第4回 杉岡 浩一 CATS(Category Activity Taskforce Supervisor;輪 コミューター(中低排気量領域)全世界の商品戦略、企画の責任者)本田技研工業株式会社
川和聡 ㈱本田技術研究所 二輪R&Dセンター デザイン開発室 室長 兼 クリエイティブダイレクター 上席研究員
早瀬 峻一 本田技研工業株式会社 二輪事業本部 事業企画部 商品戦略課
「ホンダ・スーパーカブ60年で1億台:世界で愛される秘密」
■思想を大切にするという点が、印象に残った。専門家3名の講演であり、個々の話だけでも、十分過
ぎる内容だった。ありがとうございました。
■60周年&1億台というすごい実績を上げた商品の成り立ちから思想についてお話を伺い、ホンダの
DNAが生き続けている様子がよくわかりました。悪路でも過積載でも壊れず、かつ低コストな乗り物が、世界各国で庶民の足として活躍していることはとても素晴らしいと思います。
一方、これからの60年、スーパーカブがどういう方向に進んでいくのかが気になります。質疑応答に
もあったように、EVを始めとして世界的にモビリティの未来が大きく変わろうとしている中で、ホン
ダはどこに行こうとしているのか、そんなお話も聞きたかったと思いました。
■スーパーカブは、都市でも、農村でも、港町でも、日本中どこでも走れる丈夫でオールマイティで
リーズナブルなバイクという印象は以前から持っていた。東南アジアでは様々なラインナップがあることにも驚いたが、それ以上に、創業者の思想が貫徹さている結果、あのような万能なバイクが生まれたという話に感動した。一貫した思想をもつだけでなく、それを製品として具現化し続けている事の凄みを感じた。
HONDAのデザイナーの方の思い、またHONDAという会社に対する社員の方々の思いの強さが伝わり
ました。私はたった50人のサークルで思いの共有というものに失敗し、かなり落ち込んでいるときに
この講演を聞いて心から羨ましいと思いました。こういう組織は強いと感じますし、私の憧れです。本日はありがとうございました。
■ホンダスーパーカブ60年1億台
幼少時に荷台に揺られた記憶が40年ぶりに蘇り、懐かしい気分です。
低床バックボーンフレーム、一見ダサい(失礼)レッグシールドの機能性等、スーパーカブの設計コンセプトを知ることができ非常にためになりました。
お馴染みの銘柄がメーカーの都合でいつの間にか無くなることが多い中、60年以上も商売が続けられ
たのは、設計コンセプトの優秀さだけでなく、ユーザーの声に素直に向合う開発陣の努力の賜と思います。何より努力を楽しんでいる姿が素晴らしい。
ただ本田宗一郎の”人間尊重の思想”と、設計コンセプトとの間をつなぐストーリーをもっと聞きたかったです。
AIや自動運転も登場し、人間尊重の解釈が揺らいでいる今だからこそ、旧来の基本設計を変えない理由を、ユーザー側の視点から語って欲しかった。
2億台目のスーパーカブがどのような姿に変わっているのか、或は変わらず未来のユーザーに寄り添え
ているのか、楽しみに見守るつもりです。
■商品企画の担当者として、以前から注目させていただいていました。
グローバルと国内で違って見えるアプローチのGapを1つの製品群として成立させる、2輪車として考え抜かれた基本骨格、変えざるべき特性(カブらしさ)について直接聞かせていただく非常に貴重な機会でした。
■今まであまりスーパーカブがなかったため、新しい世界に触れることができてよかったです。今までスーパーカブは乗り物の一つだと思っていたのですが、擬人化されていたり相棒であったり、ただの乗り物よりも人に近い存在として親しまれているんだなと理解しました。また、ハード面でもデザイン面でも芯がものすごくはっきりとしていて、それが熱烈な愛好家を生むことになった一つの原因なのではないかと思いました。
■改めて、変わらないことの重要性を考えさせられました。どうすれば、変わらないことと、変えた方がいいことを見分けるのか?と考えました。
根幹の技術コンセプトは変えてはいけないことだと思います。この技術コンセプトは、スペックだけでない、消費者視点も大きな技術コンセプトだと思います。
■カブの思想「人の役にたちたい」「乗ってたのしい」「所有して楽しい」と立体商標を取得されていることを知ることができ、非常に有意義でした。
ブランドはお客さんとの対話、長く使うと化ける。という事実もなるほどと思います。
■60年変わらない形であることに驚きを覚えました。変える必要がないくらい今でもカッコいい。形はそのままで進化した技術を組み込んでいく、面白いと思います。機能だけではなく乗っていて楽しいし、自慢になるという理由がわかります。
■カブを全く知らなかったのに、この時間多くの映像や写真を見てデザインに惹かれ、乗ってみたくなるまでになりました。60年前からあまり変わっていないのに、それほど今でも人に好かれるようなデザインになっているのが凄いです。同時に、カブが魅力的な理由はご講演下さったお三方をはじめとする開発に携わる人すべてのカブへの愛だと感じました。またカブが二輪車のチームあるいはホンダ全体の企業文化を作っている、おごらない経営者なのだとも思いました。
■スーパーカブの事はよく知っているつもりでしたが、改めて3人の熱い話を聞いて、その誕生から現
在に至る現場の人たちの“熱い思い”を、思い知らされました。商品戦略・企画の責任者である杉岡さんや、デザイン開発室の室長・川和さんが、スーパーカブへの愛を語るのは当然としても、誕生60周年のイベント企画を任された入社10年の若い早瀬さんが、カブに受け継がれてきた“思い”を皆さんに訴求しようと、最も熱く語っていたのが印象的でした。
Hondaは今でこそ四輪の会社、またHondaJetで企業イメージを高めていますが、やはり原点は二輪、
特にスーパーカブは累計1億台も「作って・売って・買って」そして長く使って、喜んで貰えているの
ですから、正に「3つの喜び半端ないって」感じですね。今後はスーパーカブも電動化・コネクテッ
ド・シェアリングなど、姿を変えて行くかも知れませんが、根底に流れる“思想”は全く変わらず、2億
台・3億台と作り続けてほしい、とカブ主としても希望します。
■・スーパーカブのブランディングをする上で、お客様視点での分析(例/ユーザーがカブを擬人化し
ている、など)や、それを経ての人気ブランドとのコラボでの話題性の創出など、参考になった。
・ホンダは、『ヒト中心のモノ作り』の会社だと、多くのホンダの皆さまに触れるたびに感じていまし
たが、今回のご講演でも、その思いを強くしました。『ヒトの役に立ちたい』という根底に流れる思想が、企業の風土を作り、製品に生かされていることを強く感じました。
■ハードに関してデザインは複数あるが、初代から一貫して人間の体へのフィットを尊重した設計がなされており、これが日本におけるホンダのブランドの強さだと思います。一人が何十台もコレクションとして所有するなど、これほどまでに人々に愛されているモノはあまり見たことがなかったので、確立したアイデンティティが長きにわたって継がれブランドの芯のようなものが存在し続けていることの影響の大きさを目の当たりにした感動がありました。
■スーパーカブへの熱い思いが伝わった。またその思いが顧客の心も掴むと感じた。インスタ映えに代表されるように派手であったり、いろいろ付け加えたようなものは目を惹き、瞬間的には愛されるが、長くは続かない。一方で、スーパーカブや無印などシンプルなものはじわじわと顧客の心を掴んでいき、長く愛されると思った。