MBF Lectures 17.2 (2017年度 後期)

テーマ 「新たに定番をつくる」


時間:19:00-21:00(原則として)
場所:丸の内三菱ビル1Fサクセス、他


 ■ 10月11日(水)   片平秀貴 丸の内ブランドフォーラム
(ご注意:この日と次回だけ会場は東京21Cクラブ(新丸の内ビル10F)になります)
「新たに定番をつくる:定番仮説」
今期も、ゼロからブランドを始めていま多くの人の定番になりつつある仕掛人の方々にご登壇をお願いしました。前期を入れると合計10の定番づくりのリアルなケースが揃うことになります。今回は、その10個のケースを題材にして私の「定番仮説」を提示し検証してみることにします。

メンバー有志による「定番研究会」を発足させます。この研究会は今回の私の問題提起に対して毎回の講演を材料に2月末までグループで随時議論し、来年3月9日(金)に発表会を行います。事前にメールで募集しこの日に顔合わせをする予定です。参加費用はかかりません。

今期から二次会を定番化します。テーマを決めて有志で語り飲みましょう。この日のテーマは「「定番」を語り、飲む」です。

■ 10月27日(金)山本典正(平和酒造 専務取締役;「紀土」ブランドの創始者)
「ものづくりの理想郷:私は「紀土」をこう育てた」(会場は東京21Cクラブ)
「紀土」はまだ若い日本酒のブランドですが、日本酒通の間ではすでに高い評価を獲得し、世界でもIWCの金賞を始め多くの賞に輝いています。山本さんは平和酒造の3代目でいらっしゃいますが、当初は京大を出て東京の人材ベンチャーにお勤めでした。なぜ継ぐつもりのなかった酒造りの道にお入りになったか、どのような改革をして芯を見出し人づくりに励まれたのか、今後の夢は、などなどお聞きしたいです。

★二次会「山本さんと「紀土」を飲む」
★課題図書:『ものづくりの理想郷』(dZERO 2014年)
https://jp.sake-times.com/think/study/sake_g_heiwasyuzou_monodukuririsoukyou

古城弘嗣氏のレクチャーノート

■ 11月10日(    磯貝明(東京大学 大学院農学生命科学研究科 教授
「セルロースナノファイバーの夢」
磯貝先生は2015年、森林のノーベル賞といわれる「マルクス・ヴァーレンベリ賞」をおとりになり、スウェーデンのグスタフ国王から授与されました。セルロースナノファイバー(CNF)の発見と生成がその受賞理由です。環境負荷が少なく、木材を原料とすることから使うほど森林が生き返るという夢の素材で、いま4000社ほどが実用化に向けて研究開発中とのことです。とはいえまだ一般的には知名度も低く産業界や一般社会の正しい理解には今一歩の状況です。CNFが「プラスチック」や「ポリエステル」などのように一般に普及し、森林に良循環が生まれるためにいまどのようなお考えをお持ちなのか、壮大な定番づくりのお話を先生から直にお聞きしたいです。

★二次会「磯貝先生を囲んで」
★参考資料:http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/43973

古城裕嗣氏のレクチャーノート 
参加者の声

■ 12月4日(月) 奥平和行(日本経済新聞社 論説委員)
 特別講演「無名ブランドの定番化とマス媒体の役割」
無名のブランドが定番への道を歩むきっかけにはマス媒体が関わっていることが多いです。マス媒体の目に留まり運よく掲載されるためには何が必要なのか。マス媒体の取材側のお立場からどんなモノ・コトが「ぜひ取材したい」、「ぜひ掲載したい」となるのか。20年余に及ぶ現場経験から取材側から見たブランドの魅力をお話いただきます。

★二次会「奥平さんの裏話」
★参考資料:お立場上インタビューなどは見当たりませんが、すばらしい署名入り記事をいくつもお書きになっています。「奥平和行 日経新聞」で検索してみてください。
参加者の声

■  1月17日(水)    佐藤章(湖池屋 社長)
「新生湖池屋の商品戦略」
佐藤さんはキリン時代、「生茶」や「ファイア」などを開発しカリスマ開発者といわれました。2016年に湖池屋の社長に就任されて早々に「プライドポテト」で話題を呼ぶとともに、社内の「芯」の再発見と再活性化に取り組まれました。キリン時代からお世話になっていますが、ますます前向きで熱く、世阿弥の言う真の意味の「初心忘るべからず」を教えられます。

★二次会「プライドポテトの元気をいただく」
★参考資料
動画:https://www.youtube.com/watch?v=PHyCmusXzM4
紹介:http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/NBD/15/268419/062100112/?ST=pc  
キリン時代の記事:https://dime.jp/genre/230528/?first=1
参加者の声

■  2月 6日(火) 細尾真孝 (「細尾」 常務取締役;MITメディアラボ客員フェロー)
「西陣から世界へ」

西陣織という名前は多くの日本人が知っていますが、和服を着ない多くの人にとっては決して身近な存在ではありません。今、細尾真孝さんのチャレンジによって西陣織の美しさが美を求める世界の人々のものになりつつあります。細尾さんは、300余年続く西陣の「細尾」の十二代目でいらっしゃいますが、目を世界に向けて、和服を超えて広くインテリアとファッションのラグジャリーな「素材」としてゼロから西陣ブランドを広めようとされてきました。世界的規模で「新たに定番をつくる」好例かと思います。
以下は、参考文献1からの引用です。
「2008年にフランスのパリ装飾芸術美術館で行われた『感性 kansei -Japan Design Exhibition-』展で細尾の帯を見た建築家のピーター・マリノさんから店舗の壁紙をつくってほしいという依頼があり、 世界標準幅の布をつくることに踏み切る。
それから職人たちと約1年かけて織機を開発し、 西陣の技術と素材をベースにしたファブリックをつくると、その布が世界90都市の〈クリスチャン・ディオール〉の店舗の壁や椅子に使用された。
以来、広巾になった細尾のテキスタイルは〈シャネル〉や〈ルイ・ヴィトン〉をはじめとするラグジュアリーメゾンの店舗のインテリアや〈ミハラヤスヒロ〉の服など、数々のブランドやアーティストとの コラボレーションを生み出していく。」
 ■  2月26日(月)柿澤ひとし(和食プロデューサー)
「世界に和食の輪を広げる」
柿澤さんは和食の名料理人です。上海万博で日本料理店を大成功に導き、ミラノ万博では日本産業館の食のプロデュースをされて万博随一の人気館をおつくりになりました。上海万博のご苦労は課題図書に詳しいですが、細尾さんと同じく日本のものを世界に対してゼロから定番化する熱い挑戦のストーリーを楽しみましょう。

★二次会「柿澤さんと和食と日本酒を2倍楽しむ」
★課題図書
『中国情陸 中国人から学ぶ中国ビジネスの極意 』(メディア総合研究所2011年)

古城裕嗣氏のレクチャーノート
参加者の声