思いました。二つの全く切り離して考えていた街がひとつになってより一層魅力的になるところをぜひ見てみたいです。

■ 「銀座のまちづくり」について様々な視点から様々な立場の人が物申す、という構造がとてもおもしろかったです。大学で専門として勉強している内容を重ねながらお話を伺うことができ、とても有意義でした。ありがとうございました。

■ 銀座というブランドについて、多様な面で関わる人たちの話を聞きどのような取り組みがなされているかを知ることができ、また当事者もどのように感じ、問題意識を持っているのかを聞き、銀座の魅力について再確認する機会となった。銀座のブランドを構築しようとしていたが、疑問として現在の消費者の抱く銀座と当事者の抱く銀座の乖離があり、また銀座と言っても誰が銀座のまちづくりに関わっているのかもよくわからず、漠然とした銀座しか僕の頭にはないので、なんともよくわからないと感じてしまう。

■ 特に印象に残ったのが、伊東屋さんが「建て替えて売った方が効率が良いよ」と言われた、というお話です。利益を大切にするとそうなってしまうなら、今までの銀座を保ち続けるのは難しいことだと感じました。個性的な中小専門店が連なる街を目指して街の人が主導で進めているのはとても素敵なことだと思います。今は効率性や収益性ばかりで街がどんどん画一化され、特有の魅力が失われていっておりもったいないと感じます。銀座が今後も固有の良さを守り、そして伸ばしていけるよう応援しています。