私がソニーで仕事をしていた時、いつも気にしていたのは、顧客はソニーだけで生きているわけではないと言う事実。衣食住といった視点で見るだけで無く、ライフスタイルといった面からも我々の関りは極々一部であり、他の大部分の関りはどうなっているのだろうか?と、何を食べて、何を纏い、どんな車で移動し、どんな音楽を聴き、どんな人とどんな街で自分らしい暮らしを求めているのか?等々、人とブランドを取り巻く相関関係を知りたいということだった。それは、同じ考えの顧客を囲い込むということではなく、多様な生活の中で、「なぜ」我々を選んでくれているのか?その意識や評価の源や水脈を探りたかった。(中略)本調査が多層的に分析され、活用され、独自の見解を求める発想を見出し、人々の本音に迫るものにして欲しいと願い、様々な分野の開発行為に繋がって、顧客の喜びの枝葉を伸ばしていくことを大いに期待している。
河野 透(こうの とおる)氏 プロフィール
多摩美術大学デザイン科卒(1968年)
主な役職
1996~2002年ソニー㈱副理事(コーポレートADセンター長)
1996~2002年ソニーマーケティング㈱執行役員常務(広告宣伝本部長)
2002~2006年ソニーPCL㈱取締役副社長
1968年ソニー入社以来、商品コミュニケーション戦略、商品ブランド戦略、コーポレートブランド戦略を手がける。実践的な広告宣伝戦略から、CI,グローバルブランドマネジメントまでを統括。
*ウォークマンの開発メンバー、ネーミングは自身によるもの。
現在は
OFFICE KOONOOを開設。
ブランドの構造や事業の課題を通して、ブランドのRenovationやRe-formのコンサルティングを行なっている。
(このプロフィールは2021年5月に作成されました)