《論稿》
「コロナに立ち向かう世界のトップブランド、 LVMH、アルマーニ、メルセデス・ベンツ、etc.:日本企業はこれに続くのか」
by 片平秀貴(丸の内ブランドフォーラム) 2020.04.06
イタリア、スペイン、米国をはじめ世界各国で、新型コロナウイルス(COVID-19)が猛威を振るっているのは周知のとおりです。そんな中3月16日(2020年)、FORBUS JAPANのオンラインサイトに載った「LVMHが手指消毒剤をノーブランドで生産、病院などに無料提供へ」という記事が目に留まりました。
https://forbesjapan.com/articles/detail/33035
「仏高級品大手LVMHモエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトンは3月15日、所有する3ブランドが香水を生産する施設を利用し、新型コロナウイルスの感染拡大で供給不足に陥っている手指消毒剤の生産を翌16日から開始すると発表した。消毒剤の生産に使用するのは、通常はクリスチャンディオール、ジバンシィ、ゲランの香水を手掛けている施設。ジェルタイプの手指消毒剤を週当たり12トン生産し、1週間後までに国内の保健当局と欧州域内の大規模な病院に無料で提供する予定だという。」
3月15日といえば、フランスの感染者数は4500人(4月2日現在6万人弱)、このアクションの準備に2週間かかったとして3月1日にはフランスではまだ感染者数は3桁に留まっていたはずです。この時宜を得たスピーディな、そして社会の深刻なニーズに応える適切で勇敢なアクションには頭を下げざるを得ませんでした。(2020年4月3日現在フランスを含めた世界の感染者数の推移はこちら⇒ https://www.nippon.com/ja/japan-data/h00673/ )
LVMHに続け:欧州トップブランドが次々に「参戦」
LVMHに続いて、最近になって欧州のさまざまな著名なブランドが本業の得意技を「本業を離れて」COVID-19との闘いに全力で投入しているというニュースが次々と飛び込んできています。順不同でご紹介します。
■ジョルジオ・アルマーニは3月26日、イタリアの全生産設備を医療用オーバーオールの生産に振り向けミラノ、ローマ、トスカーナの医療従事者を守ることを発表
■ローマを本拠とするブルガリはイタリアの医療関係者のために数十万単位の消毒用ジェルを生産すると発表
■プラダはイタリア、ペルージャの工場で8万着の医療用オーバーオールと11万個のマスクの生産を開始し近日中に医療関係者に配布すると発表
以上の情報はこちら⇒https://nypost.com/2020/03/26/luxe-labels-gucci-armani-bulgari-make-protective-gear-to-fight-coronavirus/
クルマのメーカーも負けてはいません。ジャガー・ランドローバーやアストン マーティンといった比較的小規模なメーカーが熱いです。
■ジャガー・ランドローバーは4月2日、同社の試作品製作事業部の技術を使って週に5000個のフェイスバイザー(顔全体を覆う保護バイザー)を生産し英国の医療関係者に配布すると発表
■フランスのプジョー・シトロエン グループは3月31日、フランスの人工呼吸器専門メーカーと協力して、自らの工場、労働力、技術力を提供することにより5月中旬までに10000個の人工呼吸器を生産すると発表
この記事では他にマスクが大幅に不足している事態を憂慮して、あのランボルギーニまでマスクの生産に乗り出すと伝えています。
■昨日(2020年4月3日)入ってきたニュース。英国のスーパーカーメーカーのアストン マーティンは、同社のクラシックカー事業部が医療関係者のマイカーの応急修理を無償で引き受けると発表。同事業部の近隣には全国保健機構(National Health Service)の本部があり約4000人のマイカー通勤者がいるとのこと。それ以外でも医療関係者は、どんなクルマでもすべて無償で対応するとのことです。
https://www.caranddriver.com/news/a32030576/aston-martin-works-servicing-cars-free-coronavirus/